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星を繋ぐ猫達 《第8章⑪ 神城鬼伝説の謎②》

2018.02.28 03:31

随分と更新が遅れてしまいました。つい、こないだまで、自宅改装や用事などでバタバタしていました。


ただいま、6月個展の準備中です。


画像は、一昨年前に製作作品です。


《第8章⑪ 神城鬼伝説の謎②》


千寿氏は、寅次郎博士達の前で、真剣な顔で、話始めました。


「あなた方は…どこの星からやって来たのですか?」


「どこの星から?」この問いは、確かに、この地球上では、もしかしたら「おかしな質問」になりかねません…ですが、千寿氏は、勇気を振り絞り、寅次郎博士達に、投げ掛けました。


寅次郎博士は、一呼吸し、


「私達は[橋渡しの民]です」


それを聞いた千寿氏は、瞳から、大粒の涙をポタポタと落としました。


「ハシワタシノタミ…や、やっと会えました…私は、マゼラン星カミシロ族の末裔です。あなた方の到着を、お待ちしておりました…カミオン氏は、どなたで?」


寅次郎博士は、静かに答えます。


「私のコードネームは、ラステライ。あなた方の依頼をうけた、カミオン…地球人名、神楽未知太郎は、10年ほど前に肉体寿命が尽き、この星を離れました…」


「カミオン氏は、神楽屋さんの先代だったのですか!?亡くなられたのですか…?」


千寿氏は、落胆しました。


「彼は、依頼を遂行出来ぬまま、悔やみながら星を離れました…後任の私達が、責任を持って救済します。到着が遅れた事を、お詫びます…」


「お、お詫びなんて、とんでもない…私達も覚悟していたんです。この星でのレスキューは困難だと…地球人として、生きてるうちに再会出来た事に感謝いたします…」


千寿氏は、涙を溜めながら、寅次郎博士達の、手をギュッと握りしめました。


「もう、大丈夫です。頼もしい助っ人も居ますので、安心してください」


そう言って、寅次郎博士は、猫沢さん達をチラリと見ると、鞄から、神楽屋の看板から外した金属板を取り出しました。猫沢さんも、片割れの金属板を出します。


「これは…何故、猫くん達が…?」


驚く千寿氏に、猫沢さんは、


「先日、カミシロ族長とコンタクトを取り、これを受けとりました」 


「え?族長にですか?」


「はい。ご存命ですよ」


猫沢さんは、笑顔で答えました。千寿氏のは震えています…


「ほ、本当ですか!?村では、とっくの昔に殺されてしまったと聞きました…生き残ったマゼラン人達は、遥か遠くの谷に隠れ住んでると聞いていますが…」


「遠いと言えば遠い…ですかね?彼等は、この村の地下に重なる周波数帯に身を隠していますよ」


猫沢さんは、優しい眼差しで、千寿氏を見つめます。


「この村に?本当ですか!?」 


「はい。彼等と一緒に星へ還りますか?」


「……」


千寿氏は、即答出来ませんでした。


なぜなら…


「私は…地球人とマゼラン人の合の子です…私は地球で生まれた異星人。この肉体では、あの星へ還る事は、到底、無理でしょう…」


千寿氏の中に流れる地球人の血…


地球の大気圏を飛び出した途端、物質的に構成された彼の肉体は、強烈な宇宙放射線を浴び、遺伝子が損傷し、生きて、星に還る事は出来ません…  


「それに、地球で暮らす妻や子供達がいます。彼等を置いてはいけない…もうすぐ初孫も生まれます…」


嬉しそうに顔をほころばせた千寿氏は、五十半ば、そんな年頃なのです。


「ほう!それは、おめでたい!」


門田さんが、満面の笑みで、ポンッと手を叩き、張り詰めた空気が、一気に和らぎました。


「そうでしたか、では、あなたは、地球に残るのですね」


寅次郎博士は、暖かな声で、語りかけます。


「はい、先祖や生き残った者達を星に還す手伝いをする為に、私は、この村に戻ってきたんです」


そう言って、千寿氏は、例の金属板を持ってきました。


3つのパーツが見事に揃い、皆は、目を輝かせます。


「準備が調いましたね。早速、あの場所に向かいましょう」


寅次郎博士達は、車に乗り込み、例の宇宙船が格納されている、巨石群に向かいました。


「そう言えば、先生、松方さんは、巨石群の事は知りませんよね?」


サリーが、何気に問いかけます。万が一、巨石群にも呪術がかかっていたら、やっかいですから…


「あそこはノーマークの筈だよ。松方さんは、蔵の封印を重視してる」


午前中の、清々しい空気が漂います。


「寅さん、私の研究仲間が、午後に到着するそうです」


「OK」


巨石群に向かう途中の神社に立ち寄り、お参りをしました。


境内の裏山に、ひっそりとたたずむ蔵に、足を向けると…


そこには…


「ぞ、族長!それに皆…󾬆」


千寿氏は、驚きました。カミシロ族達の姿が、見えたのです。結界を張られている為に、蔵から半径二メートルの中でしか動けません。 


もう一度振り返った時には、彼等の姿は消えていました。


他の村人に見つかっては大変です。ほんの一瞬のタイミングを見計らい、地上に姿を現したのです。


千寿氏は、涙ぐみながら、金属板を抱き締めていました。 


「千寿さん、良かったですね」


猫沢さんは、小さなハンカチを渡します。


「さぁ、もうすぐ着きますよ」


寅次郎博士は、草原にそびえ立つ、鳥居のような大きな石を、指差しました。


[つづく]


 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。



2018年の6月も、東京高円寺、猫雑貨&猫ぎゃらりー猫の額さんで、個展、幻想の魚の秘密シリーズ.第5弾を開催いたします!お楽しみです。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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