アコウ
中通島にある奈良尾神社のアコウは樹齢650年を超える御神木です。息を止めて下を潜ると長生きできるとされており、取材に行った山本二三も息を止めて潜ったのでした。どこか『天空の城ラピュタ』を思わせる木のうねり。山本二三は木を描くのが好きなのですが、ずっと描いているうちに頭がぐるぐるとしてきて自分が今どのあたりを描いているのか分からなくなる事もあるそうです。(https://www.yamamoto-nizo.com/onehundred-landscape-paintings-of-goto より抜粋)
日本の神託カード @nihonnoshintaku
【今日の神託 三十九 冒険するガジュマル】固まった思いにとらわれないでください。私たちは旅をする樹。樹でありながらなんとも自由です。ありとあらゆる形に枝を伸ばし、根をのばし、私たちは歩きます。
https://onibi.cocolog-nifty.com/alain_leroy_/2014/04/post-7d0d.html 【がじまるの木 山之口貘】
がじまるの木
ぽくの生れは琉球なのだがそこには亜熱帯や熱帯のいろんな植物が住んでいるのだ
がじまるの木もそのひとつで年をとるほどながながと気根(ひげ)を垂れている木なのだ
暴風なんぞにはつよい木なのだが気立てのやさしさはまた格別で木のぼりあそびにくるこどもらのするがままに身をまかせたりしていて孫の守りでもしているような隠居みたいな風情の木だ
[やぶちゃん注:【2014年7月7日追記:思潮社二〇一三年九月刊「新編 山之口貘全集 第1巻 詩篇」と対比検証済。注を一部追加した。】初出は昭和二八(一九五三)年六月号『人物往来』。如何にも妖精「きじむなー」の棲む木に相応しい、バクさんの博物詩である。
「がじまる」既注であるが再注しておく。次のデイゴとともに沖繩を代表する樹木で、常緑高木のイラクサ目クワ科イチジク属ガジュマル Ficus microcarpa 。参照したウィキの「ガジュマル」によれば、樹高凡そ二十メートル、『実は鳥やコウモリなどの餌となり、糞に混ざった未消化の種子は土台となる低木や岩塊などの上で発芽する。幹は多数分岐して繁茂し、囲から褐色の気根を地面に向けて垂らす。垂れ下がった気根は、徐々に土台や自分の幹に複雑にからみつき派手な姿になっていく。ガジュマルの名の由来は、こうした幹や気根の様子である「絡まる」姿が訛ったという説がある。気根は当初はごく細いが、太くなれば幹のように樹皮が発達する。地面に達すれば幹と区別が付かない。また、成長した気根は地面のアスファルトやコンクリートなどを突き破る威力がある。こうした過程で、土台となる木は枯れていくことから別名「絞め殺しの木」とも呼ばれる。観賞用に、中の枯れた木を取り除いて空洞状にした木も存在する。枝には輪状の節があり、葉は楕円形または卵形、革質でやや厚く、毛はない。イチジクのような花序は枝先につき、小さい』。『ガジュマルの名は、沖縄の地方名だが、由来は不明。前述の「絡まる」の他、一部には『風を守る』⇒『かぜまもる』⇒『ガジュマル』となったという説がある』と記す(但し、最後の語源説には要出典要請が出されている)。また、沖繩の妖精妖怪として知られる「きじむなー」はこの古木に棲むとされることはとみに知られる。]
https://www.asahi.com/articles/ASKCS4WTMKCSPQIP00K.html 【(SCENE)ミクロの世界に光】より
南方熊楠 生誕150年
粘菌(ねんきん)の研究で知られ、生物学や民俗学、博物学の書物や論文を数多く発表した南方熊楠(みなかたくまぐす)の生誕から150年。和歌山県のゆかりの地では、再び、その功績に光が当たっている。
白浜町の南方熊楠記念館。ガジュマルなどが生い茂る公園に、千里高校(大阪府吹田市)の生徒約20人が訪れた。木の葉を裏返し、朽ちた木々を掘り返し、粘菌を探す。今年、粘菌を探しに訪れた人は、例年をはるかに上回り、100人を超えた。
