金鑵城
1. 城のデータ
[所在地] 兵庫県小野市昭和町
[築城年] 不明
[築城者] 中村氏
[遺 構] 曲輪、土塁、堀切
[別 称] 金釣瓶城、金鑵山城
[形 状] 山城
[登城年] 2018年2月8日
(※トップ写真:金鑵城・堀切と木橋)
2. 城の歴史
金鑵(かなつるべ)城は、戦国時代に播磨国を治めていた赤松氏の有力な家臣・中村氏により築かれたという。戦国時代に城が築かれる以前にも、弥生時代の集落が営まれていた。城は青野ヶ原台地上の遠望が利く要害の地を選んで築かれた山城である。
ここからは河合城、堀井城、小堀城など室町時代から戦国時代にかけて築かれた中世城郭を見渡すことができる。中村氏の後、三木城の別所氏の持城となったようである。
3. 城の見どころ
金鑵城はJR加古川線の河合西駅から徒歩20分ほどの距離にある。戦国時代に築かれた小規模な城郭ではあるが、青野ヶ原台地上にあるため、周辺の遠望がとてもよく利く。現在は夢の森公園となっており、史跡が保存整備されているので、非常に散策がしやすい。
城の縄張は台地先端部に主郭と西の郭があり、その間に幅約20m、深さ9mの堀切がある。堀切は大規模なもので、地方領主クラスの城とは思えないくらい立派なものである。この堀切に木橋がかけられ、唯一の主郭への通路となっている。
(下写真:主郭から見た堀切と木橋)
主郭は東西約50m、南北80mの規模で、周囲には土塁と柵列(復元)が設けられている。また、北西部には虎口が設けられている。虎口跡には門も復元されている。
(下写真:主郭の虎口跡)
主郭内には礎石建物(建物跡1~3)、倉庫施設、煮炊き施設、集積遺構などがあり、現在建物跡が平面表示されている。金鑵城の由来となった井戸(井戸の水を金のつるべでくみ上げた)もイメージ復元されている。
(下写真:主郭跡)
北西隅部からのびる尾根の先端部には見張のための小規模な曲輪があり、現在見張り櫓が復元されている。残念ながら櫓の上に登ることができなかったが、青野ヶ原一帯を遠望・監視ができる絶好の地であることがわかるだろう。
(下写真:復元された見張り櫓)
4. 城のポイント
①加古川西の青野ヶ原台地に築かれた戦国期の山城
②主郭と西の郭を分断する大規模な堀切
③復元整備された見張り櫓、柵列、木橋、門など