たより36 気
「気」の付く言葉 普段よく使いますよね。
元気、気象、天気、運気、気持ちがいい、気分がわるい、気を遣う、気が合う、気が小さいなど。
ちょっと考えてみてもたくさんあります。
「気」は、もともと「气」という象形文字で、「字統」(著書:白川静)によると、「雲気が空に流れ、その一方が垂れている形」とあります。
つまり、雲気、自然現象を示していました。
中に米を書く旧字の「氣」は米穀の意味があります。
空を見上げると、雲が見えます。 綿菓子みたいにふわふわしていて、つかめたり、乗ったりできそうですが、実際近づくとつかむことも乗ることもできません。
色は晴天のときは白、曇り空のときはグレー、朝焼けや夕焼けのときの明るい色もあります。
動くスピードはゆっくりのときもあれば、速いときもあります。
大きくなったり、小さくなったり、形も変わります。
人に宿る気も雲みたいですよね。
目には見えないけどいろいろと変化している。
人に宿る気は何から作られているのでしょうか?
中国では、清気、水穀の精微、先天の精から作られると考えられています。
< 清気> 呼吸により空気中から取り込まれるもの
<水穀の精微> 飲食物から取り込まれるもの
<先天の精> 両親から受け継いだもの
先天の精は、両親がそれまでに空気中や飲食物から取り込んでいたものの集まりだと考えられるし、飲食物は、自然から作られるものなので、3つから作られるといっても、要はすべて自然から作られたもの、自然そのものだとも言えます。
古代中国の哲学思想では、気は宇宙を構成する基本物質とされ、気からすべてが誕生したと考えられています。
すべては気でできている。
そう考えると、宇宙にあるすべてのものは同じである、と思えます。
さて、人の気についてですが、古代中国の哲学思想であった気を引用して、中医学では、気は人体を構成する最も基本的な物質とされ、生命活動になくてはならないものと考えられています。
雲のように変化するものですが、常にバランスをとっています。
人は自然の一部であり、自然に寄り添って生活していれば、このバランスがとれているのですが、不自然な生活によって崩れることがあります。
中医学では、気の症状を主に気虚、気陥、気滞、気逆、気脱、気閉に分けています。
<気虚> 気が不足している状態です。 食欲不振、倦怠感、自汗(普通に過ごしていても汗が多い)、冷える、軟便、貧血、風邪をひきやすいなど症状があります。
<気陥> 気の機能の失調で、気虚の症状に加えて内臓下垂(胃下垂、腎下垂、子宮下垂など)、下痢などの症状があります。
<気滞> 気の流れが滞っている状態です。 お腹の膨満感、おならやげっぷ、のどのつまり感、うつなどの症状があります。
<気逆> 気が逆上している状態です。 咳、ぜんそく、嘔吐、げっぷ、頭痛、イライラ、顔面部や目が赤くなるなどの症状があります。
<気閉・気脱> 気閉は気が外に出ることができず極めて気鬱になる状態、気脱は気を内に守ることができず極めて気虚になる状態で、どちらも重症の症状です。
気閉と気脱の重症症状以外は、よくある症状です。
しかしながら、現代医学(西洋医学)では、気という概念がないため、これらのよくある症状は、根本原因を探さずに対症療法で症状をなくすための薬が処方されたり、原因不明ということで未解決になったりします。
しかし、安心してください。 これらの症状は、生活習慣を見直すことで解決できます。
主に、食事、運動、ストレスに関して誤ったことを積み重ねてきた結果、不調があらわれているので、不調を引き起こす原因を探して、それを取り除き、養生することで本来の不調のない体に戻ります。
「気」の付く言葉がたくさん存在するということは、それだけ「気」がありとあらゆるものに関わっているからでしょう。
「気」の不調を放っておくと、病が進行していきます。
「気」の不調があらわれたら、放置せずすぐに自分の生活を見直しましょう。
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