『W旦那+(プラス)』第147話 三代目妄想劇場
2018.02.24 00:00
隆二はキッチンでミルクを温めながら、目の前のリビングで珍しそうに隆臣を観察している臣を見ている。
(いつも自信に満ち溢れて、男らしくて、俺様的だったのに…)
(今はすっかり大人しくなって、心ここに在らずで、別人の様だけど…)
(ボーッとして、つかみ所のない今の臣も…俺好きだな)
(やっぱ戻ってなかったんだな…俺との記憶…)
(歌唱やダンスは問題なくこなせるし、メンバーや家族、友人とも普通に会話出来るのに…)
(俺との記憶だけ…手放しちゃったんだね…)
「あっ!いっけね…」
ミルクが沸騰している。
慌てて火を消した。
隆二はミルクをカップに注ぎながら、
臣に声をかける。
「着替えとか…靴…あとベビーベッドも買いに行かなきゃ」
臣「え?それって、引き取ること前提?」
隆二「俺とお前の遺伝子を受け継いだベイビーだよ」
「顔を見て、腕に抱いたら、もう離したくないよ」
臣「…わかる」
隆二は臣の言葉を聞いて明るく笑いながら、トレイにカップを三つ乗せてリビングにやってきた。
隆二「ほんと?」
臣「うん」
隆二「隆臣育てていい?」
臣「……」
隆二「いや、言い方が変だな」
「俺が隆臣育てるから、もうしばらくここに居ていい?」
臣「好きなだけ居ればいいけど…」
「俺の子供でもあるんだから…」
「二人で一緒に育てようよ」
End