アルシア レビュー 2022.09.30 12:31 今回のレビューは、ノンスケール 島田フミカネ ART WORKS より、“アルシア” です。 フレームアームズ・ガールのデザインなどで知られるイラストレーターの島田フミカネ氏の画集、“島田フミカネ ART WORKS Ⅱ” で表紙を飾ったオリジナルキャラクター、“アルシア” が、コトブキヤにてキット化されました。 フレームアームズ・ガールで培われた技術が惜しみなく投入されたそうです。 島田フミカネ氏というと、今やガルプラ業界になくてはならない巨匠。 というか、少女 ✕ メカデザインのパイオニアと近い存在なんじゃないでしょうかね。 作風としては、やはり少女とメカ=可愛いと格好いいの融合。 あとだいたい見えちゃってるとか、やけにローライズが多いとか、そういう部分が目立つかなぁ(笑)。 そんななかだと、ガルパンは希有な例になってきますね。絶対に見せませんからね。 最終章第4話の公開はいつになるのかなぁ・・ とまぁ、そんな氏の二冊めの画集で表紙を飾ることになるオリジナルキャラということですから、氏のもっとも得意とするところの作風というか、氏の性癖がモロに出ているコなんだろうな、このアルシアは。 少女 ✕ メカ ✕ 軍服、そしてローライズ。ほかにもいろいろと・・ パッと見は非常にシンプルなデザインながら、その内側に詰め込まれた要素は渋滞を起こすほど多岐にわたっています。 というか、見ためのデザインからしてもこのご時世でよく立体化したなと思わせる、攻めたものになっていますけどね。 さすがコトブキヤ。躊躇わないな。 それでは、レビューしていきます。 キットはパチ組みしたのみです。パッケージ 画集の表紙イラストがそのまま使われたパッケージ。 これだけも価値がありますね。 キットの仕様は基本的にFAGのフォーマットに準じたものになっていますが、とくにスピンオフというわけではなく、あくまで単体のノンシリーズキットという扱い。 ルーデンスなどと同じですね。 なお、公式ショップ限定特典として同じイラストが印刷されたアクリルプレートが付属。 足も付いているのでそのまま立てかけて飾ったり、 フライングベースネオに重ねることで専用のディスプレイベースとすることができます。 右上に空いている穴がベースの穴と位置を合わせたものになっているので、そこに支柱を射し込めるようになっているんですね。素体モード 素体⇔武装と厳密にモードチェンジするわけではないのですが、とりあえず武装類を身に着けていない状態ということで。 通常顔の目線が右向きなので、いつもとは身体の向きが逆になっているのはご了承ください。 まぁ、けしからん格好ですね。破廉恥極まりない(笑)。 なんでしょうね。マイクロビキニにというんでしょうか? 上半身はその上から、もうほぼ付ける意味のない、鎖骨くらいしか隠せてないインナー、さらにこれも胴体部分の丈がありえないくらい短い軍用ジャケット(?)を羽織、頭には軍帽。 一方の下半身はビキニの下にニーハイ、靴だけという、とんでもないコーディネイトになっています。 いったいどういう状況なのか? いえ、おそらくこれがこの世界での軍隊の正装なのでしょう。オフショットではないと思います(笑)。 まぁ、過去には穿いてない疑惑の人たちもちらほらいたので、確実に穿いているぶん健全と言えるかもしれませんね。 そんなショーツ(という言い方でよいのか?)部分ですが、メインの布部分はパーツ割りによる成型色。 側面の紐部分が前後ともに肌色の腹部および腰部パーツに塗装で再現されています。 相変わらず、お腹や後ろ側の造形に深いこだわりを感じますね。 こんなアップで画像を載っけてもよいものかどうか・・ 一方の上半身も、なかなかどうしてこちらもすごいことになっています。 サイズ自体はまぁ控えめなんですが、ほぼ隠す気がないですね。 というか、先にも言ったそのちびTにもなっていないその布はなんなのか? なお、その布の中央やジャケットの肩にあるマークの再現にはデカールが付属するのですが、なぜか帽子の中央のマークにまではフォローされてないんですよね。なんで? また、ジャケットの袖や帽子にある赤いラインのほか、イラストのデザインを完全再現するためには細々と色を足す必要があります。 今回はデカールも塗装もなしで。前回もむっちゃんに続いて、ちょっとサボってます・・ 靴はなかなか武骨デザインで情報量が多いです。 足首部分が柔軟に動くほか、爪先も動かせます。 ただ、若干脛との接続部が緩い印象。 頭部アップ。 フミカネデザインを忠実に再現。やっぱり可愛いですね。 ネコミミカチューシャ(ヘッドセット)を付けたうえで帽子を被るという徹底ぶり(なんの?)。 しかしなんとそれだけではなく、実際に手に取るまで気付いてなかったんですが、耳が尖ってますよ。 いわゆるエルフ耳ですね。