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もしも犬に咬まれたら

2022.10.20 01:00

犬はどんなに小さな愛玩犬でも、元々は肉食動物のため鋭くとがった歯を持っています。きちんとしつけができていなければ、ちょっとした拍子に飼い主さんばかりでなく他の人や犬に咬みついて傷をつけることもあります。もし、自分や愛犬が他の犬に咬まれたら、どのような処置を取ればいいのでしょうか?また、愛犬が人を咬んだりしないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

今回は、犬が人を咬む理由、咬まれた時の処置や対応についてお話します。


犬が人を咬む理由

子犬の時、どんな犬でもいろいろなものをかじろうとしたり、人に対して甘噛みをしてきます。そのときに「人を噛むのはいけないこと」ときちんと教えておかないと、大人になっても噛むことで人とコミュニケーションをとるようになってしまいます。

また、攻撃性や支配欲の強い犬は、周囲に対して咬むことで自分の力を誇示しようとします。逆に咬むことで弱い自分を守ろうとする犬もいます。

このように、犬人を咬む理由はさまざまです。そのため、一番の予防は「知らない犬には近づかない」ことですが、公園やドッグランなどでは、ノーリードの犬が近づいてきてしまうケースもあるので、飼い主さんは日頃から注意をする必要があります。


犬に咬まれたときの傷の処置

もし、あなたが犬に咬まれたら、真っ先に傷の手当てを行いましょう。大きな血管が傷ついていたり、何箇所も噛まれて出血が多い場合は、清潔な布で圧迫止血を行いながら一刻も早く病院に行かなければいけません。

出血がひどくない場合は、まず咬まれた部位を流水でよく洗いましょう。汚れを十分に洗い流したら、さらに消毒液を傷口に流し込むようにして洗い流し、きれいなガーゼなどでやや強めに圧迫を加えながら止血を行い、そのまま病院に行きましょう。咬み傷は表から見える傷が小さくても非常に深い場合があるので、どのような場合でも診察は必ず受けるようにしましょう。


よその犬に咬まれたら?

犬が人を咬んだ場合、咬まれた人も咬んだ犬の飼い主さんも、保健所もしくは市役所の担当課(動物愛度センター)に届け出る義務があります。よその犬に咬まれてしまった時は、まずその飼い主さんの連絡先を聞いておきましょう。

そして、もし飼い主さんの飼育管理に問題があって、結果としてあなたが犬に咬まれたのだとしたら、あなたはその飼い主さんに損害賠償の請求を行うことができます。賠償請求なんて大げさだな、と思われるかもしれませんが、犬の飼い主はいかなるときもその動物の種類、性質に応じた注意を払う義務があります。間違った飼い方をしている人に対して二度と同じような事故をおこさせないためにも、ペナルティとして治療費、通院交通費、慰謝料などをきちんと請求したほうがよい場合もあります。


狂犬病について

犬に咬まれたとき、まず皆さんが問題にするのは「狂犬病」だと思います。確かに人を咬んだ犬は狂犬病ワクチンの接種歴を調べられ、狂犬病にかかっていないかどうか動物病院で検査が行われます。

しかし、もう何十年も日本国内で犬に咬まれて狂犬病を発症した人はいません。もちろんいつ海外から入ってきてもおかしくない病気なので用心するに越したことはありませんが、犬に咬まれたからといって狂犬病になってしまうのではないか、と必要以上に心配することはありません。(海外で犬に咬まれた際は、すぐに傷口を洗い流して消毒し、できるだけ早く現地の医療機関を受診しましょう)

犬に咬まれて問題となるのは、多くは口内細菌による傷口の化膿と破傷風です。そのため、犬に咬まれた時の傷口の消毒はくれぐれもきちんと行うようにしましょう。


愛犬が咬まれたら

公園やドッグランで犬同士が喧嘩をして咬まれるという事故は、人が犬に咬まれるよりも多くに起こる事故だと思います。もし、愛犬が咬まれてしまったら、人の場合と同様にすぐに傷口を洗い、止血を行いながら動物病院に連れて行きましょう。動物の場合、皮膚が毛で覆われているため、出血部位がわかりづらい場合もありますが、毛を掻き分けてしっかりと傷口を確認し、その上をおさえるようにしましょう。


愛犬が加害者にならないために

お話したとおり、犬の飼い主さんは犬が人に迷惑をかけないように正しく飼育する責任があります。愛犬を事故の加害者にしないためには、日頃からしつけをきちんとして、人や犬を咬んだり飛びかかったりしないようにしておきましょう。

子犬の頃からたとえ甘噛みでも人に歯を立ててはいけないと教え、「待て」「いけない」などの基本的なコマンドはどんな時でも聞けるように徹底しておくことが大切です。そして、お出かけの時には必ずリードをつける、家や庭から勝手に外に飛び出さないように常に気をつける、犬同士の相性を確かめてからドッグランに入る、などの配慮を忘れないようにしましょう。


おわりに

放し飼いやリードをつけないなど飼い主側が必要な管理を怠ったなどの結果、事故が起きてしまった場合でも、一度でも人を咬んでしまえばその犬は凶暴な犬というレッテルを貼られてしまいます。

そしてそれが重なると、最悪の場合、社会生活に不適応として処分されてしまうケースもあります。犬を飼う方はそういった不幸な犬を作らないようにきちんとしたしつけと、日頃の飼育管理を行うようにしましょう。