指揮者の横にテューバ
先日、洗足学園トランペット研究会(トランペット専攻生)による学外公演を聴きに行きました。
というのも、
僕が以前東京音大のトランペット科に書いた「ローマの祭」を再演してくださるからです!
もう演奏する機会などないと思っていたのに、ありがたい限り。
洗足学園はものすごいマンモス音大なので学生数がハンパない。同じトランペット専攻生の中でも面識ない人いっぱいいるんじゃないのかな?
なので、ローマの祭直前の舞台がこちら。
ああ、すごい数。100名前後って感じでしょうか。
ローマの祭は、原曲ではマンドリンのソロがあるんです。あのマンドリンのテレテレテレっとした演奏をトランペットでできないかと思ったとき、思い出した映像があったんです。
かなり昔、多分初期メンバーのカナディアンブラスのライブビデオ(ビデオ!)を後輩の家で観たことがありました。
カナディアンブラスは普通に舞台で演奏するだけでなく、演奏しながらオモシロ無言(?)劇のようなことをするんですが、そのとき、ホルンのベルにトランペットを向けて、ホルンのロータリーをカラカラと動かすと、あれ不思議マンドリンのようなテレテレテレっとした演奏になる、という記憶です。
でもラッパ科ではホルンパートは用意しません。バストランペット、トロンボーン、テューバはいるので、この中でマンドリンが成立し得る楽器といえばテューバです(一応試した)。
ということで、その場面が来たらテューバを1名演奏しないように設定し、マンドリンソロを担当する人がテューバの場所まで行ってテレテレテレっと吹いてもらおうかと思って楽譜を書いたのですが、東京音大のときは舞台が狭くて移動できないので、テューバの横にいるフリューゲルに演奏してもらっていました。
そして今回なのですが、実際僕は洗足の練習には立ち会ったりしてないので、当日まで知らなかったのですが、こんな感じ。
なんと指揮台の横にテューバ!!
てってれー
まさかの指揮者(津堅先生)の真横に謎のテューバ。
これではまるでヴォーン・ウイリアムズのテューバ協奏曲でも演奏するみたいじゃないですか。
そうか。今回も考えてみたらテューバのところまでマンドリン吹く人が移動する余裕なんかなかったんですね。
ほんと、なんかすいません。
申し訳なくて僕が舞台下からテューバ構えようかと思ったくらい。
(小声)これだったらホルンでもよかったんだけど...なんて...もう言えない...ごめんなさい…
東京音大の初演時にも音域的に(特にピッコロパートに)「勘弁してください」って言われたくらいなので、本当に大変な楽譜なのですが、みんな頑張りました。お疲れ様でした。ありがとう。
荻原明(おぎわらあきら)