MBA留学準備ガイダンス(第2回)
出願校の選択
1:出願校の選択基準
進学先のビジネススクールはMBA留学の準備で決まるので、将来のキャリアの更なる飛躍を目指すために、自分に合った出願校を選択することは重要です。国際認証、ランキング、ブランドなどの社会的評価や入学時期、出願要件、参加費用などの調整事項を確認することも大切ですが、基本的には、相性(フィット)と機会(オポチュニティ)と情熱(パッション)を出願校の選択基準に設定することをお勧めします。相性とは自分の個性とビジネススクールのカルチャーの相互関係、機会とは自分がビジネススクールでできるチャレンジ、情熱とは自分が特定のビジネススクールで学びたい気持ちです。
相性と機会と情熱の観点から出願校を選択するために、ミッション、ダイバーシティ、進路、場所、種類、期間、規模、教授法、カリキュラム、課外活動、個人的理由は検討に値すると考えています。ミッション、ダイバーシティは相性、進路、場所、種類、期間、規模、教授法、カリキュラム、課外活動は機会、個人的理由は情熱を確認することにつながる可能性があると思います。
1-1:ミッション
ミッションを調査することにより、ビジネススクールの存在意義を知ることができます。ミッションは、ビジネススクールごとに特徴があります。設立理由、歴史、組織構造、運営方針、選考基準などと合わせてミッションを理解することにより、ビジネススクールのカルチャーに包括的にアプローチすることができます。ミッションを確認すると、自分が共感する価値観を発見できる可能性があります。
1-2:ダイバーシティ
在校生プロフィール(クラスプロフィール)を調査することにより、MBAプログラムのダイバーシティを知ることができます。在校生プロフィールには、平均勤務年数、平均年齢、女性比率、留学生比率、出身地域、出身業界、学問分野などがまとめられています。ダイバーシティは、MBAプログラムごとに異なります。在校生プロフィールを確認すると、自分にとって理想的な環境を発見できる可能性があります。
1-3:進路
卒業生の進路を調査することにより、MBAプログラムの人材育成の成果を知ることができます。就職実績報告書(エンプロイメントレポート)には、卒業生が就職した企業名が掲載されているのみならず、就職活動の結果が、産業(インダストリー)、専門分野(ファンクション)、場所(ロケーション)の観点から、統計的にまとめられています。産業は、コンサルティング、金融、テクノロジー、ヘルスケア、製造業など、業界ごとに分類されています。専門分野は、マネジメント、ファイナンス、マーケティング、オペレーション、人事など、職種ごとに分類されています。場所は、北米、南米、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなど、地域ごとに分類されています。卒業生の進路は、MBAプログラムごとに違いがあります。就職実績報告書を確認すると、自分のキャリアゴールの実現につながる機会を発見できる可能性があります。
1-4:場所
進学先のビジネススクールの場所により、MBA留学の過ごし方が変わると言っても過言ではありません。北米、ヨーロッパ、アジアなど、地域ごとに文化が違います。地域ごとに産業が異なるため、学べる機会とネットワークが変わります。大都市と学園都市では、就職活動のスタイルが異なります。ビジネススクールの場所を確認すると、自分がMBA留学から得られる機会を選択できる可能性があります。
1-5:種類
MBAプログラムの種類には、通常のMBAプログラム、ミッドキャリア対象のMBAプログラム、エグゼクティブ対象のExecutive MBAプログラム(EMBAプログラム)などがあります。種類の違いは、参加スタイル、在校生の平均勤務年数、就職活動の方針などに影響を与えます。MBAプログラムの種類を確認すると、自分のキャリアステージに応じた機会を選択できる可能性があります。
1-6:期間
MBAプログラムの期間には、1年、1.5年、2年など、様々な違いがあります。MBAプログラムに複数の期間を設定しているビジネススクールもあります。期間の違いは、インターンシップの有無、履修可能な選択科目数、他学年とのネットワークなどに影響を与えます。MBAプログラムの期間を確認すると、自分のキャリアプランに合った機会を選択できる可能性があります。
1-7:規模
MBAプログラムの規模は、100名に満たない小規模から1,000名を超える大規模まで大きく異なります。規模の違いは、専攻分野数、開講される選択科目数、学生のコミュニティなどに影響を与えます。MBAプログラムの規模を確認すると、自分の学習プランに合った機会を選択できる可能性があります。
1-8:教授法
MBAプログラムごとに、ケーススタディ(事例研究)、プロジェクト(体験学習)、レクチャー(講義)などの教授法の割合が違います。ケーススタディの割合が高いMBAプログラム(ケース重視型)、プロジェクトの割合が高いMBAプログラム(プロジェクト重視型)、ケーススタディ、プロジェクト、レクチャーをバランス良く採用しているMBAプログラム(バランス型)などがあります。教授法を確認すると、自分のMBA留学の目的に合った機会を発見できる可能性があります。
1-9:カリキュラム
MBAプログラムのカリキュラムは、ビジネススクールごとに異なります。必修科目数が多く、ゼネラルマネジメントを体系的に学べる比較的固定されたカリキュラムから、選択科目数が多く、専攻分野を集中的に学べる柔軟なカリキュラムまで、多種多様なカリキュラムがあります。クロスレジストレーションにより他学部の授業を履修したり、交換留学により他大学の授業を履修したりできる場合もあります。カリキュラムを確認すると、自分の学習目標の達成につながる機会を発見できる可能性があります。
1-10:課外活動
MBAプログラムには、ネットワークを構築できる様々な課外活動があります。文化交流を目的とするクラブ、就職活動を目的とするクラブ、趣味を目的とするクラブなどがありますが、ビジネススクールごとにクラブの活動内容には違いがあります。海外視察旅行などの国際イベント、ビジネスプランコンテストなどの起業イベントに参加できる場合もあります。課外活動を確認すると、自分と共通の興味を持つ友達が増える機会を発見できる可能性があります。
1-11:個人的理由
MBA留学を目指す個人的理由には、オリジナリティがあります。バックグラウンド、キャリアゴール、MBAプログラムを知ったきっかけなどに由来する特別な理由を意識することにより、パーソナルストーリーを見つけることができます。個人的理由を確認すると、自分が特定のビジネススクールを目指す情熱を発見できる可能性があります。