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とある冒険者の手記

V.愛おしいと言う感情

2022.09.28 02:48

ラベンダーベッドにあるガウラの個人宅。

その日は珍しく、家でのんびりと過ごしているガウラの姿があった。

とは言っても、何かしていないと落ち着かないのか、機械系のミニオンのメンテナンスをしている。

作業に一区切りがついた辺りで、両手を上に上げ大きく背伸びをする彼女に、ヴァルはコーヒーを運んだ。


「少し休憩したらどうだ?」

「ありがとう!そうさせてもらうよ」


礼を言い、運ばれてきたブラックコーヒーを口にする。

コーヒーのお供に、彼女の好物のアップルパイを出すと、子供のように目を輝かせ、幸せそうに口に運ぶ。

その姿が愛おしくて、思わず表情が緩む。

ガウラの隣に座り、自分用に用意したストレートティーを飲みながら、アップルパイを食べる。

パイを食べ終わり、食器を片付け終え、ヴァルが飲み物のおかわりを持ってくる。

そして、先程と同じようにガウラの隣に座ると、彼女が寄りかかるように肩に頭を預けた。

驚いてガウラを見ると、目線だけこちらに向け、口を開いた。


「なんだ?」

「いや、珍しいなと思って…」

「…私だって、たまには…な」


照れくさくなったのか、目線を外し、頬を少し赤らめながら、語尾が小さくなっていく。


「パートナーなんだから、いいだろっ!これくらい!」


最後はヤケになったのか、恥ずかしさを誤魔化すように言った。

それが、可愛くて仕方ない。

ヴァルは彼女の頭に、自分の顔を寄せた。


「あぁ。いくらでも甘えてくれて構わない」


そう言って、ヴァルはガウラの肩を抱いたのだった。