痛みに漢方? 芍薬甘草湯編
薬剤師ライターのみきです。
みなさんは痛みが起こった時に飲む薬というとどんなものを想像しますか?
ロキソニンとかイブ・・・などなど。
(私はナロンエース派・・・)
そう、西洋薬の頭痛薬ですね。
私も常備して持ち歩いています。
漢方薬の中にも痛みに効果があるのをご存じでしょうか。
今回は痛みに使う、芍薬甘草湯という漢方を解説します。
構成している生薬
芍薬甘草湯は『シャクヤクカンゾウトウ』と読みます。
この漢方薬はたった2つの生薬から構成されている漢方薬です。
① 芍薬(シャクヤク)
ボタン科の植物、シャクヤクの根を乾燥させたもの。
五気⇒微寒 五味⇒苦酸
② 甘草(カンゾウ)
マメ科の植物でカンゾウ属植物の根茎を乾燥したもの。
五気:平 五味:甘
余談ですが、カンゾウもシャクヤクもこう見ると、見分けがつかないのが正直な感想ですね・・・。
(大学時代、生薬の実験が苦手だった落ちこぼれの感想(;´・ω・)デス・・・)
どんな効果がある?
芍薬甘草湯は、痛みのなかでも筋肉のけいれんをしずめて痛みを和らげる働きがあり、
漢方の中でけいれんによる痛みに使う基本の漢方薬です。
たとえば、こむら返りの痛みなどはこの漢方薬が最適。
芍薬も甘草も急な痛みを和らげる働きを持っているので、この作用がある2種類の生薬を混合することで効果がしっかりと出るようになっています。
病院でも『寝ているときに足がつって起きてしまう』などの訴えがあると、
この芍薬甘草湯が処方されることがあります。
(ツムラなら68番の漢方薬がこの芍薬甘草湯です)
また、この漢方薬は飲んですぐに効果が出てくるのも特徴のひとつなので、
筋肉の緊張が起こってから飲んでも、症状が和らぎます。
即効性があるのは、助かりますね。
もちろん、筋肉が緊張する前にあらかじめ飲んでおくこともできます。
ただし、使い続けていると効かなくなるので必要な時に飲むのがベストな使い方です。
他の痛みにも効果がある?
芍薬甘草湯は筋肉のけいれんに伴う痛みを緩和する漢方薬です。
人の身体は様々な筋肉で出来ていて、内臓も筋肉で出来ています。
内臓の筋肉がけいれんを起こして痛みが出た場合にも、この漢方薬は効果を発揮します。
そのほか、筋肉の緊張が原因で起こる症状であれば効果が期待できます。
例えば、胃がけいれんすることで起こる胃痛や生理痛、腰痛、尿管結石などがそれです。
カンゾウに注意?
芍薬甘草湯に含まれる甘草の量は他の漢方薬よりも多いのが特徴としてあります。
その甘草、じつは注意してほしい副作用があります。
甘草という生薬は他の漢方薬やお薬にも使われることが多いもののひとつです。
その甘草ですが、多く摂った場合に血圧が上がったり、むくみがでたりすることがあります。
また、その他にもしびれやつっぱり感、力は入らないなどの症状が出てくることがあります。
これは偽アルドステロン症という副作用のひとつなのです。
難しい名前の副作用ですね・・・。
アルドステロンというのはホルモンの一種で身体の水分やイオンバランス、血圧を上げるときに活躍するホルモンです。
これが増加すると身体に水分を貯めたり、カリウムを体外に出したりします。
甘草は多く摂ってしまうと、身体の中でアルドステロンが増加した状態に似た環境を作ってしまうため、このような副作用が出てしまうのです。
手足のだるさやつっぱり感、力が抜ける感じなどがこの副作用の初期の症状なので、甘草を含むお薬を飲んだ後で初期症状が現れたら、すぐに医師や薬剤師に相談するようにしてください。
甘草の1日の服用できる量というのは、はっきりとしたものはないのですが、市販のものでは1日量は5g程度、医療用では最大6g程度が配合されています。
この規定量を守って飲んでいれば問題はありませんが、甘草は多くの漢方薬などの医薬品に含まれていますので、いくつもの種類の漢方薬を使う場合には説明書を確認するようにしてください。
また、複数の漢方薬や甘草を含むお薬を何種類も使う場合は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
いかがでしょうか。
漢方薬で痛みを和らげるのが意外と感じた人もいるのではないでしょうか。
そのほかにも痛みに効く漢方薬はいくつかあります。
ここで少しずつ解説をアップしていきますね。