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「宇田川源流」 岸田内閣の経済無策が言われているが「新しい資本主義」はどうしたのであろうか。

2022.09.21 22:00

「宇田川源流」 岸田内閣の経済無策が言われているが「新しい資本主義」はどうしたのであろうか。


 まず、本日の題名の中にある「新しい資本主義」という言葉について解説をしておく。解説といっても、「実態がある」ものではないので、その解説の通りになるとは思えない。実際には、まだまだ流動的で「どんなものか誰かの頭の中にある構想段階でしかなく、開設できるほどのものではない」ということになる。しかし、ブログなどで扱うには、一応は定義を必要とするので、その定義に関して書いておこう。

 「新しい資本主義」とは、内閣総理大臣である岸田文雄が掲げる経済政策で、小泉内閣以降の新自由主義的な経済から脱却し、「成長と分配の好循環」や「コロナ後の新しい社会の開拓」を目指すとしているものである。基本的には、昨年9月の自民党総裁選への出馬に合わせて出版された著書『岸田ビジョン 分断から協調へ』に書かれており、成長戦略として、「科学技術によるイノベーション」「デジタル田園都市国家構想による地方活性化」「カーボンニュートラルの実現」「経済安全保障の確立」の四つを掲げる。一方、主な分配戦略として、「働く人への分配機能の強化」「中間層の拡大と少子化対策」「看護、介護、保育などの現場に働く人の収入増」の三つを掲げている。しかし、提唱者である岸田本人がこれらの意味を演説などにおいて詳しく述べておらず、いったい何なのか全くわからない。しかし、バイデン大統領が「素晴らしい、私のしようとしていることと全く同じだ」と発言して賛同している。

 このバイデン大統領のアメリカと、新しい資本主義を掲げた岸田内閣が、物価高と経済崩壊を招いているというのはなかなか興味深い所ではないのか。

 まあ、一応野党やマスコミのように批判だけしていても意味がないので、一応の「擁護」してみると、経済政策などは今行ってもすぐに効果が出るものではなく、まあ、昨年の年末にその会合を行っていて具体的な方針が決まっていないので、経済政策の端境期になってしまい、そのために、あまり良い結果が出ていないということもあろう。また、その経済に関しては、政治がどんなに行っても「経済自由の原則」があるのであり、政府は法案と予算という事しか介入できない。そのように考えれば、どんなに掛け声をかけてもその内容が企業に浸透しそして効果が出るのは時間がかかる。中国のような「統制経済とは違う」のである。

 と、ここまでが擁護ということになる。このうえで、今の経済状態を見てみよう。

「岸田不況」という悪夢 専門家も呆れる「所得の国外流出」「LNG大型契約打ち切り」の大失態

 小麦、大豆、肉、原油……。日々の生活に欠かせない品々の価格高騰が止まらない。先ごろ、政府が発表した物価高対策も弥縫策の域を出ず、日本はすでに“経済無策”によって「岸田不況」に突入していると、専門家は警鐘を鳴らす。

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 9月9日、首相官邸で開かれた「物価・賃金・生活総合対策本部」において、低所得世帯への5万円給付や輸入小麦価格の据え置き、ガソリンや灯油への補助金延長などが決定された。しかし、円安と物価高が加速する現下の状況には「焼け石に水」との声が早くも上がっている。

 実はその前日の8日、内閣府が公表した「GDP(国内総生産)統計」2次速報値の数字が専門家に衝撃を与えていた。

 シグマ・キャピタル代表取締役兼チーフエコノミストの田代秀敏氏が話す。

「2022年4-6月期における実質GDP成長率は前期比で年率3.49%のプラスでしたが、国内総所得をあらわす実質GDI成長率は同0.00%のプラスマイナス・ゼロでした。GDPとGDIの実質成長率が3ポイントも乖離するのは極めて稀な異常事態です」

 国内で1年間に支払われた賃金や配当などの総額を指すGDIは“国民がどれだけ稼いだか”といった所得面から経済活動を把握する統計値だ。国内でつくりだされたモノやサービスの付加価値の合計額であるGDP(生産・支出)はプラスなのに、「所得」の合計額であるGDIが増えないのはなぜか。

■“いくら働いても暮らしは上向かない”

 田代氏が続ける。

「増えたGDP分の所得が海外に流出してしまっているのです。原油やガスなどのエネルギー価格の上昇に加え、長期化する円安によって小麦や大豆などの輸入価格も高騰しています。以前と同じ量を買ったとしても交易条件の悪化により海外への支払額は増えていて、その分を企業や家計が最終的に負担する形になっているのです」

 実質GDIに関していえば、低下傾向に歯止めがかかっていないことも懸念されるという。

「実質GDIの減少基調が意味するところは“働けど働けど暮らしが楽にならない”という状況です。実質GDPはコロナ禍前の水準に戻りつつありますが、原材料価格の高騰などによる支出増で企業や家計の実質所得が減り、国民の生活実態と回復基調にあるGDPがかけ離れてしまっているのです」(田代氏)

 しかし岸田政権は実質所得の“負のスパイラル”に対して、いまだ有効な手を打てないでいる。

■「絶望的な経済音痴」

 エネルギー価格の上昇による電気料金などの値上げが続く背景に、ウクライナへ侵攻したロシアへの制裁が大きく影を落としているのは事実だが、岸田政権の“失策”も見過ごせないという。

