瞑想が脳にもたらす7つの効能
http://tocana.jp/2017/06/post_13617_entry.html より
瞑想中のチベット仏教僧の脳波を調べてみたら大変なことになっていた! 瞑想が脳にもたらす7つの効能を徹底解説!
マインドフルネスや瞑想に注目が集まっている昨今だが、その効能はビジネスや日常生活の中で冷静で的確な判断ができるようになるということに加えて、瞑想中はとにかく“幸福感”が半端ない状態であることが実験で実証されている。
■瞑想中の脳活動をモニター
fMRIと呼ばれる脳活動を画像化し計測できる機器だが、ここにきて高性能化が進み簡便性が向上していることもあって、今では幅広い分野の研究や実験に使われるようになっている。
アメリカ・ウィスコンシン大学の実験室ではこのfMRIを使って、瞑想中の仏教僧の脳活動を測定している。細胞遺伝学者であり作家でもあり、そしてチベット仏教僧であるマチウ・リカール氏の頭部に256本のセンサーを装着して、瞑想中の脳の動きを詳細にわたってモニターしたのである。リカール氏のほかにも数名の浅いキャリアの仏教僧たちの脳の活動も同じくモニターされた。
「EWAO」の記事より
結果は驚くべきものであった。瞑想をのべ5万回以上重ねているベテラン修行僧であるリカール氏の脳の機能が並外れて高いことはある意味で想定できたことだが、瞑想についてまだキャリアが浅い修行僧であっても、一般人に比べれば際だった脳活動を見せていたのだ。1日20分間の瞑想をはじめてまだ3週間の者であっても、一般人との脳機能の違いが一目瞭然であった。
そして瞑想中のリカール氏の脳のガンマ波は、なんとメーターを振り切って計測不能になるほどのレベルで発生していたのだった。さらに詳しくモニターすると、左側の前頭前野の活動が活発であることがわかった。この部分の活動は幸福感を増大させ、逆にネガティブな考えを遠ざけるとされている。瞑想により学習能力、集中力、記憶力、注意力が増すばかりでなく、なによりも本人が幸せでいっぱいな気分になっていたのだ。
イメージ画像:「Thinkstock」より
■瞑想がもたらす科学的な7つの効能
今からすぐにでも瞑想をはじめたくなる話題なのだが、「Ideapod blog」の記事では科学的に裏づけされた瞑想の7つの効能を紹介している。
1. 脳を若く保つ
今年3月にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が発表した研究では、瞑想が脳神経に多大な好影響を及ぼすことが指摘されている。瞑想を長く続けている人の脳は老化が進まずに若々しく保たれているということだ。
2. 脳の“無駄遣い”を減らす
何の作業や課題にも取り組んでおらずボーッと過ごしている時でも、実は脳の中ではいろんな雑念や想念が浮かんでは消えていて、それなりにエネルギーを消費していることが最近になってわかってきている。これは脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる脳神経系の働きで、漠然と想像を巡らせたりなどしてこの神経系を頻繁に働かせることは、エネルギーの浪費のみならず、ネガティブで悲観的な思考へと結びつくことが指摘されている。瞑想でこのDMNの働きを抑制することができ“脳の無駄遣い”を抑えられるのだ。
3. 抗うつ薬と同じ効能がある
ある研究で、瞑想は抗うつ薬と同程度、不安障害とうつを緩和することが指摘されている。そしてもちろん、薬剤と違って副作用はない。
4. 脳の各部のボリュームを変える
瞑想によって、恐怖や不安をつかさどる扁桃体(amygdala)が縮小し、逆に学習や記憶をつかさどる皮質の厚みが増してくることが報告されている。
5. 瞑想をはじめてすぐに集中力と注意力が増す
ウィスコンシン大学の研究でもわかったように、瞑想をはじめたばかりの者でも著しく脳機能が向上する。特に集中力と注意力が増してくるという。
6. 不安を和らげる
瞑想で不安が緩和される。ネガティブな思考を中和していわゆる“心配性”になることを防ぐ。
7. 依存症の克服をサポートする
さまざまなタイプの依存症からの脱出に瞑想がきわめて効果があることが各種の研究で指摘されている。これは自己コントロール能力が高まるからであるということだ。
すでに瞑想を実践しているという読者も少なくないかもしれないが、なにかと魅力的な“健康法”であり“脳機能向上法”であり、そして自発的に幸せを感じる方法であるのが瞑想といえそうである。
(文=仲田しんじ)