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アルガルベカップ初戦

2018.03.01 12:04

サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は、今年もポルトガルで開催されている「ALGARVE CUP 2018」に参加しています。

初戦の相手はユーロ優勝国であり、昨年から何度か対戦しているオランダ。御存知の通り、日本時間の3月1日未明に試合が行われ、なでしこジャパンは2-6の大敗を喫しました。得点シーン・失点シーンをまとめたハイライトは、以下のリンクの動画が画質も良く分かり易いと思います。

ツイッターを見ながらの試合観戦で、フォロワーさんたちも指摘されていたのが中央の脆弱さ。サイドは長谷川&中島というある程度勝負できる2人が頑張っていただけに、余計に失点シーンも含めた守備の弱さが目立つ形になってしまいました。

6失点の主な内訳は以下の通り。

①右CBヴァンデルグラグトが右SBの位置まで持ち出す。FW田中のプレッシャーが弱くなる

 →ロングフィード

 →市瀬ワンバウンドで処理せず、ベーレンステインにかっさらわれる

 →中央に折り返されマルテンスのシュート(グローネンもつめていた)

②右CB→左CB→中盤のグローネンに。

 →右CBの三宅がファーストアタックも失敗、中島が寄せる

 →左のマルテンスへ→外側を通してスルーパス、ベーレンステインへ。市瀬は間に合わず

 →慌てず右足でコントロールシュート。実質3人だけの攻撃にやられている

③マルテンスのクロスを有吉がブロック、オランダから見て左サイドのCK

 →中央で阪口のヘディングクリア

 →中央にいた左SBウォルムのダイレクトシュート

 →ブロックしに行った隅田の足に当たって変化、ゴール

④日本の右サイドスローイン、中島がスローインで戻す

 →有吉がベーレンステインのチェックを受け、横パスでGK池田へ

 →池田のキックしたボールがそのまま中央にいたヴァンデサンデンへ。シュート

 →池田右足でブロックも、真上に上がりバウンドしてゴール。

⑤CKからヴァンデルグラグトのヘディング

 →競るべき選手は三宅、櫨、田中

⑥オランダの右サイドでのボール回し、この時ベーレンステインが中盤まで下がる

 →市瀬がベーレンステインを追い、阪口の前まで

 →長谷川が奪いかけるもベーレンステインがかっさらい

 →ヴァンデサンデンへ、ドリブル、中央にグラウンダー折り返し

  (鮫島はタテを切ったが、阪口はパスコースには入れていないタイミングでのアクション)

 →清水のクリアは小さく、グローネンの前へ。グローネンのシュート

 →清水懸命にブロックも、こぼれ球はマルテンスの目の前へ

 →マルテンス、逆サイドへシュート


私が特に気になったのは、2失点目と6失点目。CK絡みの3&5失点目は、特に5失点目については日本の中で比較的身長が高い選手を置いたエリアでさほどジャンプもせずにヘディング決められているので、根本的に問題があるとしか思えません。その辺ははしょらせていただきます(笑)

2失点目。グローネンにボールが渡った直後の様子がこちら。キャプチャは上記ハイライトから抜かせていただきました。

ボールホルダーのグローネン(中盤左)にチェックに行っているのは、右CBの三宅選手です。この位置でCBがアタックに行き、失敗したことで後ろは3バックの状態になります。

グローネンから左サイドのマルテンスにボールが渡った時点で、3人vs2人の状況。外からパスを通された時点でベーレンステインvs市瀬。1失点目の時と同じく、スピード勝負では分が悪く、右に切り替えてシュートする余裕まで。


これがミスであるならばまだそこを修正すれば済むんですが、後半も同じようなシーンがあります。6失点目の少し前です。フルタイムのライブ映像からのキャプなので画質が悪いですが、主審の前でボールに向かってブレているのが、ベーレンステインと市瀬選手です。市瀬選手が下がったベーレンステインと一緒に中盤まで上がり、ここで長谷川選手と挟んでボールを奪いに行くも失敗し、右のヴァンデサンデンにボールが渡ります。

下の画像はヴァンデサンデンがグラウンダーのクロスを送る瞬間ですが、一見4バックが揃っているように見えます。でも、ボールに一番近い日本の選手は#10阪口選手。CBの位置に入れ替わる事は出来ず、市瀬選手はベーレンステインのマークからも外れ、大きく遅れて阪口選手の左側にいます。中央にはグローネン、逆サイドにマルテンス。ボールは逆サイドまで回り、清水選手が外に逃げるという選択肢を取らなかったのも重なり、グローネンのシュート、ブロック、マルテンスのシュートと続きます。

2失点目と6失点目の共通点として、CBが中盤にチェックに行ってかわされ、一時的な3バック状態になっているのに、ポジション入れ替えやスペースを埋める作業はまるで間に合っていないように見えます。チェックに行った相手は中盤のグローネンとCFのベーレンステインなので対象が異なりますが、果たしてこのエリアにボールが入った時にCBとSH(中島選手or長谷川選手)で囲むことになっているのか?いずれにせよ、ここで自分たちの構えを崩して失点しているとすれば、CBが行かない、中盤が入れ替わって下がる、SBが絞ってSHが下がるなど、やり方を変える・・・或いは、二の矢三の矢を仕掛ける必要があります。

目標としていた優勝は、アルガルベカップの仕様上ほぼ不可能ですが、しばらく勝っても負けても中身の乏しい試合が続いているだけに、あと3試合、何をしたいのか感じられる試合が見られることを願って、夜中の試合をまた見ようと思います。