あなたを支配している脳内プログラム
http://www.brain-talk.net/character-of-brain/about_brain2/ より
私たちの脳内には、意識とは別の無意識の領域にプログラムがあります。
無意識のプログラムは、外から入ってくる情報の内容によって起動します。
「こうなったらこうする」というプログラムが意識とは関係なく自動的に働くのです。
では、無意識のプログラムは一体どのようにできるのでしょうか?
無意識のプログラムができる原因について解説します。
脳内プログラムは体験が作る
体験の正体とは
私たちは毎日の生活をおくる中で、さまざまな体験をしています。
朝起きて、朝食をとり、車や電車で通勤する。
その日の天気や道路の混み具合や電車の混み具合によって毎日ちがう体験をし、その体験によっていろんな感情をもちますよね。
例えば、恐怖映画を見たときに、「怖い」という感情になります。
つまり恐怖を体験しているわけです。
このときの体験を作っているものは何でしょう?
映画の中では怖いシーンやドキドキするような音楽が流れて恐怖心をあおります。
視覚によって恐怖シーンを見て、聴覚によってセリフや恐怖心がわいてくるような音楽を聞き、その結果、恐怖心に駆られた状態になるのです。
つまり、体験とは五感(視覚、聴覚、身体感覚)のことといえます。
脳内プログラムは、
体験=五感によって作られているのです。
また、恐怖映画を見て怖いと感じるというのは、映画を見る前からすでに、「幽霊や心霊的なものは怖い」というプログラムがあるからです。
映画を見る前に、子供の頃におじいちゃんから聞いた怪談話とか、テレビで心霊番組を見たなどの体験によって、「心霊的なものは怖い」というプログラムがすでに脳にあるからなんですね。
言葉は体験が作り出す
人は五感で感じた体験を言語化してプログラムしています。
それは同時に、特定の言葉によって過去の体験を思い出してプログラムが起動することにつながります。
例えば、
海外へ旅行に行ったことがない人が「ハワイ」という言葉を聞いても、まだ行ったことがないのでハワイがどんなところなのかよくわからないと思います。
思い出したとしても、テレビで見たハワイや旅行会社のパンフレットが浮かんでくるくらいで、実感としては薄いのです。
しかし、実際にハワイ旅行に行ったとしたら、次からは「ハワイ」という言葉を聞いたときに、ハワイの風景や英会話でショッピングをしたことなどがありありと感覚的にもよみがえってくるでしょう。
これは、ハワイという言葉によってプログラムされた体験がよみがえってくるからなのです。
つまり、私たちは言葉を使ったり聴いたりするとき、同時に何らかの体験をしていることになるのです。
脳内プログラムのスイッチ
体験(五感)もしくは言葉によって自動的に脳内プログラムのスイッチが入ります。
ただ、脳内プログラムの内容は人それぞれに違うということを理解しておくことが大切です。
例えば、
「山を思い浮かべてください」といわれたときに、あなたが思い浮かべる山はどんな山でしょうか?
静岡県や山梨県の出身の方なら富士山が思い浮かぶのではないでしょうか?
また、
大阪出身の方なら六甲山あたりを思い浮かべるでしょうし、
自分が育った地域の近くにあった山を思い浮かべる確率はかなり高いと思います。
山を思い浮かべるという一つの問いに対して、イメージする山はそれぞれに違うのです。
つまり、山という言葉の意味は人によって異なってくるのです。
言葉というものは、話す側にも聞く側にも、その言葉の裏側にはイメージや体験があるということです。
そして、言葉を聞くと、自動的にその言葉にまつわるイメージや体験が思い出されるのです。
脳内プログラムができる理由
すべての体験をプログラムするわけではない。
私たちは毎日たくさんの体験をしていますが、そのすべてをプログラムしているわけではありません。
同じ体験でも、5歳のときにイスから落ちた場合と、20歳を過ぎてから落ちた場合ではまったく違うからです。
高所恐怖症など、あらゆるプログラムのもとになっているのは、人の本能である「安心・安全の欲求」です。
「質問の原則」「焦点化の原則」「快・不快の原則」という脳の基本的な3つのプログラムも「安心・安全」を確保するためにできています。
これと同じで、高所恐怖症のようなプログラムも、やはり「安心・安全」を確保するためにできています。
「高いところ=危険」と認識することによって、高いところに行くと恐怖で体が動かなくなることにより、身の安全を守っているのです。
プログラムは「安心・安全」がおびやかされる場合に作られるといえるのです。
