自然が紡ぐ色の記憶 ー心を育む色彩ー 開催しました
昨日は、色彩を通して「自分らしく生きる力を育む」ことをコンセプトに色彩教室をされているピッカラーさんとヒラメキのタネ共催で、自然が紡ぐ色の記憶 ー心を育む色彩ー を開催させていただきました。
今回はご招待の方中心となり、こちらのブログやFacebookではお知らせできなかったのですが、嬉しいことに事前に満席となり、お子さんから大人の方まで合わせて120名ほどのたくさんの方にご参加いただきました。
お越し下さった皆様、本当にありがとうございました。
はじめに、ピッカラーさんが用意してくださった9色の色のカードから空の色を連想してみました。空と言っても、赤、黄、青、黒など皆さんバラバラ。人によって感じ方って違って、お子さんの柔軟に色を捉える力にも興味津々!
そして、いよいよフリーランスカメラマンとして、「THE世界遺産」や「情熱大陸」など第一線で活躍されてきた映像作家の保山耕一さんによる奈良の映像詩「時の雫」上映会です。
これまでの人生と色との関わりをお伺いしながら、この日のために再編集していただいた映像で、奈良の自然が紡いできた「ありのままの色彩」を体感していただきました。
「自分が美しいと思う瞬間を撮っているだけなんです」と仰る保山さんですが、その美しい瞬間を追い求める妥協なき姿勢や、長年積み重ねてこられた色彩感覚や技術力…見えないけれど、誰にも真似できるものではないからこそ、その映像に人々は心動かされるのですね。
落ち葉の絨毯を歩く感触
霜がほろりと溶けていく温度感
葉を一枚落とすくらいの穏やかな風
…
空気感が伝わって、まるでそこにいるかのような感覚になります。(私の感覚ですが…)
ご自身の体験からも「色を感じる力は鍛えることができる」と仰っておられました。
ピッカラーさんやヒラメキのタネが取り組んでいることも、小さな活動ではありますが、こうした積み重ねが後々の心の豊かさにつながることでもあると、励ましをいただいた気持ちでいっぱいです。
昔から日本にある色
各地域で受け継がれる色
消えゆく色
保山さんの映像作品はyoutubeにもあるのですが、自身の色彩感や撮影の背景にある様々なお話をお伺いしながら大きな画面で映像を見ると、注目する色もまた違うものだと再認識しました。
奈良がこんなに豊かな場所であること、
観光される方にも、地元で暮らす方々にも
もっともっと伝わりますように。
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上映会が終わった後は、映像を見て心に残ったり、美しいなと感じる色のかけらを選んでカードをつくるワークショップです。
選んでいただく色のかけらたちは、カーテンのように吊るしてみました。
とても時間はかかりますが、参加される方々がワクワクするような演出、一度やってみたかったのです。
ピッカラーのお二人、お手伝いの方にもたくさんご協力いただきました。
ありがとうございました。
ワークショップでは、五感で奈良を感じることができたら…と、吉野の杉を薄くスライスし紙と貼り合わせたハートツリー株式会社さんの「きのかみ」も一部使用。
1枚1枚、色や木目も異なり、杉の香りもふわっと漂います。
カバーもズラリ、色や手触りが異なるたくさんの紙でご用意しました。
家や学校で使う画用紙とはまた違った紙。感触を確かめたり、かざしたりしながら皆さんワイワイと賑やかに選んでいただいてましたよ!
いつもは最大でも10名ほど。
一度に120名ほどの大人数でワークをするなんて、はじめての経験です。
至らない点も多々あったかと思いますが、大きな混乱もなく一安心。
お子さんも大人の方もにこやかに色を選んで名前を考えたり、楽しそうに会話してくださるお姿を見て、色って心をほぐす役割もあるなぁと思ったのでした。
柔らかな緑を選んだくれたお子さん、エメラルドグリーンの空にある宝石の色とつけてくれました!
今からどんな名前をつけようか、悩みます。
一生懸命書いてくれました!
きっと全部理由があるんですよね〜。面白いです。
保山さんの映像から想像してくれたのかな?というような、「もみじオレンジいろ」も!
じゃにいろ!何だろう〜、とても気になります。
濃い、薄い、グラデーション、色が混ざっているところ…選ぶ色も様々ですね!
そして、偶然にも兄弟で同じすみれ色を書いてくれていたので思わずパチリ!
おなじすみれ色、でも選んだ色は違います。
濃い紫色のお兄ちゃんと
薄い紫色を選んだ弟くん。
すみれの花だって、全部同じとは限りません。きっとどちらの色もありそうですよね!
色彩関係のお仕事をされている方も多く、素敵な色の名前がズラリ。
3つの色、帰ってからも仕上げてくれました。ゆっくり考えるとまたいろいろアイデアが浮かんでくるようです。
ワークショップ後は、お子さんが色を選んで、きちんと名前を考えている姿を見て嬉しかったと言って下さったり、大好きなクマちゃんのぬいぐるみと同じ色を見つけたんです!と嬉しいお話も。
家でまた色づくりをしてみますという方もおられて、心弾むひとときでした。
今回は、これからの社会を彩る全ての人たちへ…ということで、小さなお子さんから大人の方までを対象として開催させていただいたのですが、たくさんのお子さんが保山さんの映像を静かに見てくれていて、皆さんの温かく見守っていただいている空気感が伝わってきました。
この日見た、感じた色や感情はそれぞれだとは思いますが、心の引き出しに何かしらきっとストックされているはず…。
日常のふとした瞬間に思い出す、つながることがあるかもしれません。
春がすぐそこに!
外に出て、自然の小さな変化を感じられる季節になってきました。
少し足を止めて、地面や空や、草や雨のにおいを感じる時間を大事にしたいなと思います。
最後になりましたが、このような素晴らしい機会をくださった保山耕一さん、清水さん
参加してくださった皆様
機材をお貸しいただきました氷室神社さん
今回一緒に企画運営してくださったピッカラーさん
そしてこのイベントを記事にしてくださった毎日新聞さん(2月8日朝刊、大阪府内版掲載)
皆様のお力添えで無事終えることができました。ありがとうございました。