活動報告┃9/18イベント「みんなでLet'sボルダリング!」
鳥モンキースタート!
9月18日に、予定通り鳥モンキーキックオフイベントを開くことができました。
台風接近の予報にひやひやしましたが、ゲストの小林幸一郎さんもサポートの白井さんとともに、無事東京からおいでくださいました。
参加者は11名。
そのうち、普段からボルダリングに親しんでいる方は3名のみ。
ほかは、初めて、または2回目程度といった感じです。
視覚障がいの方は2名でした。
初めに、17年前から東京で障がいの有無にかかわらず一緒にクライミングを楽しむ活動をしていらっしゃる小林幸一郎さんの紹介と、鳥モンキーの立ち上げの経緯を簡単に紹介しました。
みんなで準備運動代わりのラジオ体操をして、いよいよ開始です!
この日は、普段営業時間中にはなかなかできない「トラバース」(横移動)をチームで取り組むことにしていました。
視覚障がいの方が高いところから下りるには距離感がつかめず難しいこと、垂直方向よりは恐怖感が少ないというのが大きな理由です。
前半では、初心者の方には簡単な垂直方向の課題でボルダリングの第一歩。
経験者は自分の挑戦したい課題に取り組んでもらいました。
ここで、HKKの出番です。
視覚障がいの方とクライミングを楽しむのに大事なのは、目の代わりに次(以降)のホールドのH(方向)、K(距離)、K(形や大きさ)を伝えること。
方向は時計の文字盤をイメージして、「8時方向」という感じです。
「距離は、適当」と小林さんが言われ、意外性に思わず笑いが漏れていました。細かく40cmなど言っても、マットの外から見ているのと本人との距離感の違いがあること、30cmと40cmの違いは正確にはわからないことなどから、まずは「遠め」「激近(げきちか)」などで大まかに伝え、移動しながらの軌道修正が大事とのことでした。
最後の「K」の形は、バナナの形、(ガバッと持てる)ガバなど、どう持てばいいかイメージできるようにとのことで、バナナの形も「右上から左にバナナの形」、「上からのガバ」などのように言うとわかりやすいと説明を受けました。
そこで大事なのは、最後に持ったホールドから見た距離や形を伝えること。
動きを伝えるのではありません。
「右手で…」と言ってしまうと、次をどう動こうか考える大事な部分を奪ってしまうことになり、見えない(見えにくい)人が、見える人の操り人形になってしまうという小林さんの言葉に、納得したのですが、実際やってみると難しい…
つい親切に言いたくなってしまうのですよね。
さあ、いよいよグループに分かれてトラバースの練習です。最後に対抗戦が待っていますので、ますます熱が入ってきました。
横移動なら…と思ったのですが、ホールドの形がさまざまで、握りやすい形ばかりではありません。
どこを持てばいいかと考えているうちに力尽きて落ちる人、バランスを保てず落ちてしまう人…でも、グループごとに声をかけ合い、笑い合う姿があちこちで見られました。
経験者は、アイマスクをして挑戦。
ここで小学生2人が大活躍。HKKを上手に指示するのです。
大人が「え~と…」といろいろ頭の中で迷っているのを横目に、時計の文字盤に見立てたカードを見ながら、上手に声をかけていました。
最後のトラバース対抗戦は、時間を競うのでなく、「どこまで行けるか」です。
所により壁の角度が違うので、作戦も大事です。
グループの中で、順番を決めてスタート!
「ガンバ!」の声が響きます。
3グループのうち、小林さんと白井さん(世界大会のコーチもしている女性クライマー)が加わったチームが最終まで到達。
でも、精一杯楽しんだ皆さん、勝ち負けはどうでもいいって顔でした。
感想コーナーでは、「アイマスクをすると、高さや持つ感覚が全然違った」「チームみんなの声がよく聞こえて、みんなでやっているのが感じられて良かった」という声が聞かれました。
最後に小林幸一郎さんから、「子どもたちがガイドをとても上手にしてくれた。大人もがんばれ!と発破をかけられ、ちょっとしゅんとする大人たち…
次回もぜひ参加したいと声をかけてくださる方もあり、第1回は予想以上の好スタートとなりました。