要素が多い! ちなみに帽子は3㎜軸で取り付けるようになっており、外すとこのように、 頭のてっぺんから軸が生えています。 もちろん、これは前髪パーツを一旦外し、 中の軸パーツを引っ繰り返すことで解消できます。 ほら可愛い。 ネコミミカチューシャは外せませんけどね。 あと、すでにお気付きかもしれませんが、フェイスパーツの目の横にはスリットが入っており、 そこに差しこむかたちでマスクの装着が可能。 ほら、格好いい。 ネコの口っぽいディティールが入っていて、ネコミミと併せてお洒落に決まっています。 もちろん、3種類のフェイスパーツ全部でマスクを取り付けることができます。 もう1種類。首許に付けるカートリッジタイプのマスクもあります。 首許のパーツを付け換えて取り付け。 ガスマスクっぽいメージですが、なぜか顔に直接付けることはできません。 後ろ髪は2房に分かれた構造で、いつもの球体関節で可動します。 関節はけっこうキツめなので、各軸をちょっとヤスって調整しました。 緩いくらいでいいと思います。 フェイスパーツは3種類。右向き通常顔 正面向き微笑顔 正面向き笑顔 通常顔こそ生真面目そうな雰囲気ですが、ほかの2つはなかなか可愛げがある感じ。 フミカネデザインの再現度はさすがです。 なお、フェイスパーツはFAGシリーズと互換性があるので、相互に交換が可能。 誰の顔が付いているのかわかるかな?(難易度低)武装モード 腕部をメカ腕に交換。さらに腰にスカートと携帯パックを付けた状態。 便宜上武装モードと呼ぶことにします。 なお、イラストでは右がメカ腕、左は素体のときのジャケット袖の魔魔の腕になっていますが、キットではどちらも左右分付属するので好みで選んでオーケー。 ハンドパーツもそれぞれ別のものを使用しますが、もちろん互換性はあります。 腕部は、肩は共用で、上腕以下を交換する使用ですが、メカ腕を付ける場合は先にスペーサーパーツを挟みます。 ジャケットの袖をまくり上げたイメージなのかな? なぜか2パーツに分割されていますが。 ダボを合わせて固定するのでくるくる回転するようなことはありません。 FAGの例に則り、3㎜穴付きのスペーサーも付属します。 こちらは1パーツ成型。 スペーサーを通したうえでジャケット腕を付けることもできます。 当然、ちょっと腕が伸びます。 太腿(ニーハイ)側面のパーツも3㎜穴付きと交換可能です。 スカート・・と言っていいのだろうか? 腰にも装備が追加されますが、やはりほぼ隠す基はありません。 やはりミリタリーなデザインですが、裾にひらひらを付けることで少しは可愛らしさも意識している様子。 でも隠す気ないので台なし(笑)。 スカートはジョイントで接続されていて、3ヶ所で可動します。 腰裏のスカート基部にはウエストパックを装備。 弾薬とか薬とかレーションとか、この中にいろいろ入ってるんでしょうね。 パックとマウントラッチはそれぞれ取り外すことが可能。 で、それらを外したスカート基部。 ネコ尻尾は生えています。 これもなんらかセンサー的な役割を果たすのかな? 尻尾自体は接続部で回転するのですが、根元の基部パーツが外れやすいです。武装・オプションアサルトライフル シンプルな箱型のライフルはストックの長短が選択可能。 3㎜軸ではなくダボ接続ですね。 ほかに拡張製もありません。 手で持つ以外で本体にマウントすることもできません。剣 キット化に際してデザインが起こされた武器。 専用の鞘が付属し、もちろんそのまま収めることが可能。 鞘は上部の3㎜穴に付属の軸パーツを付けてスカートなどに取り付けることができます。 わずかに角度が付いた軸になっています。 2つ付属します。簡易スタンド 基本はメガミデバイスなどに付属する先っちょ丸い棒を支柱にする簡易ベースですが、 支柱が2本になってスライド伸縮するようになっており、本体との接続軸も上下にスイングするようになっています。 ディスプレイの幅が広がったとは思うのですが、結局支柱が3㎜であることは変わりなく、安定性、強度も微妙なままなのでイマイチ使いづらい点も変わらず。 そろそろ支柱をもう少し太くしませんかね?比較画像 水着繋がり(?)でFAG フレズヴェルク=アーテル サーマーバケーションVer.と。 アルシアの基本フォーマットはFAGなので、サイズはほぼ一緒です。 袖とニーハイ、靴のぶん、アルシアのほうが肌色の面積は狭いはずなのに、サマーテルのほうが健全に見えるのはなぜなのか? FAG フレズヴェルク=アーテル サマーバケーション Ver. レビュー エルフ耳繋がりで、メガミデバイス ✕ 武装神姫 エーデルワイスと。 サイズはメガミのほうが一回り小さいので並ぶと少し違和感がありますね。 しかし、意外とエルフ耳のガルプラって少ないですよね。 希少種なんだなぁ・・ メガミデバイス × 武装神姫 エーデルワイス の レビュー 以下、画像 まず素体モードで。