不妊治療では説明会が有効!...①
松本レディースクリニック 松本和紀院長のお話
2017年7月発行『i-wish ママになりたい 妊娠力を取り戻そう!』
松本レディースクリニック
松本和紀院長
「ひとくちに不妊症といっても、絶対不妊(まったく妊娠する可能性がない)の方はまれで、何らかの原因で妊娠する確率が低下している状態の方がほとんどです。その低下した妊娠率を少しでも上げようとすることが不妊治療。赤ちゃんが欲しい方、妊娠したい方は、早めの相談が肝心!」と先生は話し、毎週開催している説明会は、不妊治療での大切なことや体外受精の現状を知っていただくのにとても役立っていると教えてくださいました。
今、学校のクラスに1人は体外受精児
■毎週説明会を開催しているとのことですが、不妊症の方は増えているのでしょうか。
少子化と言われ、年間の出生児が100万人をきる昨今、お子さんを望まれて不妊治療施設を訪れる方は多くなってきています。それには不妊治療が世の中に浸透し、受けやすくなっていることも理由にあげられるでしょう。
また、体外受精の技術も上がり、人工授精などまでの一般不妊治療では妊娠できなかったご夫婦にも子どもが授かるようになったことも大きいことです。説明会では、この体外受精の話が中心になります。
体外受精は、イギリスのエドワーズ博士とステプトー医師が1978年に最初に成功し、女の子が生まれています。そして、エドワーズ博士は2010年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
日本では1983年に東北大学の鈴木雅洲医師らが成功し、その後技術的、医学的な発展も進み、今では学校のおよそ1クラスに1人の割合で体外受精により生まれたお子さんがいらっしゃいます。
体外受精を受けられるご夫婦も、それによって授かった命も多く、治療件数も飛躍的に伸び、今では世界一です。多くのメディアでも体外受精の情報を扱い、特殊な治療、特別な方法というイメージも低くなってきました。
説明会を始めたきっかけ そしてその様子は?
■説明会を始められたきっかけは何でしょう?
医療において、患者さんに治療の説明をすること、そして患者さんが理解され納得して治療が進められることが大切で、これをインフォームドコンセントといいます。インフォームドコンセントを限られた診療中に効率よく行うために基本的な部分は合同で説明するのが良いだろうと、複数組のご夫婦を集めて少人数で行ったのが始まりです。
今のスタイルはクリニックを移転してからで、セミナールームを確保したことで定期的に多くのご夫婦にお集まりいただけるようになりました。
開催は、第1土曜~第3土曜までが体外受精の教室で、第4土曜日が妊活セミナーとなります。説明は、私だけでなく看護師と培養士も担当し、大きなポスターを準備するなどして、できるだけわかりやすく説明を行うようにしています(内容は次ページ「説明会のここが良い!」で紹介)。