いよいよ待ったなし!
前回の応答が先なのだが、急遽「社会保障審議会はじまる」の新聞記事を見ての感想を述べたい。
今回の改定は次回の医療・介護同時改定に向けての最も重要なものとなる。2040年を具体的に見据えたかなり切羽詰まった内容になるだろうというのは充分に予想される。
主なテーマは①利用者負担割合の拡大②軽度者の総合事業への移行③プラン作成費の有料化である。すべてサービス利用の抑制となり結果として費用軽減につながる。
最も恐ろしいのは①であろう。重度の要介護者が3割負担になるとどうなるのか。重度化が進めばサービスは重層的になり限度額一杯となる。しかし340万程度の世帯年収で毎月10万の費用負担に耐えられるのだろうか。耐えられないだろう、となるとどうなるのか。最も介護を必要とする要介護状態で使えなくなるのである。これでは社会保険方式でやっている意味が無くなる。介護の社会化どころではない、措置時代よりも後退している。少なくとも措置制度においては介護の必要度の高いところには施設入所も含め申請主義ではあるが必要なサービスは提供できていた。介護保険は保険事故が発生すれば支給区分限度額の範囲でそれぞれの状況に応じたサービスの受給が担保されるよう制度設計がなされている筈である。証文も何もあったものではない。
②についてはもはや詐欺に近い、現在の要支援1,2に要介護1、2を加えると認定者数の全体の7割位をカバーするのではなかろうか。その7割は上限の決まったサービス量での受給に甘んじるしかない。そのような制度を維持するために高い保険料を納付する、それで国民は納得するのだろうか。巷には介護地獄があふれている、しかし、自分が望むサービスは受けられない。選択権が狭められるのである。となると法の条文を書き変えるしかない。
③については、概ね賛成である。公務員ではないので市場が当該労働を評価するのが筋であろう。でもセルフマネジメント制度が残る限り、結果は悲惨な状況を招くであろう。理由は以下である。まず行政窓口に自己作成のケアプランの列が出来上がるというのは予想される。したがって計画の全てはチェックできないからプランそのものはほぼ素通りになる。さらにはサービス利用の管理役が不在だから事業所、利用者間での調整が不良でトラブル続きとなるだろう。結果今まで顕在化していない根本的な問いが浮き彫りになる。
介護保険制度におけるケアマネジメントの本質とは、である。これは良いことだと思う。
令和4年9月27日