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らての台本置き場

明美と真奈のチルアウト [0:2:0]

2022.09.07 11:31

0:ファミレス。明美と真奈が向かい合って喋っている。

明美:てかさぁ

明美:俊平(しゅんぺい)も俊平じゃない?

真奈:えー?

明美:だってあたしの事全っ然覚えてないしさ

真奈:あーうん

明美:そもそも私水族館好きじゃん?

真奈:うんうん

明美:水族館好きっていうの前にも話してたのよ、俊平にさ

真奈:うん

明美:だから、記念日で、デートってなったら、普通水族館だと思うわけじゃん?

真奈:うん

明美:でさ?いざ集まってさ?まぁそれなりに、遊んでさ

真奈:うん

明美:ふつーのデートしてさ、夕方くらいに、そろそろかなーって思ってたどり着いたのが

真奈:うん

明美:東急ハンズ

真奈:あー

明美:ヤバくない?なんでだよ、別に私はお前とカッターナイフウィンドウショッピングするために池袋来たんじゃないっつーの

真奈:うんうん

明美:ったく、どう思う?

真奈:まあ、そうねえ

0:少しの間

明美:ってかさ、そろそろ別れようかなぁって思ってるんだよね、正直

真奈:えー、なんでー?

明美:・・・職

真奈:あー、職かぁ

明美:付き合ったころは、ちゃんと働いてたんだけどね

真奈:あれ?なんの仕事してたんだっけ?

明美:なんか、よく知らないけど、電柱登る仕事

真奈:へぇ

明美:偉かったらしいよ

真奈:へぇ(笑)

明美:だし、同棲しようってお金貯めてたし

真奈:いいじゃん

明美:うん

明美:だけどある日帰ってきて、いつもみたいに甘えて来て

真奈:うん

明美:愚痴とか言った後に、仕事、辞めるってさ

真奈:あらら

明美:そこからはもう無理

明美:仕事もやめたし、空いた時間でパチスロばっかだし、一人暮らしもやめて、今は実家だし

真奈:でも明美、毎日電話してるじゃん

明美:まぁ、電話はね、うん

真奈:なに「うん」って(笑)

明美:電話はいいんだよ、私も暇だし

真奈:別れればいいのに

明美:うん、もう多分別れる

真奈:そっか

明美:うん

0:少しの間

真奈:てかあの人とどうなったの

明美:ん?何が?

真奈:奈良の、一緒に住もうって言われてたって

明美:あー、奈良移住計画ね

真奈:移住計画って(笑)

明美:むりむり、無理だったー

真奈:会ったんだっけ?

明美:うん、お盆ずっと会ってたよ

真奈:ひゃー

明美:でも全然、主体性なくてさ

真奈:うん

明美:私関西の方行った事なくてさ、土地勘全然ないから、案内してって言ったんだけど

真奈:うん

明美:「どこ行きたい?」とか「なにしたい?」とか、めちゃめちゃ聞いてくんのよ

真奈:うんうん

明美:いやわかんねーから聞いてんだろうがよって、まぁ言えるはずもなくて

明美:結局自分で検索してマリンパーク行ってきた

真奈:いや水族館好きすぎでしょ(笑)

明美:だって何も提案してくれないし車で行ったんだけど、無口だから私がずっと喋ってたし

真奈:うん

明美:インドア系だから道とかしらないっぽくて結局私が携帯見ながらナビして車酔いになるし

真奈:あはは(笑)

明美:顔も全然タイプじゃないし、背も小さいしってかさ

真奈:ん?

明美:それやめて?

真奈:え?

明美:その、私が喋ってる途中ずっとパフェほじくるのやめて?

真奈:え、あ、うん、ごめん

明美:うん、ほじくりすぎてバニラソフト黄色くなってるから

明美:コーンフレークが粉越えて液体になってるから

明美:やめて?

真奈:うん、ごめん

明美:うん

0:少しの間

明美:だからまぁ、私はしばらく独り身でいいかなって

真奈:うん

明美:ほら、私一人っ子だからさ?結局一人が気楽なんだなって思ったんだよね

真奈:なるほどねー

真奈:でもさ、明美って中学の頃からずっと目立ってたし

真奈:顔もかわいいし、性格も良いし、男の人からしたら相当な好物件だとおもうんだけどねえ

明美:えー?そうかなぁ

真奈:そうだよ

真奈:実際中学の頃も高校の頃もモテたし、結局男途切れたことなくここまで来てるじゃん?

明美:んーまぁねぇ

真奈:だから、なんだかんだ言って、すぐに、新しい彼氏、できるし

真奈:そのためにも、今の彼氏と、早めに、別れた方が・・・

明美:(さえぎって)ああやめて?

真奈:え?

明美:やめて?

真奈:え?なにが?

明美:自分側のコーンフレークが液体になったからって、喋りながら私のコーンフレークザクザクするのやめて?

真奈:あ、ごめん

明美:うん、やめて?

真奈:うん、ごめん

明美:うん

0:間

真奈:(おもむろに)ゴクゴクゴクゴク

明美:ああああやめて?

