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マヤ

『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編「三日遅れの七夕⑤」

2022.09.11 00:45

臣「彦星と織姫みたいに、お前と会うのに14年もかかったりしたら、俺、多分挫けそうだなって」





隆二「そんな事態、起こりっこねぇし」





臣「そんなのワカンねぇぞ!どっちかが地球の裏側の国で長期ロケとかさ」





隆二「現実にそうなったら、家族総出でロケ地に引っ越すさ」





臣「…」





隆二「あ、今ちょっと嬉しそうな表情になった」




隆二は臣の頬をつんつんしている。




臣は、されるがままで、軽く眉を寄せて少し照れた表情を浮かべた。





臣「気のせいだろ」





隆二「臣ってホント分かりやすい」





臣「あ!ほら、あの時。俺が魔物に支配された後、しばらく頭の中に靄がかかってて、お前とも数ヶ月マトモに愛し合ってなかったじゃんか」




隆二「…ああ」




臣「あの数ヶ月間は一年にも十年にも長く感じてさ。今思えば、まさに織姫と彦星の心境だよ」





隆二「そうだったんだ」





「…あん時の臣ってボウッとしてほっとけなくてさ。なんていうか、無性に守ってあげたいって思った」





臣「魔物に支配されてた俺にも惹かれてたんだろ?お前…」





隆二「気づいてたの?」





臣「なんとなくね。そりゃそうさ。器はひとつなんだから。記憶っていうか、感覚は残ってるよ」






隆二(お前から逃れようとする俺を、無理やり襲ったことも、覚えてる?)





隆二は口には出さず、目で問いかけた。






もちろん心の声だ。





臣には届かない。






つづく





*️⃣超不定期更新にお付き合い下さり、いつもありがとうございます。