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「宇田川源流」 今までと異なり習近平に媚びるプーチンに見るロシアの窮地と中国の信用できない友情

2022.09.19 22:00

「宇田川源流」 今までと異なり習近平に媚びるプーチンに見るロシアの窮地と中国の信用できない友情


 9月15日に、ウズベキスタンにおいて、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が面会して会談をした。まあ、オンラインでつないだり、電話会談は今まであったが、コロナウイルス禍以降、なかなか国家首脳が直接会って交渉するということが難しくなっていているのではないか。

 ちなみに、東京2020、まあ開催したのは2021年なのであるが、あのオリンピックこそ、大規模な国際大会を国際的に人を集めて行っても問題はないということを証明したものであり、あの東京オリンピック開催がコロナウイルス対策という意味では一つの転換点になったということは間違いがないのではないかと思う。少なくとも、それ以前には、多くの人々が一堂に会するということを避ける傾向であったので国際会議などもすべて中止されていた。東京オリンピック、当時の菅政権がそのことを決断しなければ、今もこれらの会議はなかったのではないかというような気がするのである。

 さて、ウズベキスタンでは上海協力機構が行われていた。上海協力機構は、中華人民共和国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8か国による多国間協力組織である。もともとは、1996年、旧ソ連崩壊後に中華人民共和国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンで「上海ファイブ」と言っていたものであるが、拡大し現在に至る。天安門事件で欧米との関係が悪化した中国にロシアが近づいて貿易をするということが一つの目的であり、また他の国々は資源や商業関係を中国に依存するということが中心であった。しかし、現在になると、「テロリズム、分離主義、過激主義」に対する共同対処の他、経済や文化など幅広い分野での協力強化を図る組織であり、名目の上では特定の国を対象とした軍事同盟ではないと述べているが、発足から経過するにつれて次第に単なる国境警備やテロ対策の組織としての枠組みを超えつつあると評価されている。ある意味で、「中央アジアのNATO」というような感覚ではないかと考えられる。

 最高意思決定機関は首脳会議であり、今回はそれが行われたとされている。

プーチン氏、ウクライナ巡る中国の懸念に理解表明 習氏の姿勢評価

[サマルカンド(ウズベキスタン) 15日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が15日、訪問中のウズベキスタン・サマルカンドで会談した。プーチン大統領はウクライナ情勢を巡る中国側の疑問や懸念を理解しているとした上で、習氏の「バランスの取れた姿勢を高く評価している」と述べた。

 首脳会談は上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせ行われ、ロシアのウクライナ侵攻開始後としては初の対面会談となる。

 習氏は「旧友」と再会できたことをうれしく思っていると述べた上で、「世界や時代、歴史が変化に直面する中、中国はロシアと協力し、大国の責任を示す上で主導的な役割を果たすと同時に、混乱する世界に安定と前向きなエネルギーをもたらす考えだ」と語った。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、中国政府は会談に関する声明でウクライナには言及せず、中国はロシアの中核利益に絡み、ロシアを支援する用意があると表明した。また習氏によるウクライナに関する公の発言もなかった。

 プーチン大統領は、一極集中化の世界を目指す米国の試みは失敗に終わるという見方を示した上で、「ウクライナ危機に関して、中国の友人たちのバランスの取れた姿勢を高く評価している」とし、「親愛なる同志の習近平氏、親愛なる友人」と呼びかけた。

 その上で「この件に関する中国側の疑問や懸念を理解している。今日の会談では、もちろんわれわれの立場を説明する。この問題について以前にも話したことがあるが、われわれの立場を詳しく説明する」と述べた。

 プーチン氏がウクライナ戦争に対する中国の懸念について言及したのは初めて。

 こうしたプーチン大統領の発言は、ウクライナ侵攻を巡り慎重姿勢を維持してきた中国が批判的な見解にシフトしている可能性を示唆しているという。

 米コロンビア大学のイアン・ブレマー政治学教授はプーチン大統領の発言について、「引き下がることを余儀なくされる圧力をプーチン氏が認識したことを示す初の公的なサイン」と指摘。「ロシアはウクライナ侵攻によって主要7カ国(G7)ののけ者となった。中国はそれに関わることは望んでいない」と述べた。

 中国はロシアのウクライナ侵攻開始後、西側諸国による対ロ制裁を批判する一方、ロシアへの非難を控えると同時に、ロシアの軍事作戦に支持は表明せず、支援も供給していない。