真奈:ぷはー・・・え?

明美:ぷはーって・・・え?

真奈:何?

明美:やめて?

真奈:何が?

明美:怒られてばつが悪くなったからって離乳食みたいになったパフェ一気飲みするのやめて?

真奈:いやでも

明美:でもなに?

真奈:喉乾いたから

明美:ドリンクバーあるじゃん

真奈:ああ、そっか

明美:え?真奈?

真奈:ん?

明美:いや、うん、なんでもない

真奈:うん

0:少しの間

明美:でも、真奈といる時が一番リラックスできるなー

真奈:えーそう?

明美:うんうん、やっぱり中学から一緒って言うのもあるけど、

明美:単純に気が合うっていうか、一緒に居て楽しいし、

明美:会社入ってからいろんな人に出会ったけど、やっぱり結局は真奈といる時が一番いろんなことさらけ出せてるきがする

真奈:(すこし力んで)えー、うれしい

明美:・・・

明美:やっぱり持つべきものは友人だと思ったよ

明美:これウチのママの口癖なんだけどさ

明美:人生で・・・

明美:本当に・・・

明美:心を許せる・・・

明美:友達って・・・

明美:数えるくらいしか・・・

明美:できないんだ・・・よっ

0:少しの間

明美:やめて?

真奈:えっ

明美:「えっ」じゃなくて、やめて?

真奈:なにが?

明美:私が喋ってる時に、殺傷能力しっかりありそうな弓矢撃ってくるのやめて?

真奈:ああ

明美:「ああ」じゃなくて、やめて?

真奈:ヨイショ―

明美:ああああやめて?

明美:掛け声とともに新しい矢をつがえるのやめて?

真奈:何?

明美:え?やめてって

真奈:ああ、ごめん

明美:ごめんって・・・

0:少しの間

明美:あのさ、真奈

真奈:うん?どうしたの?

明美:この際だから言うけどさ

真奈:うん

明美:私の家のポストにビショビショに濡れたティッシュ投函してるの、あれ、真奈でしょ

真奈:うん

明美:やめて?

真奈:うん

明美:なんでそんなことするの?

真奈:冬だし、乾燥するかなって

明美:確かにポストは潤うけど、他の郵便物が濡れちゃうから、やめて?

真奈:うん

明美:加湿器も買うから

真奈:うん

明美:うん

明美:あとさ

真奈:何?

明美:私の家の玄関の扉、内開きにしたの、真奈でしょ

真奈:うん

明美:やめて?

真奈:うん

明美:急に内開きになってたから「行ってきまー」ガンッてなっちゃったよ

明美:「行ってきまー」ガンッて

真奈:ふふっ

明美:何笑ってんの?

真奈:いや

明美:で、「あれぇ?内開きだったっけー?」って思って内側に開いたら当たり前だけど内側に並んでた靴がずぞぞぞぞぞって

明美:お出かけ用のハイヒールとか、ランニング用のスニーカーとか全部ずぞぞぞぞぞ

真奈:ふふっ

明美:だから何笑ってんの

真奈:あ、いや

明美:やめて?

真奈:うん、ごめん

明美:なんで私の家改造してくるの?

明美:・・・匠(たくみ)なの?

真奈:・・・うん

明美:え?匠なの?

真奈:うん

明美:そっか・・・

真奈:ごめんね、黙ってて

明美:いや、うん、でも、匠だとしても、うちはやめて?

真奈:うん

明美:家族とかもいるから、困るから

真奈:うん

明美:あと弓矢しまって?

真奈:うん、ごめん

明美:うん

0:少しの間

真奈:明美、ほんと、いつもごめん

明美:いや、まぁ、うん、いいんだけどさ

真奈:ここ、私払うから、今日はたくさん怒らせちゃったし

明美:いや、いいよそんな

真奈:ダメダメ、払わせて

明美:そう?まぁじゃあ、そういうことなら、わかった

真奈:ありがと

真奈:店員さん!お会計で!

真奈:あ、すみません、小銭ばっかりになっちゃうんですけど、大丈夫ですか?

真奈:ありがとうございます・・・それじゃあこれで

明美:真奈

真奈:ん?

明美:古銭(こせん)でお会計しようとするのやめて

真奈:えっ

明美:よく見て、それ全部寛永通宝(かんえいつうほう)だから

真奈:あっ

明美:寛永通宝しまって

真奈:うん

明美:ここは私が払うから

真奈:ごめんね

明美:いいから

明美:店員さん、これで

真奈:ほんとごめん

明美:次回から、やめてくれたらいいから

真奈:うん・・・

明美:ティッシュ入れないでね

真奈:うん

明美:弓矢もやめてね

真奈:うん

明美:ちゃんと、現代のお金持ち歩いてね

真奈:うん

明美:パフェほじくるのも

真奈:うん、やめる

明美:生肉のドレス着てくるのも

真奈:やめる

明美:うん、やめてね

0:少しの間

真奈:友達は?

明美:それは・・・やめなくていいよ

真奈:そっか

明美:うん

真奈:うん

0:暗転