第10話『茂林寺』~分福茶釜の由来の寺で福を分ける!!
2015.04.20 23:21
ここは、館林市の『茂林寺』。
ひとつのお話から話をはじめましょう。
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むかしむかしの400年以上前のお話。
今で言う群馬県の伊香保から館林の茂林寺に一人のお坊さんがやって来ました。
名前を『守鶴』といいました。
彼は代々の住職につかえました。
ある年、茂林寺で大きな法会が催されることになりました。
そのさいに、大勢の来客を賄う湯釜が必要となりました。
守鶴は一夜のうちに、どこからか一つの茶釜を持ってきて、茶堂に備えました。
ところが、この茶釜は不思議なことにいくら湯を汲んでも尽きることはありませんでした。
守鶴は、自らこの茶釜を、福を分け与える「紫金銅分福茶釜」と名付け、この茶釜の湯で喉を潤す者は、開運出世・寿命長久等、八つの功徳に授かると言いました。
時がたったある日、守鶴は熟睡していていました。
すると手足に毛が生え、尾が付いた狸の正体を現わしてしまいます。
これ以上、茂林寺にはいられないと悟った守鶴は、名残を惜しみ、人々に源平屋島の合戦と釈迦の説法の二場面を再現して見せます。
人々が感涙にむせぶ中、守鶴は狸の姿となり、飛び去りました。
実はこの時、守鶴が茂林寺に来てから160年も経っていました!!
(茂林寺HP参考)
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このはなしは明治・大正期の作家、巌谷小波氏によってお伽噺「文福茶釜」として出版されます。
茶釜から顔や手足を出して綱渡りする狸の姿が、広く世に知られる事になりました。
そう、可愛いお馴染みのこの姿。
冒頭の写真。
いまでも、
その茶釜がのこっています。
ずっと錆びない茶釜だそうです。
境内や参道にも狸が一杯で『分福茶釜』『茂林寺』が多くの人にいまでも親しまれているのが伝わってきます。
茂林寺の説明によれば。
『狸』は『他を抜く』という意味があり縁起がいいということです。
でも、私はちょっと独りよがりな気もしました。
しかし!
ここは、一方で『分福茶釜』の舞台。
『福を分ける』という縁起のよさも兼揃えています。
『他を抜きにでられるほど好調』になるとともに『周囲の皆さんに福を分けられる余裕』がある。
最高の状況だなぁと思いました。
いまでもおとぎ話のなかに入れるような『茂林寺』素晴らしい!!
これからも多くの人に愛され続けてほしいです(*^^*)
■茂林寺参道
茂林寺参道には狸の置物がたくさん並べられています。
山門を入ると左右に狸像が迎えてくれます。
館林市は躑躅と分福茶釜のまちと言うことです。デザインが可愛いですね。
昨年終わった漫画『NARUTO』。
一尾(狸)の砂の『守鶴』ですが、茂林寺の守鶴和尚がモデルなのですね。おとぎ話って今の子供がみる漫画・アニメにも息づいているのですね。素敵なことです。