帯状疱疹ってどんな病気?
最近、帯状疱疹の患者さんが増えたように感じます。帯状疱疹についてしばしばご質問を受けます。 そこで今回は帯状疱疹を取り上げてみました。
①帯状疱疹とは?
帯状疱疹ウイルス感染によって起こる病気です。 このウイルスは、子供の時に感染する水ぼうそうウイルスと同じものです。
初めて感染した時は水ぼうそうとして発症しますが、水ぼうそうが治った後もウイルスは体の奥深く神経節に潜んで長く休眠状態となります。 それが、老化や睡眠不足、ストレス、病気などで免疫力が低下すると再びウイルスが目を覚まし活動を始め、神経節から神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。ですから帯状疱疹患者さんの約7割が50歳以上で、80歳までに、約3人に1人が帯状疱疹になると言われています。
②帯状疱疹の症状は?
皮膚の痛みや水疱を伴った発疹が出現します。特に、肋骨や脇腹に沿ってでることが多いですが、顔面にでることもあります。いずれの場合もどちらか片側に出ます。このように神経に沿って帯状に出るので帯状疱疹と呼ばれます。
また、かゆみではなくぴりぴり、チクチクとして痛みを伴うのが特徴です。 ときどき発疹が出る前にちくちくした違和感がでることもあります。
③皮膚症状にの他にどんな症状がでるのでしょうか?
まれに脳炎を起こしたり、神経麻痺や難聴、耳鳴り、めまいがでたりします。
眼に出ることがあり、角膜炎、結膜炎を起こし、ひどい場合は視力低下や失明にいたることもあります
後遺症として発疹が治ってもながらく神経痛が残ることもあります
④帯状疱疹は他の人に感染する?
ウイルス感染ですが、周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありません。
しかし、水ぼうそうになったことがない人は水ぼうそうを発症することがあります。
⑤帯状疱疹に2回かかることはあるの?
一度、帯状疱疹になると、再発することはあまりないといわれています。ただし、高齢者やがんなど免疫力が著しく低下した方では再発する場合もあるので、注意が必要です。 帯状疱疹にかかった人のうち数%は再発するといわれています。
⑥口の周りにできる単純ヘルペスと帯状疱疹は同じもの? 帯状疱疹は水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスであり単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルスの感染によって起こります。 この2つのウイルスは同類ですが同じものではありません。どちらも一度感染すると体の中に潜んでいて、免疫力が落ちたときに症状が出てきます。単純ヘルペスは口の周りや性器などにできます。
帯状疱疹についておわかりになったでしょうか? 次回は予防や治療についてお話します。