可動よりも造形重視のFAGフォーマットなので、可動性はほどほど。腕部の接続部は固定で、肘も90度強しか曲がりません。 でも、腹部から腰部は見ため重視の一体型の一方で胸部はけっこう反らせることができますし、 股関節も下方スライドと脚側のジョイント受けが引き出せる最新の構造が踏襲されているので、そこはむしろ初期のメガミよりも可動域が広かったりします。 なにも付けてない状態だとちょっと隙間が目立ってしまいますけどね。 可愛い。 武装モードでも。 まぁ、素体モードから変わりないですけどね。 イラストイメージで。 肘がもう少し曲がってくれれば・・ 以降、しばらくイラストと同じ右メカ腕、左袖あり状態でいきます。 これで自立できるんですよ。 素晴らしいバランス感覚。 もちろん立て膝もばっちり。 脚を閉じなさい! 抜刀! 反るのは得意なんですけど、逆に前屈は苦手ですね。 もう少し体勢を低くしたいところ。 フル装備で。 スタイリッシュ。いろんな意味で。 背中にも3㎜穴があるので、そちらにスカートを付けることも可能。 ポンチョみたいになるかと思ったら、短過ぎてどうにも・・ でもなんかサマにはなってるか? 特典のアクリルプレートと合わせて。 いいじゃないですか。 イラストをしっかり見せたいということもあってのでしょうが、ニューフライングベースの6角じゃなく、ネオのほうの大判町報掲載ずにしてくれたのが嬉しいですね。 支柱も安定してますし。 ここから少し、ほかのキットも使って遊んでみます。 まずはFAGの頭部と挿げ換え。 頭部接続径が共通なので、FAGの頭部とはそのまま交換することができます。 画像はサマーテルの頭部に、フェイスパーツはアルシアの笑顔をはめ込んできます。 目隠れ髪もいいですね。 なお、FAGの頭部と接続径が同じということは、創彩少女の頭部とも互換性があるということ。フェイス交換は無理ですが。 スケールこそ違いますが、ヘキサギアの小物も似合います。 アーリーガバナーのアリスパックはとくに相性がよいですね。 後方支援部隊のイメージ。 一方こちらは最前線で、バンプアップ・エクスパンダーのガトリングブレードを装備。 これはそもそも通常サイズのガバナーにはオーバースケールな武器ですから、サイズ的には問題なく、デザインもぴったりな感じ。 ただ、こんな格好で歩いてたら間違いなく職質されますね。 銃刀法違反と公然わいせつで(笑)。 いや、さすがにこれで街中歩いてないだろ・・ バンディットホイールもまたよく似合う。 これも本来はスケールが合わないのですが、足の置き場に少し困るくらいで乗るのにはなんの不自由もありません。 むしろ誂えたようなフィット感。 世紀末痴女です(酷い・・)。 アルシア「パ〇ツじゃないから恥ずかしくないっ! いや、さすがにモロ出しでその言い訳は通用しないので、もう少し恥じらいは持ってください(笑)。 というわけで、有名なアレをイメージして組み換え。 M.S.G レイジングブースターなんか、このためにあるようなものですからね。 色味的には単体のほうを使ったほうが違和感はなかったと思うのですが、いくつかパーツが見つからなかったので、揃っていたメガミ アリスに付属のものを使いました。 アルシアの太腿ロール軸はやはりFAGと同じで3㎜なので、組み換えも容易ですね。メガミみたいに専用のジョイントが要りませんから。 せっかくなので後ろからも。 うまい具合にスタンドと尻尾で見えない・・ 以上、“島田フミカネ ART WORKS アルシア” でした。 一応ノンシリーズの単発キットという扱いですが、実質的にはFAGです。 フミカネデザインの真骨頂というか、いろいろと詰まりに詰まったデザインを見事に再現。 おそらく、こんなキットはコトブキヤしか作ろうと思わないし、実際コトブキヤにしか作れなかったろうと思います。 技術的な問題だけでなく、ね。もちろん褒め言葉ですよ。 まぁ、キットとしては非常にシンプルで、とくに目新しい要素もないのですが、だからこそ素材としての良さがよくわかるというもの。 その出で立ちのせいでちょっと悪目立ちしてしまっている感もありますが、普通に可愛いですしね。 貴重なエルフ耳頭部でフェイスパーツがFAGと互換性があるわけですから、それだけでもかなり需要があるんじゃないかなぁ。 サクサク組めるから、複数確保する人も多そう。 まさに今日、ホビーショーでカラバリの発売も発表されましたしね。 ガルプラも全体的にボリュームが増していく傾向にあるなか、たまにフッと、これくらいシンプルでお財布にも(まだ)優しいキットが割り込んできてくれると、一種の清涼剤のような感じで気持ちも休まりますね。 直前にかなり厄介なヤツ組んでたから余計にそう思う(笑)。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。