『W旦那+(プラス)』第150話 三代目妄想劇場
2018.02.27 00:00
「なぁ…隆二」
「ん?…なに?」
「おれ…お前のこと、愛してたんじゃ?」
隆二の目から堰を切ったように涙が溢れた…
「また…泣かせた…」
臣の頭の中でなにかが弾けた…
(泣かせた?確かあの夜もそう…)
(お前の気持ちも考えずに…)
(強引に欲しがって…)
臣は隆二をゆっくりと抱き寄せた…
「おみ…やっと思い出してくれたの?」
「おれ…頭ん中ずっと靄(もや)がかかったみたいで…」
「随分待たせたな…」
「思い出してくれたのなら…それでいいよ」
「ずっと待つつもりだったの?」
「うん…」
「もし一生思い出せなかったら…どうするつもりだった?」
「それでも、ずっと…側にいたよ」
「隆二…」
「おみ…もう一度聞かせてよ」
「あの台詞…」
臣は真剣に隆二の目を見つめた。
「もう一度…やり直そう」
二人の真ん中で隆臣が寝息をたて始めた。
End