熊野(くまの)大社
島根県松江市八雲町熊野にある熊野大社は、スサノオ命、稲田姫、イザナミ命をお祀りする神社です。
↑ 二の鳥居
↑ 二の鳥居
熊野大社は、出雲の国一ノ宮です。
「あれ!?出雲の一ノ宮は出雲大社じゃないの?」って言われそうですが、熊野大社が一ノ宮なのです(^^)b
↑ 国歌に登場するさざれ石
↑ 三の鳥居
↑ 境内案内図
熊野大社が一ノ宮なのは、スサノオ命>大国主命という関係性だけでなく、『出雲大社』の創建と深い関係があります。
『出雲の国』は、大山祇命の子であるアシナヅチ命が治めていた(と思われます)ものが、八岐大蛇によって奪われていたものをスサノオ命が取返して、この地を『八雲立つ地』として治め始めます。
その後、スサノオ命の子であるヤツカミズオミヅヌ命が『国引き』を行って大きくします。
更に、スサノオ命から数えて五代後の子孫、大国主命がスサノオ命の娘:スセリ姫を娶り、八十神を退治して出雲を譲渡されます。
大国主命が国を更に大きくした後、天照大御神から『国譲り』を迫られます。
この『国譲り』の時に大国主命が国の変わりとして要求したのが、『高天原にあるような大きなお宮』の建立でした。
時が過ぎて、平安時代-。
現在の松江市から出雲市へと『出雲国府』が移動する際に、『出雲大社』も建立され、国造である『出雲氏』が『熊野大社』と『出雲大社』分かれたと言われています。
この時、『出雲大社』へ行った国造は、御進物の煮炊きに欠かせない、『火継ぎ』道具を忘れてきてしまいます。
↑ 鑽火殿(檜の臼と卯木の杵)
毎年、新嘗祭の直前には、『出雲大社』から『熊野大社(かつては神魂神社)』へ火継ぎ道具を借りにくる神事(亀太夫神事)が執り行われます。(^^)
↑ 2枚 出雲型 唐獅子
↑ 舞殿(中には大きな奉納絵馬があります)
↑ 拝殿(正面から)
↑ 稲田社(稲田姫と共にアシナヅチ命・テナヅチ命もお祀りされています)
↑ イザナミ社(スサノオ命の母神)
↑ 本殿(イザナミ社の前から)
↑ 稲荷社前の朱鳥居
↑ 荒神社の中の石祠
↑ 灯篭のコケ
最初の方に御祭神の紹介をしたのですが、簡単にスサノオ命と書いていましたが、この熊野大社では、『神祖熊野大神櫛御気野命』=(かぶろぎくまのおおかみくしみけぬのみこと)と呼びます。
とても長いですが、分解して読み解くことが出来ます。
・神祖(かぶろぎ):意味)神聖なる神・神聖な神の祖である。
・熊野(くまの):意味)地名。
・大神(おおかみ):意味)偉大な神。
・櫛(くし):意味)変わった(もしくは、特別な)力を持つ。
・御気野(みけぬの):意味)食物・保食。
と、なります。
つまり、熊野に住む偉大なる神々の祖先であり、特別な力で私たちを守って(食べさせる)くれる神様です。と、銘打ってあるのです。(^^)