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旅のチカラ、旅のカケラ

オレンジ川とオレンジ空

2009.01.29 12:22


南アフリカの「アピントン」。

あの暑さが戻ってきた。


アフリカはエジプトからスーダンまでは

うだるような暑さと、痛いほどの日差しを感じていたが、

エチオピア以南は比較的涼しく、アジアのような湿気もない。

朝夕はフリースを着ていたくらいである。

太陽を睨みつけたくなるよな日差し、

道路に陽炎が揺れている…暑い!



この街にはオレンジ川が流れていること以外、

特筆すべき観光スポットはなく、

食事も残念ながら相変わらずのファーストフード。

1日に5個以上のハンバーガーを頬張っている。



ここに来た理由は単なる経由地。

ナミビア行きのバスがここから出発するので、

そのバスに乗るために1泊刻むことになった。



まぁ、せっかく来たのでオレンジ川くらいは見ておこう。

昼下がり、ハンバーガー屋の帰りにオレンジ川を見に行った。

繁華街から歩いて15分ほどの距離で、

大きな橋が架かっていた。



対岸までは500mといったところか?

暑さによろめきながら橋を渡り、パームツリーの並木道から

川の流れを眺めた。

もちろん、オレンジ色ではない。

ひょっとして夕暮れまで待てばオレンジに染まるかもしれないが

この暑さは尋常じゃない!

エアコンのある宿に戻ろう。


ナミビア行きのバスは、

『インターケープ』社のバスを予約してある。

アピントン→ウィントフック(ナミビアの首都)は、

所要時間約12時間で、

運賃は350ランド(約3500円)だった。



午後6時半出発なので、

それまでの時間を宿でダラダラと過ごした。

この『インターケープ』のバスに乗るのは今回が初めてで、

楽しみにしていることが1つある。

実はこのバス2階建てで、

2階の最前列は見晴らしが良い、と評判なのだ。

座席はすべて自由席なので、ちょっと早めに行って

ぜひとも特等席を確保したい!



かなり気が早いが、出発の2時間前にバス乗り場へ出向いた。

当然乗客はまだ誰も居なかった…。

でも、バスはすでに停まっていて、

スタッフらしき人が出発前の点検をしていた。


「あのぉ、一番前に座りたいんだけど…」

作業中のおじさんに声をかけた。

「ん、受付は6時からだよ」

まだ1時間以上ある。やっぱり早すぎたか。

じゃあ、待合室で待ってるよ、と

荷物を持ってバスを後にしようとすると、


「コーラをおごってくれたら乗ってもいいよ」


なんとも可愛らしいワイロの要求があった。

南アフリカでコーラは1本60円である。

それなら安い買物だ。

早速自販機でコーラを購入し、

ザックと一緒におじさんに手渡した。



動き出したバス。

特等席の見晴らしは想像以上で、

まるで映画のスクリーン。

全面ガラス張りで、足元も広かった。



カラハリ砂漠をまっすぐに貫く道路。

オレンジに染まっていく空を眺めながら

次なる国「ナミビア」に思いを馳せた。


思えば、地平線に沈む夕日をいくつも数えた

アフリカの日々。

こうしてまた1つ、オレンジデイズが終わる。

地平線の彼方にある40ヶ国目へ

バスは走っていく―。