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生島尚美さんエッセイ / 新・バリ一代ドタバタ記 (メルマガvol. 50より転載)

2018.02.24 08:05

 皆さん、こんにちは!

  バリ島よりsisi生島尚美がお送りします。


 まずはアグン山についてですが、すっかり私たち在住者は「普通」の状況と感じています。

 ちょこちょこ起こっている小規模な噴火も、風向きが東側(隣のロンボク島には申し訳ない)な限り空港への影響もなく、のんびりしたものです。

  ただ、非常に減ったとは言え、火口から4km圏内の地元の人たちはまだ避難中であるようです。しかし、年末年始に「バリ行き」をやむなくキャンセルした方々がこの時期に「今回は絶対来たくて!」とご連絡を下さって本当にうれしい気持ちでいっぱいです。頑張るぞ〜  


 さてさて、前回までのお話はsisiのバッグをひとつずつ売って、素晴らしい設計士にも会え、遂に「夢の家」を建てるぞ!と言うところでした。

  私はその時までお店をいくつか建てたりしたことはあったものの、「家」をゼロから建てることなんて日本ですらありませんでした。

 家を建てる「その土地」は道に向かって中途半端な三段階の高低差があり、それをまず平らにしてから工事をスタートさせなくてはならないだろう、という話でした。高い所を削って低い所を埋める。それだけでまずコストと時間がかかるよ〜、と言われていたのですが、現場を見た女性ジャカルタ人設計士のEさんが「この段差を利用して立体感のある素敵な家を作りましょうよ」と言ってくれました。

自宅建築をめぐる悲喜こもごも


 あぁ、素晴らしい!やっぱりこの人に出会って良かった〜〜、と思いました。  

 彼女が手配した「建築チーム」もなんだか頼もしい!現場監督曰く「俺はFour Seasonを作ったんだよ」と。

 そんな立派な人がうちの家なんて作ってくれるの? 光栄だなぁ、と当時第二子を妊娠中の私はありがたく思ったものでした。

 当時私たちは奈良をベースに生活し、妊娠中の私に代わり、夫が「仕事」と「家の建築の様子を見るため」に2カ月に一度ぐらいバリへ来る、というスタンスだったものの、このチームならバリにいなくても大丈夫、と思えました。同時に隣の土地でも友人夫婦が家を建てていたのもあり、ますます安心。


しかーし…


 「基礎を掘ってるけど、あれ、浅いんじゃないない? 設計図どうなってる?」と隣のインドネシア人の旦那さんが連絡してきてくれました。え? なに? すぐ見に行けない私たちは、さっそく設計士Eさんに連絡。しかし連絡が取れない! よくよくアシスタントさんに聞けば彼女は仕事で海外に行っている、とのこと。


 「私も週に2〜3回は現場を見に行ってるから安心して」と言った設計士Eさん、このあと家が建つまでに、仕事以外の海外長期旅行で3度ほど、 2週間から1カ月以上いなくなるとはこの時の私たちはまさか想像しておりませんでした。


 sisiのバリ人専務Kに「?」なことがあるたびに走ってもらい確認してもらう日々。


 Four Seasonを作ったという監督(この期におよんで全く信じていないその言葉)も場数だけはやはり踏んでるらしく、気が優しいKを専門用語ではねつける。「お前は直接関係ないのだからウロウロするな」というような事まで言われる始末。


 現場に飛んだ夫には監督、「いやぁ、旦那さん、こんにちは、順調に進んでますよ〜。え? これ、書かれてる素材と違うものを使ってる? うーん、おかしいな、これ、買ってきたヤツが間違えてんだな、お前このやろー(アシスタントに)」なんて言っていたそう。


 工事現場では日本でも同じかも知れませんが、決まってる素材よりクオリティの低いものを買ってきて、その差額をポケットに、なんてこと、隙あれば行われるよう。設計士Eに訴えても「えぇ? そう? そんなことないと思うけど、本当に人が間違えたんじゃない? じゃ、私は出張に」なんて言っている。


 ここは もう少々コストがかかってもこちら側に立ってくれる知識のある人間がいる! と判断した私たち夫婦、専務Kの義弟を「監督の監督」として投入することにしました。


 その人 Dwiは保険の営業をしながら設計士になるために専門学校に通っている、真面目でキッチリしたバリでは珍しく「言うことは言う」人。週に2〜3日、彼が現場を設計図を見ながら確認し、写真などを送ってくれるようになりました。


 ここから一気に現場は健全に進むようになりました。

写真はDwiと夫です。


 しかし、井戸を作るとき(ウブド郊外はまだまだ水道が通っていない所が多いため、井戸がメイン)、「60メートル掘らなきゃダメだったのに、監督がサボって40メートルしか掘っていなかったから、僕が見つけて注意して、間をとって「50メートル」ちゃんと掘りました!」とDwiが満足げに言ったのには本当に笑ってしまった。


 どんな時にもやっぱりバリだなぁ〜!


 次は大変な家作りもいよいよ終わり、急かして半強制的に引越したものの…やっぱり、出たか!のアレのお話を。


 <次回の掲載につづく>