南方熊楠が晩年を過ごした田辺市の南方熊楠顕彰館では、日記を活字にする取り組みが続いている。約10人のメンバーが分担し、南方熊楠の日常から、人となりを知ろうとしている。作業に携わる、吉川寿洋(としひろ)さん(79)は、「日記からは、まわりへの優しいまなざしも見えてくる。生誕から150年経っても、興味は尽きません」と話す。(水野義則)
http://www.minakatakumagusu-kinenkan.jp/2021/05/11/11538 【アコウ】より
こんにちは。閑話猿です。
アコウと云われ、皆さんは何を想像されるでしょうか。「アコウ(魚)」「アコウ(赤穂:塩)」「アコウ(植物)」などあると思います。
今回は「絞め殺しの木」という物騒な名前のついている植物です。これは以前に本ブログで紹介もしておりますが、記念館新館前には木製ベンチから生えたアコウがあります。以前は屋上の展望台に設置していたこのベンチには鳥が運んだのか、アコウが芽を出しました。
このアコウはガジュマルのような「気根(外に出た根)」を持ち、成長するとそれまで親木となっていた他の樹木を覆い尽くして枯らしてしまうようです。
番所山公園内にも大きなアコウの木がありますが、確かに気根が出ていました。ど根性アコウもいずれはベンチを覆い尽くして大きくなるのでしょうか。
これからが楽しみです。
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1154 【気根について】より
質問者: 自営業 博行
あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。
樹木の中には気根を枝からだして地面に到達したあと太くなって幹のようになってしまうものもありますが、そこで素朴な疑問が湧いてきました。
気根が地面に到達するまでは水分とか栄養とかはみんな枝から気根へ流れて行くと思うのですが、気根が地面に到達してからは気根から新しい根を地面に張ってそこから水分を吸収して行くと思うのです。
ならば、気根が地面に到達する前と後では導管での水分の流れは逆になるのでしょうか? 導管は逆流可能なのでしょうか?
それとも、到達してから新たに導管が作られるのでしょうか?篩管に関してどうでしょうか?よろしくお願いいたします。
博行さん:
日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問は標記の番号で受け付け、回答いたします。
気根とは、地上茎に作られ下方に向かって成長したり垂れ下がったりする根や横走する地中根から地上に向けて顔を出すように成長する根などのように、空中にまず顔を出すように作られる根のことで、ふつう特殊な働きをもっています。ご質問にあるように地上茎からでて地面に到達すると太くなる気根は、インドゴムノキなどに見られる支柱根と呼ばれるものと思われます。タコノキやトウモロコシのように、もともと太い気根を出し、地面に達しても特に太くならない支柱根もありますが、いずれも植物体を支える働きを果たすとともに地中に入れば吸水の機能もあるようです。ご想像のように、地上茎にでた気根の栄養は母体から供給されますが、主に篩管をとおって供給されているはずです。支柱根は空気中から水を吸収する働きがほとんどありませんから道管液も茎から供給されたものですが、導管液の流れは蒸散などで水を損失する組織・器官の方向へ流れます。気根が空中にある間は、気根自体の蒸散による気根内平均浸透圧と、地中根から流れる母体内浸透圧の差で、わずかながら気根へ向かって流れていると考えられます。それがまた、気根成長の原動力となっています。気根が地面に達して、地中の水を吸収するようになれば気根内の浸透圧は低下しますので、地上方向へ向かって流れることになります。地面に達して太くなるような気根は当然、道管、篩管などの維管束やその他の細胞が新たに作られますが、道管、篩管によって内液の流れる方向が決まっているものではありません。道管も篩管も、一本の独立した管ではなく、たくさんの毛細管がお互いに連絡し合っていますので、毛細管の中の水は水の化学エネルギーの小さい方向(浸透圧の大きい方向)へと流れます。
道管内でも篩管内でも水の流れる方向はこの原理で決まります。