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オーク銀座クリニック 院長のお話
2017年7月発行『i-wish ママになりたい 妊娠力を取り戻そう!』
不妊内科の設置で 治療スピードがアップ
■最近の新しい取り組みがあれば教えてください。
最近は抗セントロメア抗体をもっている患者様の治療ですね。抗セントロメア抗体をもって
いると受精がうまくいかないといわれているのですが、治療でステロイドを使用します。
こういう場合、以前は内科に紹介状を書いて治療してもらっていたのですが、時間はかかる
し、患者様の負担も大きくなってしまうのがネックでした。紹介してもドクターによっては
「治療の必要はない」と判断され、思うように治療が進まないケースもありました。
ですから、現在は不妊内科として内科のドクターに外来を持っていただいています。
これにより治療スピードがあがり、短期間で妊娠する患者様もいらっしゃいます。
もちろん、このような治療が東京でも同じように可能となっています。
着床時期のずれが 着床不全の一因
■ほかに新しい治療法があれば教えてください。
着床不全に対する新しい治療があります。
着床はいつでも可能というものではありません。子宮内膜が厚くなって、そこに黄体ホルモ
ンが入ってきてはじめて着床可能状態になります。
この時期が、主にホルモン補充周期の患者さんの中で少しずれている方が15%程いらっしゃ
います。この場合、本来5日目に戻すべき胚を6日目に戻したほうがいいのです。
最近、この時期が子宮内膜組織からわかるようになりはじめました。この時期が解析される
ことで、移植時期も移植胚との関係もクリアになります。
研究機関はスペインで、そこを協力先として、検体を送っています。今は世界各国から送ら
れたデータを解析しているところだと聞いていますが、この検査を扱う日本支社ができたた
め、日本からも多くの施設で利用し、このズレの解決が進むことでしょう。
新しい研究もスタート 治療に活かしていきます!
■現在、研究中のものもあるのですか?
はい、こちらもスペインのドクターとの共同研究になるのですが、子宮内膜の細菌について
の研究です。
今までは子宮内膜に細菌はいないと考えられていたのですが、最近になって内膜にも細菌が
いて、正常な細菌がいないと着床できないのではといわれるようになってきました。ですか
ら、子宮内膜の細菌を遺伝子レベルで調べる研究に参加することにしました。
このように治療に活かせそうな方法は積極的に取り入れ、必要に応じて患者様にもお伝えし
ながら、治療実践していきたいと思っています。