RaphaSupercrossNobeyama UCI2 Day1&2
日本に帰国後、野辺山に合わせて調整していた。全日本の一週間前に当たるこの2日開催のレース。このレースでどんな走りが出来るかによって、全日本前の過ごし方が大きく変わる。コッペンベルククロス後に起こした肉離れ。まずは原因を探り、より良い方向へ。左足ハムストリングの患部は内出血を起こすほどの重症ではなかったけれど、痛みでペダリングが出来なくなっていた。毎日、一定の負荷で乗れる三本ローラーでリハビリをしていた。情けないことにレース前日になってもレースを100%走れる自信はなかった。
そして、Day1。試走も脚に負担をかけないように軽めのギヤでバイクの挙動や、コースのリズムをつかむ。ウォームアップもペダリングの確認程度。いかに効率よくペダリングをし、スピードに繋げるか。それが課題だった。ペダリングのスムーズさで脚の負担を軽減させるしかなかった。レースがスタートし、カラダの状態を確認。スタートから思いっきり踏むのが怖かったのでとりあえず、落ち着いて軽く流して先頭グループで走る。2周目?あたりから、海外招待選手のザックが飛び出し、約10秒リードし、その追走グループで走る。追走グループ人数が増えだし、面倒はごめんだなと思い、脚に負担をかけるのは不安だったけど、ここで踏めなきゃレースも走りきれないと判断。ペースを上げ、トップを独走していたザックに半周で単独で追いつく。思ったよりペースが上がってないので、とりあえずはザックを牽引する形で周回を重ねる。ザックと2人で協力し、楽にレースを進めたかった。が、ザックはジョインしてから一周もせず?、失速。
レース中盤前にして、僕が単独トップ、10秒弱の差で二位にヒカル。そのまた10秒弱後ろに3位パックでベンや幸平さんという形。ベンは後半にかけてペースが上がるけど、負ける気がしなかった。と、いうのも、夏の間にCityMountainbikeで一緒にレースをし、以前より彼の特徴を掴んでいた。しかし、僕は脚を痛めている。脚力を出来るだけ使いたくないし、患部に負担のかかるダンシングも出来る限り控えたい。とりあえずは、ペダリングを意識して、効率よくラップを重ねる。無理はし過ぎず、冷静さを保ってレースを進めた。レース終盤までヒカルと10秒前後の差を保っていたが、彼がラスト2,3周で失速。あー、長かった、、と思い、僕も脚への負担をかけず、よりリスクを下げ、ラップタイムを調整し、最後までレースを進める。このハイスピードコースで20秒の差はミスがなければ安全圏。ある程度のリードを保ち、きっちり優勝。ザックが失速したのが予定外で思ったより序盤に単独トップという形になった。正直、勝つ自信の前に、レースを走りきる自信がなかったのでゴール出来た時は素直に嬉しかった。そして、野辺山スーパークロスで海外勢を抑え、優勝というプレゼントまで付いてきた。脚の状況を考えつつのレースは出力調整も含めとても精神的負担になったけれど、そこからくる自信がついたのも確か。
まだ本調子ではないし、レースではマイナス思考のマイナス的なレースをした。観客の皆さんにもっともっと攻めた僕の走りをお見せできなかったのが残念だったけど、結果としては、日本人最高位が優勝という形にできたし、楽しんでもらえたならうれしい。日本からいつも僕のことを支えてくれている東洋フレームスタッフもビックレースで経験豊富な石垣さんが風邪で不在という中、最後まで出来ることをしてくれた。色々な困難があったけど、そこで掴めた一勝は嬉しかった。
そして、Day2。朝から前日のレースの影響で脚に違和感が。再発ではないけれど、患部の疲労がひどかった。レースをすれば再発の可能性がある。野辺山スーパークロスまでに進めていたリハビリの遅れの状況を考えるとDNSという判断をせざるを得なかった。主催者や関係者、ファンの皆様にご迷惑をおかけし、申し訳なかった。Day2は東洋フレームブースで僕のバイクを展示し、たくさんのファンの方と交流させてもらった。サインや一緒に写真を撮ってくださった皆様、ありがとうございました。毎年、このRaphaSupercross野辺山はきっちりオーガナイズされていて、選手も観客の皆様もそれぞれ楽しみたい分だけ楽しめる大会。Day2はレースが出来なかった分、違う形で存分に楽しませていただきました。来年もまた走らせてもらいたいです、たくさんの応援等ありがとうございました。さて、次は全日本選手権。勝つ。手加減なしで攻め切ります。応援よろしくお願いします。写真は©Kei Tsujiさんです。ありがとうございます。では。