自己分析・自己理解の診断やワークって結局どれが優れているの?一番のオススメと併用方法
http://valuewalker.hateblo.jp/entry/2018/01/14/172626 より
一つ選ぶなら、結局どの自己分析・自己理解の方法がいいの?
自分を知ることが、自分を活かすスタートです。もちろんキャリアや人生を考える際のベースでもありますよね。
でも、世の中には、たくさんの自己分析・自己理解のための診断やワークが存在します。全部をやるのは現実的ではないし、「どれが本当に役立つの?」「一つ選ぶならどれ?」って感じませんか?
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どの診断やワークも一長一短があります。でも敢えて一つを選ぶなら、やっぱり私は「バリュー・ファクター」をオススメします。理由は記事内で後ほど!
他の診断やワークも有益ですが、落とし穴があります。それは、複数の診断結果を前に「どれが本当の自分なの…!」と悩んでしまうこと。だからこそ、落とし穴にはまらずに、バリュー・ファクターと複数の診断・ワークをどう統合的に考えると良いかをお話します。
診断テストのメリットは意外性と分かりやすさ
典型的な自己分析方法として、アンケート(設問)に答えることで、自分らしさや強み、傾向などの結果が得られる診断テストがあります。
例えば、「ストレングス・ファインダー」。Web上で177個の質問に回答することで、34種の強みの中から、あなたに最も強く表れている上位5つの強みを特定できます。
診断テストを使うメリットは、「意外性」(新たな視点から自分が知らない自分がわかる)、「わかりやすさ」(比較的短い時間で、明確な結果が出る)ことです。
ちなみに、私のストレングス・ファインターの第4位は未来志向(未来を考え、ビジョンを語る)、第5位は運命思考(あらゆることに結びつきを見出し、起こることに意味を見出す)です。結果をみたとき、新鮮さ・意外性もあり、さらなる自己理解が進みました。また、ストレングス・ファインダーは、「上位5つの強みが出る」という分かりやすさもあります。
診断テストは多様な個性が埋没しやすい
診断テストの結果は、典型的に数個から十数個に分類されます。この分類は、分かりやすさというメリットをもたらす反面、抽象度が高く、その人らしい個性が表れづらいものです。
実際セッションで多くの方と接すると、一人ひとりが持つストーリーや価値観の多様さに驚かされます。そうした「豊かなその人らしさ」が失われやすいのが、こうした診断の弱い所だと思います。
個人の多様性を扱いやすい、ワーク型の自己理解
その点、過去の個人的な体験、好きなことなど、個人の多様性を扱うことが可能なのが、ワーク型の良さです。また、自己理解のプロセスを自分で進めるため、その結果に納得感を持ちやすくなります。
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例えば、「過去の最高の体験とそれを生み出したもの」についてインタビューを実施する、「自分が最も尊敬する3人と、自分が魅かれるその人の特性」について書き出すなど、色々なワークが存在します。
「本当の私は一体どれ…!」という罠
診断テストにせよ、ワーク型での自己理解にせよ、悩むポイントが一つあります。それは、「本当の私は一体どれ…!」という罠です。
診断やワークをする度に、あなたの一つの側面に光が当てられます。それは自己理解につながります。でも、やればやるほどたくさんの強みや特性が挙がってくるが故、自己理解が難しくなるという矛盾が生まれるのです。
また、客観性という罠もあります。診断テストのアンケートでも、ワークでも、自分の強みや特性についての願望や「あるべき」というフィルターを用いてしまうとその精度が下がります。
以上を踏まえた「バリュー・ファクター」の優位性
私自身、たくさんの診断やワークに取り組みました。そんな私にとってもっとも効果的だったものが「バリュー・ファクター」です。私にとって良かったものが、皆さんにも適するという一般化は危険ですが、きちんとした理由もあります。
①客観性
バリュー・ファクターでは、自分の客観的な行動から自己理解を進めることができます。理想やあるべきに流されず、「実際にあなたがどう生きているか」という生き方から、適切な自己理解を深めることが可能です。
②個人の多様性
バリュー・ファクターの結果見えてくる価値観は、診断テストのようにカテゴリに振り分けられるものではありません。一人ひとりの指紋が異なるように、「あなたらしさ」が浮かび上がってくるでしょう。
③納得感
自分の行動から価値観を特定するため、いかに日頃の一つひとつの選択や行動が自分らしさを代表しているかを理解できます。結果に納得感が増し、最高価値こそが自分の人生に一貫性をもたらしていることを知ることができるでしょう。
価値観の階層性から、複数の自己分析を統合する
バリュー・ファクターでは、価値観に階層性を認めています。もう少し説明すると、
・人の価値観は1位、2位、3位~のように階層をなしている
・第1位の価値観はあなたが最も大切にする価値観である=「最高価値」
・最高価値は「目的」であり、2位以下の価値観はその「手段」であることが多い
この特徴を踏まえると、複数の自己分析・自己理解の診断やワーク結果をバリュー・ファクターと統合的に扱うことが可能になります。
例えば、他の診断テストの結果をバリュー・ファクターでの価値観特定の際の参考材料として活用する。また、最高価値が特定できた後に、その詳細を見に行く際や、2位以下の価値観を理解する参考にする、などが可能です。
具体例を挙げてみましょう。バリュー・ファクターで「教える」という最高価値を持っている人がいたとします。そして、その人のストレングス・ファインダーの第1位は「個別化」(人それぞれのユニークな個性に注目する)でした。この場合、生徒一人ひとりの特徴を「個別化」を使って捉えることで、教えることの効果を高めているかもしれません。つまり「教える」という目的のために、「個性を理解する」や「違いを知る」などが、その人の2位以下の価値観として存在しているかもしれません。
結果として、より進んだ自己理解が可能となります。
ちなみに、「バリュー・ファクター」は価値観の適用ワークも備えている
自分に対する複数の特徴が乱立している状態よりも、「最も大切な価値観はこれ!」というように、最高価値が明らかになっているほうが、自己理解から現実へ活用しやすくなります。