香りの効果
https://www.deodor.co.jp/kaori/effect.html 【香りの効果】より
毎日仕事に家事に勉強に、忙しい日々を過ごす現代人。人間関係に悩んだりストレスを抱えることも多いのではないでしょうか。
最近ではそんなストレス解消に香り・アロマを取り入れる方も増えているそうです。
ラベンダーや樹木の香り、オレンジ、バラ、桜、金木犀・・・皆さんそれぞれに好きな香りや無性に嗅ぎたくなる香りがありますよね。
実は香りには驚くような効果があるのです!
このページでは香りによって期待できる効果についてご紹介します。
秘密は脳にあり?!香りが本能に響く理由
「香り」と言っても「良い香り」もあれば「悪いニオイ・悪臭」など、その種類は多種多様です。また人によっても好みは様々。同じ香りでも好ましいと思う人もいれば悪臭と思う人もいます。
また香りを嗅ぐだけで昔の思い出がよみがえる、なんとこともありますよね。子供の頃の記憶や昔の友達の香り、学校の思い出など、香りを嗅いだだけで一瞬にして色々な記憶が浮かんできます。
香りは、目に見えないし触れるものでもないのに、何故人の感情に強く働きかけることができるのでしょうか。香りの効果とは一体どうやって起こるのでしょうか。
感情と香りの密接なつながり「プルースト効果」
特定の香りによって、それに結び付く記憶や感情を呼び起こす現象を「プルースト効果」と言います。
フランスの作家マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」という小説の中で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸したときに、その香りで幼少時代を思い出した場面があり、その描写がもとになっています。
「人間の感情の75%は「におい」によって引き起こされる」という説もあるくらい、人間の感情と香りは非常に密接な関係なのです。
記憶と能のイメージ
五感で唯一!においだけが本能に直結
五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)はそれぞれ刺激を受けると、「大脳新皮質」という論理的思考や言語機能を支配している部分を経由してから「大脳辺縁系」という人間の本能や感情を支配している部分に情報が届きます。
しかしにおい・香りを感じる嗅覚だけは大脳新皮質を経由せず、大脳辺縁系に直接情報が伝達されます。つまりにおい・香りだけが直接本能に繋がる感覚なのです。
そして大脳辺縁系の中には「海馬(かいば)」と呼ばれる記憶を司る部位があり、香りの情報はダイレクトに海馬へ届きます。そのため香りの記憶は鮮烈に残りやすいのです。
香りがもたらす効果とは
香りが本能に直結することで感情に大きな影響を与え、記憶とも連動するという効果があることが脳の構造からみえてきました。
つまり香りによって人間の行動に影響を与える効果が期待できることがわかります。
■意思決定に作用する
香りには気持ちを盛り上げて前向きな感情をもたらす効果や、考えをクリアにして決断力を高める効果が期待できます。
■リラックス・リフレッシュ効果
香りには心を鎮めて気持ちを穏やかにしたり、疲れてモヤモヤしてしまった心を解き放ちスッキリとさせる効果が期待できます。
■記憶を思い起こさせる
特定のにおいを嗅ぐことで一瞬にして記憶やイメージを思い起こさせる効果があります。記憶を思い出し、その時の感情や思い出を想起させます。
■イメージの明確化
視覚や聴覚では伝えきれない、イメージを伝えるツールにもなります。具体的なイメージを香りによって明確化して伝えたり、印象を強める作用が期待できます。
香りの効果はビジネスシーンでも大活躍!