体験がプログラムを作り、プログラムが体験を支配する
高所恐怖症などのプログラムは体験によって作られますが、1度プログラムができてしまうと、今度はそのプログラムに支配されるといえます。
子供の頃の体験によって作られた高所恐怖症というプログラムは、大人になってからも作用します。
大人になって高いところでも安全だとわかっていても、実際に高いところに行くと足がすくんでしまうのです。
これは、大人になってからの体験にプログラムが影響を与えていることを意味しています。
ある意味で私たちの行動は体験に支配されているといえるのです。
大人になってからプログラムの支配を受けていると生活に影響が出る場合もあります。
人と話すのが恐いと感じる対人恐怖症だと、私生活や仕事にも影響するかもしれません。
しかし、
そのようなプログラムであっても、あなたの無意識にあるプログラムはすべてあなたを守るためにできたものなのです。
あなたの中にあるプログラムは、あなたを危険な目に合わないようにするための学習の成果なのです。
意識で考えることと無意識が考えることが異なる場合がある
無意識のプログラムは、体験(五感)や言葉によって自動的に起動します。
何らかの恐怖症のほとんどは、子供の頃にできたものですが、大人になってからもその症状が残っているケースが多いようです。
意識では安全だと思っていても、無意識のほうではかつてできたプログラム通りに反応するのです。
そして、その場合、無意識の反応の方が勝つことがほとんどです。
意識よりも無意識の方が圧倒的にパワフルだからです。
プログラムはどのような動機でできているのか?
強力なプログラムの多くは、「快・不快の原則」に沿ってできています。
私たちの無意識(潜在意識)は、生きるという生存欲求のために、多くのプログラムを作り出してそれを守ろうとして働きます。
プログラムの中でも強力なものは、「快・不快の原則」にもとづいて作られている場合が多いのです。
なぜならば、極限の不快というのは、痛みや苦しみなど、直接に命をおびやかすことがあるからです。
不快を避けたいという欲求が恐怖症を作り出す。
痛みや苦しみなどの極限の不快というのは、直接に命をおびやかすことがあります。
高いところから落ちることは直接的に命をおびやかすため高所恐怖症というプログラムを作り出して自分を守ろうとしたものです。
犬に噛まれたり襲われたりすることも直接的に命をおびやかすため犬恐怖症というプログラムを作り出して自分を守ろうとしたものです。
いじめや体罰などを受けて身の危険を感じた体験は、対人恐怖症というプログラムを作り出して自分を守ろうとしたものです。
いずれの場合も、身の危険を感じるほどの不快な状況を避け、自分の身を守ろうとしてできたものなのです。
快を追求したいという欲求が中毒症を作り出す。
不快な状態よりは、快を得る状態の方がいいと思われがちですが、度がすぎる快は逆に苦しみになる場合があります。
お酒やタバコやギャンブルなどの快を求め続けた結果、中毒症になる場合があります。
中毒症になると、意識でやめようと考えても、無意識が反応してしまってやめることが難しくなります。
このように、無意識(潜在意識)のプログラムの力は、快を求めるときと不快を避けるときに最も強く発揮されるのです。
まとめ
人は、体験と体験によって作られる言葉を使って脳内プログラムを作ります。
そして、一度脳内プログラムができると、特定の体験や言葉によって、自動的にプログラムが起動するのです。
脳内プログラムは体験が作る
体験とは五感(視覚、聴覚、身体感覚)のことといえます。
脳内プログラムは、体験=五感によって作られているのです。
また、人は五感で感じた体験を言語化してプログラムしています。
それは同時に、特定の言葉によって過去の体験を思い出してプログラムが起動することにつながります。
脳内プログラムができる理由
私たちは毎日たくさんの体験をしていますが、そのすべてをプログラムしているわけではありません。高所恐怖症など、あらゆるプログラムのもとになっているのは、人の本能である「安心・安全の欲求」です。
プログラムは「安心・安全」がおびやかされる場合に作られるといえるのです。
プログラムはどのような動機でできているのか?
強力なプログラムの多くは、「快・不快の原則」に沿ってできています。
私たちの無意識(潜在意識)は、生きるという生存欲求のために、多くのプログラムを作り出してそれを守ろうとして働きます。
不快を避けたいという欲求が恐怖症を作り出し、快を追求したいという欲求が中毒症を作り出します。
このように、無意識(潜在意識)のプログラムの力は、快を求めるときと不快を避けるときに最も強く発揮されるのです。