 一方、ロシアのラブロフ外相は記者団に対し、非公開の中ロ首脳会談は素晴らしい内容だったと言及。「国際情勢に関するわれわれの評価は完全に一致しており、食い違いは全くない」とし、「近く開催される国連総会を含め、われわれの行動を引き続き調整していく」と述べた。

 プーチン大統領はまた、台湾を巡り中国への支持を明示。「われわれは『一つの中国』政策の原則を堅持する」とし、「米国とその衛星国による台湾海峡での挑発を非難する」と表明した。

 習氏は2013年の国家主席就任以降、プーチン大統領と行った対面会談は39回。一方、21年に就任したバイデン米大統領とはまだ対面会談を行っていない。

 また、モンゴルのオヨーンエルデネ首相はプーチン、習両首脳との会談で、モンゴルを経由しロシアから中国に石油・ガスを供給するパイプラインを建設する構想に支持を表明した。

2022年9月16日 ロイター編集

https://jp.reuters.com/article/uzbekistan-sco-xi-putin-idJPKBN2QG1HY

ロシア天然ガスを中国へ パイプライン建設で合意

 中国、ロシア、モンゴルはロシアの天然ガスを中国に運ぶパイプラインの建設を進めることで合意しました。

 中国外務省によりますと、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、モンゴルのフレルスフ大統領が15日会談し、ロシアの天然ガスをモンゴル経由で中国に運ぶパイプラインの建設を進めることで合意しました。

 ウクライナ侵攻後、ヨーロッパ諸国に代わり中国がロシアの天然ガスを購入するなど経済的に中国がロシアを支える構図となっていますが、今回の新パイプライン建設により、その関係性がより一層深まることが予想されます。

 このほか、3か国は経済や金融などの分野での協力を深めることでも一致しています。

2022年09月16日 21時58分 TBS NEWS DIG

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12198-1874480/

 さて、その上海協力機構の首脳会談の中で、ロシアと中国の首脳会談が行われた、G7会議などで、個別の二カ国間の首脳会談が行われるのと同じであると考えてもらえばよいので、会談自体はそれほど大きな問題ではない。

 問題は、その会談がどのような内容であったかということになる。特に今年2月24日にウクライナ侵攻後初であるということであり、現在ウクライナ国内のロシア軍の不調が聞かれているところであり、また、ロシアは再三欧米による経済制裁には反対をしている。反対をしているということは、基本的には、その経済制裁がロシア国内の経済に、そして国内の国民の生活に大きく影響しているということであり、その内容が徐々に政治的な影響を及ぼす段階にまで来ているということになる。そのような経済制裁をすり抜ける状態は、間違いなく、中国経由の貿易しかなくなってきているが、その中国はうまく利益を上げてロシアはなかなか実利が取れない状態である。それでも中国を頼らなければならない状態であるということになるのではないか。

 さて、今までは中国がロシアにすり寄っていたという印象が大きかったが、今回はその立場が逆転している。ロシア側は「親友」「友人」というようなことを強調したのに対して習近平がwか荒は一切「友人」というような言葉は全くない。それどころかプーチン側からは、中国が今回のウクライナ侵攻に関して「疑念と懸念」があるということを認めざるを得ない状態になっている。

 さて、その会談の帰結が、ロシアの天然ガスをモンゴル経由で中国に運ぶパイプラインの建設を進めることで合意<上記より抜粋>ということになる。このようにして中国を引き留めておかなければ、ロシアが孤立化することになるのではないか。一方、中国とロシアが分離してお互いが孤立化すれば、中国は台湾進攻をあきらめざるを得ない。一方台湾の問題と同時に存在するのが「満州国」の問題であろう。日本では満州国ということになれば、中国とロシアの国境にある問題であり、胡錦涛の時代まで国境問題があったところである。

 中国が台湾にどのようなタイミングで侵攻するのか(またはしないのか)は問題になっているが、その内容は、そのままロシアのウクライナ侵攻の問題が密接に関連する。ロシアが完全に敗北すれば、世界の耳目はすべて台湾に向かうことになる。しかし、必要以上にウクライナに肩入れすれば、中国は経済が崩壊するという状況になる。

 その状況をどのように調整するかと言いながら、それでも「マウントをとる」ということをしなければならない習近平国家主席の「三選」問題があり、外交にも影響する。その中にプーチン大統領はどのようなことを考えるのであろうか。

 お互いが「共産主義」唯物史観」の人々であるということから、この二つの国がどのようになるのかということがみえてくるのではないか。数年後にはどちらかの国がどちらかの国の属国になっている可能性もある上海協力機構の内部をもう少しつまびらかにする必要があるのではないか。