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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

【塾物語】アンティーク

2015.12.12 13:59

「歴史を学ぶ意味は何ですか?」

塾の先生が私に訊いた。私は一瞬ぽかんとして、

「成績を上げるためです」と答えた。

今度は先生がぽかんとした。


私の大嫌いな社会。特に歴史。

その面白さを教えてくれるよ、って教室長が担当に選んだのが、先生だった。

縄文、弥生までしか歴史を順番に言えなかった私に、

先生は物語仕立てで面白おかしく歴史を教えてくれた。


「未来をより良くするためです」

先生は歴史を学ぶ意味を私にそう教えてくれた。

だけどその後に、

「でも、本当は違うんですけどね」とぼそりと呟いた。

その時の私は?を浮かべただけでそれ以上追求はできなかった。


学校の社会のテストの得点が平均点以下から93点まで伸びた。

それをきっかけに私は歴史を好きになった。

「先生!面白いね、幕末!登場人物がみんな素敵!早く先へ行きたい!」

私のその言葉を聞いて先生はニヤリとした。「それですよ」

「歴史を学ぶ意味は、未来を良くするためとか言いましたけど、本当は違うんです」

私は首を傾げて先生を見た。珍しく先生は満面の笑みだった。

「楽しいから学ぶんです。ただ、それだけでいいんです」

ぽかんとした後、私も満面の笑みで頷いた。