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「宇田川源流」【日本万歳!】 日本人研究者が16年連続で受賞する「イグ・ノーベル賞」の意味

2022.09.25 22:00

「宇田川源流」【日本万歳!】 日本人研究者が16年連続で受賞する「イグ・ノーベル賞」の意味


 毎週月曜部は「日本万歳!」をお届けしている。日本人の素晴らしいところや、日本人の賞賛されている記事をここに紹介し、その中に日本人の国民性を上げることによって、その国民性をわれわれう「一般の」日本人も共有していることを考えようということである。

 先週の末まで毎週三連休であるのに台風が来訪し、せっかくの「シルバーウィーク」が台無しになってしまった人は少なくないのではないかと思う。基本t気に「せっかく今年の後半を頑張るための充電期間」と思っていたシルバーウィークが、このような形でだめになってしまう、それも土日を含んだ三連休だけが台風が来るということは、なかなか悲しいことではないのだろうか。

 このような時には「笑い」と「無駄」が最も重要な内容になってくる。何かできないときに最も重要なのは「困難を楽しむ心の余裕」と「笑い」ではないだろうか。そしてその二つのことは「無駄」から生まれてくるのである。効率化を求められた現代社会の中において、あえて「無駄」をすることが最も重要であるということを、日本人は、世界の中で最もよく理解している民族ではないかと思う。

 それは「イグ・ノーベル賞」の受賞を見てもらえばわかる話だ。

 ところで、皆さんは「イグ・ノーベル賞」という賞を知っているであろうか。

 ノーベル賞のパロディとして、世界中のさまざまな分野の研究の中から「人々を笑わせ、そして考えさせる業績」に対して贈られる賞。「イグノーベル(Ig Nobel)」とは、ノーベル賞創設者アルフレッド・ノーベルの姓に否定的な接頭辞「Ig」をつけた造語で、下等な、下品な、見下げたという意味の「ignoble」を掛けたジョークである。

イグノーベル賞は、イスラエルで発刊された科学ユーモア雑誌「ジャーナル・オブ・イレプロデューシブル・リザルト(再製不能な結果ジャーナル)」誌の編集者であったマーク・エイブラハムズが1991年に創設した。賞の主宰は95年からはエイブラハムズ自身が立ち上げた「アナルズ・オブ・インプローバブル・リサーチ(ユーモア科学研究ジャーナル)」誌に引き継がれ、ハーバード・コンピューター協会、ハーバード・ラドクリフ物理学生協会、ハーバード・ラドクリフSF協会が協賛し、現在に至っている。

ノーベル賞と同じ、物理学、化学、平和、経済学、医学生理学、文学のカテゴリーの他、公衆衛生学賞、心理学賞、昆虫学賞など本家ノーベル賞には無いカテゴリーも随時追加されている。毎年10組に贈られるが、受賞の内容は非常に真面目な研究も多いかたわら、とんちんかんなものや、時には、水爆の発明者でありスターウォーズ計画を提唱したエドワード・テラーが「一般とはまったく違った意味を『平和』に与えた業績を称えて」91年度のイグノーベル平和賞を授与されたといった強烈な皮肉も含まれている。真面目な研究者の中には、受賞を喜ばない者も少なくない。

「イグ・ノーベル賞」日本人研究者が16年連続で受賞

 人々を笑わせ、考えさせる業績に贈られる「イグ・ノーベル賞」が発表され、日本人研究者が16年連続で受賞しました。

 イグ・ノーベル賞は例年、アメリカの名門ハーバード大学で授賞式が行われますが、新型コロナウイルスの影響で今年も3年連続でオンラインで行われました。

 ことしは「工学賞」として千葉工業大学の松崎元(まつざきげん)教授、上野義雪元教授ら5人が受賞しました。

 5人は、人が円柱型のつまみを回す時に、直径によって使う指の本数や指の接触位置が変わることを研究し、製品をデザインする際、設計に役立つことを期待するとしています。

 松崎元教授「デザイン分野では、このような無意識の行動を研究している研究者がたくさんいる。より多くのデザイナーがこの賞を受賞することを願っている」

 松崎教授は、「非接触の操作に関する研究も増え、時代遅れのようなテーマかもしれないが、コロナ禍で人とモノの接触について改めて考えさせるテーマということも受賞につながったかもしれない」とコメントしています。