「中東のLNG(液化天然ガス)輸出大国であるカタールが昨年末、25年続いた東京電力HDと中部電力の火力発電会社『JERA』との大型販売契約を打ち切りました。岸田政権発足直後の昨年10月に閣議決定された、第6次エネルギー基本計画において“電源構成比で30年までにLNG比率を27%から20%程度に減らす”と明記されたことで、カタールが日本との長期契約を更新する意欲を喪失したといわれます」(田代氏)

 岸田政権の経済政策を支えるのが、首相が提唱した「新しい資本主義」である。その目玉政策のひとつが、“貯蓄から投資へ”を謳った「資産所得倍増プラン」だ。NISA(少額投資非課税制度)の非課税枠の上限引き上げなどが柱となり、証券業界などからの評判はいいが、支出増に苦しむ国民生活を改善させるものではない。

「重要法案に位置付けられる経済安全保障推進法が今年5月に成立しましたが、経団連や財界周辺からは、俎上にあがる半導体などハイテク製品を対象に“中国との輸出入規制に繋がりかねない”と警戒する声が上がっています。最大の輸出相手国である中国との貿易が冷え込めば、日本経済に与えるダメージは甚大。本来であれば、米国に追従する姿勢を見せながらも、その裏でしたたかに経済的実利を中国からもぎ取るといった戦略が国のトップに求められますが、岸田氏からはそれが見えてこない。インフレにも円安にも効果的な手を打てないでいる首相の“経済音痴”ぶりを目にして、経済界には絶望感が広がりつつあります」(田代氏)

デイリー新潮編集部

2022年09月16日 06時00分 デイリー新潮

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12280-1872662/

 それにしても、ひどい経済状態である。安倍元首相が「アベノミクス」ということをやり、一時的であっても、円安に誘導しインフレターゲットを設定してその効果が出たというのとは全く異なる。2013年3月から2014年くらいまでの間「アベノミクス効果」というようなことで、「自分への御褒美」というような「プチ贅沢消費」が増えていたことが当時のニュースのある(私の所にはその記事がスクラップされている)。実際に、それまでの「民主党不況」と「3・11不況」の二つの不況の上に「マスコミ不況」があり、そのことで全く経済が上昇の機運を作れなかったところ、アベノミクス効果で経済が上がったのである。

 ちなみに「民主党不況」という言葉は、私が「民主党の闇」という本を上梓した時にその中で使った言葉であり、その後、多くの人が使っているが私が初めである。多くの人は「民主党不況」と「マスコミ不況」という言葉を同じ意味として使っているが、実際は全く異なる。民主党不況というのは「内政重視で選挙対策を行い雇用政策を多く行い、、大企業を叩いてしまい、また為替なども国民生活ということを重視して円高に振れたので産業界が疲弊してしまった」ということに他ならない。この事が「年越し派遣村」などを作り、正社員と非正規社員の同等の扱いを行う法案を作った。これは、企業や社会に対する責任を全く考えない「権利だけの政策提案」をしたことによるものである。一方のマスコミ不況というのは「国民の最下層に合わせた妬みの報道により、多くの人が上層部を表明することができずに、全体が低値安定になる」ということからきている。この二つがあったために「円高で輸出産業が業績悪いにかかわらず、雇用形態が大きくなり、雇用経費が多くなる」ということになり、企業が一斉に内部留保を行うとともに、「派遣切り」ということが行われ、かえって不況が大きくなったのである。

 さて、岸田内閣はどうであろうか。少なくともそのような民主党不況を払しょくしたアベノミクスを否定し、同時に安倍内閣が払しょくしきれなかったマスコミ不況はそのままにしながら、マスコミに振り回されることを行っている。

 「科学技術によるイノベーション」「デジタル田園都市国家構想による地方活性化」「カーボンニュートラルの実現」「経済安全保障の確立」というが、これを行うための政治力や地方活性化(つまり地方への会社の移転や従業員の移転及びそのインフラ移転)などの財源をどのようにしてつくるのかということが全く行われていない。全てが循環になるという論理をしているが、その初めの「イニシャル投資」が全く語られていないし、その償却に関しても見えていないということになる。

 同時に、カーボンニュートラルや経済安全保障というのは、相手のあることであり、ドメスティックなことでやっていても意味がない。そのような状況で海外との交渉も行っていないのに、絵空事を言っても全くうまくできるものではないのである。そのようなこともないのに、経済に関しては「新しい資本主義」以外は何もせず、現在の国際情勢に合わせた内容ができていない。

 そもそも「経済」は「臨機応変」であり「計画通りに行くものではない」ということを認識できていない。菅直人が3・11の後に21も委員会を作って対処したが、経済もそのような会議体で対処でくるようなものではないはずである。岸田首相はそのことが全くわかっていない。そのことからすべてが「マスコミに振りまされ」なおかつ「中途半端」で「手遅れ」なのである。これでは多くの国民や企業が疲弊してしまう。政治はそれではできない。「安全運転」では政治はできないのである。その根本の政治をわかっていないのが岸田内閣なのではないかと思ってしまう。