勉強=チート
勉強ってなんでしなきゃいけないの?
そう聞かれて、大人はどう答えるでしょう。
「みんなやってるから」
「やらなきゃいけないものだから」
そんな答えを、お子さんや周りの子にしていませんか?
そもそも理由を聞いてくる子供の心理は。
①勉強したくないから、勉強しなくてもいい理由を探している
②勉強をするメリットを探している(効果を最大化したい)
もともと勉強しない子なら、①が多く、
もともと勉強する子なら、②が多いでしょう。
どちらのパターンも、塾で働いていると多く見かけます。
結論を言うと、勉強は「しなきゃいけないもの」ではないんです。
しなきゃいけないと決めつけるのは、親や先生ですから。
質問の前提から間違えているのです。
では次に、なぜそう決めつけるのか。
それは「決めつけたほうが楽だから」ですよね。
冒頭の、難しい質問の答えを先回りして作っているようなものです。
大人たちはこう言いたいのです。
「いいからやれよ」
もはや指導ですらない、と思うレベルです。
では問題を戻しましょう。
勉強させたい理由はなんでしょう。
それは「得してほしい」からですよね。
イージーモードな人生を送ってほしい、ということですよね。
昔、プレイしていたゲームのボスをどうしても倒せなかったとき、
設定をイージーモードに変更したらあっさり勝てたという経験があります。
ズルをしているような、どこか申し訳ない気持ちもありましたが、
余裕で先に進めたのでOK、楽しい。という気持ちになりました。
まずはこの気持ちを肯定することから始めるべきだと思います。
つまり、ズルは、してもいい場合もある、ということ。
だから、それを正確に見極められるようになるまでは、
してもいいズルとしてはいけないズルの区別は大人に聞きなさい。
それを伝えなければいけませんね。
そのうえで、勉強は「してもいいズル」なんだ、と。
人生攻略法の中の、裏技の一つなんだ、と。
その裏技、使わずに攻略したいならそれでも結構。
使わずにクリアしている人もいるのは事実。
でも運のみでクリアすることはできないから、
運以外でクリアできるに足る理由が必要ですね。
例えば超絶美人になることが確定していて、全国からモデルスカウトがたくさん来ているような女の子なら、勉強しなくとも女優業でうまくいく可能性はありますね。
年齢を重ねると厳しいかもしれませんが。
例えば大谷翔平のように、特出したスポーツの才能があり、世界で通用するレベルを持っている男の子なら、勉強しなくともうまくいく可能性はありますね。
ケガをすると人生詰みかもしれませんが。
どちらの場合でも、勉強しておくに越したことはないのです。
とはいえ、自分がこういった「才能」を持っているかどうかは、もうわかるはずです。
私たちのほとんどは、特殊な才能なんてありません。
だから勉強したほうが、得なんです。
もし仮に才能もなく、勉強などの努力もしなかった場合、
とても幸せな人生を送る可能性が高いとは言えません。
浅学菲才という言葉があります。
まさに上のような状態の人を指す言葉です。
AI技術が発展し、さまざまな仕事が人件費のかからないAIに以降していくことが
ほぼ確定している今の生徒たちの未来では、浅学菲才な人間は職に就くことすら難しくなるかもしれません。
菲才はどうしようもない。ならばせめて浅学の部分だけでも変えてみてはどうでしょう。
そうしているうちに、「自分は菲才でもなかった」と思えるかもしれません。
だから、勉強したほうが得なのです。
将来役に立つかわからないものを、なぜ勉強するのか?
大人になって因数分解なんて使うのか?
その答えは簡単です。
将来役に立つかわからないから、勉強するんです。
逆に役に立つものならば必死に勉強するのか?
例えば英語の勉強は役に立つことが確定していますよね。
学校で教わる科目になくとも、税金や保険、投資の知識は必要ですよね。
ではそれは必死に勉強するのか?
いいえ、しません。
メリットを確認してから勉強したいわけじゃないんです。
勉強したくないから、しなくてもいい理由を探しているだけなんです。
かといって、それを頭から否定してもだめです。
勉強したくなるように、そう思えるようにしてあげるのが、
私のような塾の先生、そして親の役目です。
中3は定期テストが終わっても10/16には次の模試があります。
中2以下は期末テストがすぐにやってきます。
私たち大人は、勉強したくなるように、生徒たちの心を上手にコントロールしてあげましょう。