 日本人の受賞は16年連続で、受賞者にはすでに廃止されていて通貨として価値がない10兆ジンバブエドル札が贈られました。

2022年9月16日 7時0分 日テレNEWS

https://news.livedoor.com/article/detail/22861182/

 さて、1991年に創設されたイグノーベル賞であるが、ずつは様々な省があって日本人はこれまですべてで27の賞を受賞している。それも2007年から2022年までなんと16年連続で受賞しているのである。はっきり言うが「イグ・ノーベル賞」の常連は日本国であるといえる。

 それにしても「笑える」というか、見ようによっては「くだらない」といわれそうな賞を様々に研究しているものであると感心する。った追えば今年、2022年のイグノーベル賞は「つまみを回すときの直径と指の本数との関係に対して」で工学賞をとっている。受賞した千葉工業大学の松崎元教授は「非接触の操作に関する研究も増え、時代遅れのようなテーマかもしれないが、コロナ禍で人とモノの接触について改めて考えさせるテーマということも受賞につながったかもしれない」<上記より抜粋>とコメントしているのである。

 しかし、ある意味で「アナログ」の文化は非常に重要であるし、また、その文化に関して人間は動物である以上絶対にその内容が必要になってくるのである。デジタルばかりで何とかなるというような時代ではなく、「いかにデジタルをアナログに近づけて、人間が動物としても快適に過ごすことができるか」ということを研究することには非常に重要な内容であるということになるのではないか。

 それにしても日本の受賞は面白い。

2007年 化学賞 ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究

2008年 認知科学賞 単細胞生物の真正粘菌にパズルを解く能力があったことを発見したことに対して

2009年 生物学賞 ジャイアントパンダの排泄物から採取したバクテリアを用いると、台所の生ゴミは質量で90パーセント以上削減できることを示したことに対して

2010年 交通計画賞 鉄道網など都市のインフラストラクチャー整備を行う際、真正粘菌を用いて輸送効率に優れた最適なネットワークを設計する研究に対して。

2011年 化学賞 火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発

2012年 音響賞 自身の話した言葉をほんの少し遅れて聞かせることでその人の発話を妨害する装置「スピーチジャマー(Speech Jammer)」を発明したことに対して

2013年 化学賞 たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究 

    医学賞 心臓移植をしたマウスにオペラの『椿姫』を聴かせた所、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも、拒絶反応が抑えられ、生存期間が延びたという研究2014年 物理学賞 床に置かれたバナナの皮を人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究に対して

2015年 医学賞 キスでアレルギー患者のアレルギー反応が減弱することを示した研究に対して

2016年 知覚賞 前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると実際より小さく見える「股のぞき効果」を実験で示した研究に対して

2017年 生物学賞 雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫(トリカヘチャタテ)の存在を明らかにしたことに対して

2018年 医学教育賞 堀内朗が自身で内視鏡を操作し自分の大腸を検査した結果をまとめた論文「座位で行う大腸内視鏡検査―自ら試してわかった教訓」に対して

2019年 化学賞 典型的な5歳の子供が1日に分泌する唾液量の測定に対して

2020年 音響学賞 ヘリウムガスを使うとワニのうなり声も高くなることを発見したことに対して

2021年 動力学賞 歩行者同士が時には、衝突することがある理由を明らかにする実験を実施したことに対して

2022年 工学賞 つまみを回すときの直径と指の本数との関係に対して

 さて、これがなぜ、日本のすばらしさにつながるのであろうか。実は日本人は「人間を豊かにすることを大真面目に学者が研究している」ということなのである。効率化ばかりではないということがよくわかっている日本人は、その歴史の中で、「無駄」や「くだらないこと」が最も大事であるということをしっている民族であり、そのことをいかに考えるかということ、死してそのことが人間の豊かさにどれほど役になっているかということをよく知っている。

 そのうえで、その研究の中から、「新たな研究成果」が生まれるのだ。

 「無駄」から生まれる必要なものは少なくない。そのことが、日本人の自由で豊かな国民性につながり、そしてその余裕から多くの人が頑張れるのではないか。

 そのような研究を続けられる限り、日本はまだまだ捨てたものではないという気がするのである。

 日本はやはり素晴らしい