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旅のチカラ、旅のカケラ

ヨハネス・アゲイン

2009.01.22 10:30


誰も居ないドミトリー、午前6時、

目覚ましのベルが鳴った。

背の低い2段ベッドから這い出し、

カーテンを開ける。




白黒だった景色に色が付くように、

まばゆい朝日が部屋を染めた。

スワジランドで初めて目にする太陽だった。


今日は南アフリカに戻る日。

「せっかく晴れたし、もう1泊しようか」という考えが

一瞬頭をよぎったが、まぁ、

これといって行きたい場所もないし、

すぐにその考えを打ち消した。


行こう、南アフリカへ、首都プレトリアへ!



重たいザックを担いでタクシーランクまで約2km、

動き出した街を通り抜ける。

タクシーを使いたいところだが、ここは我慢。

たかだか30分だもん、トレーニングだと思って歩くべし。

物価が高い国ではストイックにいかなければ。


タクシーランクで「プレトリア」行きの

コンビ(乗合ワゴン)を探したが、

すべてヨハネスブルグ行きだという…。


はぁ、ヨハネスか...

世界一危険な都市と言われているだけに、

できれば避けて通りたい街だが、仕方ない。

勇気を振り絞って行きますか。



ダミーの財布を用意し、小額のお金を入れる。

こいつは強盗に遭ったら投げ出す“おとり”。

マネーベルトもダミーを用意した。

ちなみに中にはトラベラーズチェックと

エチオピアのお金が入っている。

1ブル札(約10円)が30枚。

パッと見中身が多そうなので、これなら強盗も納得するだろう。


用心に用心を重ね、最悪の事態に備えた。

コンビに乗り込み出発を待つ。

最後の2人がなかなか集まらず、

結局1時間待ってようやく走り出した。

ムババネ→ヨハネスブルグは、

170リランジェニ(約1700円)で、

所要時間はおよそ5時間。



距離はあるものの、南アフリカは法定速度が120kmなので

ワゴンは滑るように進んでいく。

腰が痛くなった頃、ヨハネスブルグの街に入った。



想像していたよりはキレイな街だが、

通りは黒人たちで埋めつくされている。

思い込みが激しい性質のせいか、ピリピリした雰囲気を感じる。



「ヨハネスブルグを歩くなら強盗に遭う覚悟の上で」

某ガイドブックの一文が脳裏をよぎる…。

(ヨハネス、、、ブルブル)



到着はタクシーランクだった。

危険度MAXのエリアじゃん…。

ひぇ~!っと思いながらコンビを降り、

荷物の運び屋にチップを渡してボディガードを依頼した。

この街は安全をお金で買うに限る。


運良くプレトリア行きの大型バスを見つけ、

60ランド(約600円)でチケットを購入した。

トランスラックス社の豪華なバスは、

シートもよく倒れ快適だった。



ホッとしたのか、そのまますぐに眠りに堕ちた。

プレトリアの街は、まるでヨーロッパ。

オレンジのとんがり屋根に、道を覆う街路樹。

いくつも公園があって、人々が思い思いに過ごしていた。



「明日は街を散策しよう」

タクシーの車窓から街並みを眺め、期待に胸を膨らませた。

(結局、タクシー使ってんじゃん…)