香りがもたらす効果を応用することでビジネスでも活用することができます。今話題の「香りマーケティング」がまさにそれです。
香りの効果がビジネスシーンでどのように生かされているのでしょうか。事例とともにご紹介します。
■集客効果や滞在時間の延長
香りの良いところは目の届かない離れた場所にいる人へも届けることができるところ。バレンタインフェアでチョコレートの香り演出をすることで離れた場所にいる人に気づいてもらえる「集客効果」や会場のイメージアップ効果をえることができます。
また店舗や遊戯施設で気持ちが前向きになる香りを演出することで購買意欲の促進や滞在時間の延長も見込めます。
■香りによるおもてなし効果
ホテルや商業施設のエントランスで四季に合わせた香りや心地よい香りを演出することで、顧客への「香りによるおもてなし効果」が期待できます。
入口で「おもてなし」をすることで、その後も気分よく滞在していただけ、顧客へのイメージアップにも繋がります。
■香りによるブランディング効果
ブランドやホテルエントランスでブランドイメージに合わせたオリジナルの香りを演出することで、この空間ならではの特別な香り、というブランディング効果が得られます。
更に香りを商品化し販売することで、離れた場所でも無意識にブランドを印象づけることができるでしょう。
■イベントや映像へのイメージ効果
アート展やイベント会場、コンサートなどでその催しに合った香りを演出することで、イベント全体の雰囲気アップに繋がります。
例えば映画で雨のシーンで雨を感じる香りを発散したり、タレントイメージに合う香りをコンサート中に発散するなど、臨場感や高揚感を生み出すことができるでしょう。
目的に合わせた香りの選び方
ひとことで香りといっても、その種類は様々あります。そして香りの種類ごとに、その効果は変わっていきます。
どんな香りがあるか、その香りにはどんな効果があるのかを知ることにより、シーンや気分に合わせた香り選びができるようになりますよ。
香りは大きく7つの種類に分類されます。まずはそれぞれの香りの特長を知ることが大切です。
香りの7分類
1.フローラル系
フローラル系イメージ優雅で華やかな甘い香りで、美しい花々をイメージさせる、女性に人気の香り。
→ ローズ、ジャスミン、ゼラニウム、ラベンダーなど
2.柑橘系
柑橘系イメージ多くの人に受け入れられる、ナチュラルな香り。
→ オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ベルガモットなど
3.スパイス系
スパイス系イメージ刺激的で香辛料のようなスパイシーなテイスト、アジアやインド料理を想起する香り。
→ シナモン、コリアンダー、ブラックペッパー、クローブなど
4.オリエンタル系
オリエンタル系イメージエキゾチックで官能的な独特の甘さを感じる、重みのある香りが特徴的。
→ イランイラン、サンダルウッド、パチュリなど
5.樹木系
樹木系イメージ深い森で森林浴をしているような、思わず深呼吸したくなる樹木の香り。
→ ヒノキ、シダーウッド、サイプレス、ティートゥリーなど
6.ハーブ系
ハーブ系イメージ爽快なハーブの香りでリフレッシュしたいときには最適なスッとした香りが多い。
→ ローズマリー、ミント、バジル、タイムなど
7.樹脂系
樹脂系イメージ木の樹脂から採取される香りで、粘度が高い重くて甘い香りが特徴。
→ ベンソイン、フランキンセンス、ミルラなど
シーン別!おススメの香り
香りの成分などから一般的に言われてる香りの効果をシーン別でご紹介します。
ただし香りの好みは個人差が大きいため、こちらはあくまで目安として、最終的にはご自身の気持ちに合わせた香りをお選びくださいね。
イライラした気持ちを鎮めてストレスを解消したい
フランキンセンス、ラベンダー、ベルガモット
ぐっすり眠りたいときに
ラベンダー、サンダルウッド、ネロリ
気持ちを落ち着けて安心したい
ゼラニウム、ネロリ、マンダリン
疲れた心に元気が欲しい
ジャスミン、グレープフルーツ、ヒノキ
スッキリとリフレッシュしたい
ペパーミント、レモン、グレープフルーツ
集中力を高めて勉強や仕事を頑張りたい
ローズマリー、ユーカリ、レモン
冷静になって考え事をしたい
ヒノキ、サンダルウッド、シダーウッド
チャレンジする気持ちを奮い立たせて前向きになりたい
レモングラス、オレガノ、ジンジャー
身近な生活で使われている香りの効果
香りの効果、と改まって言うと気づきにくいかもしれないですが、香り成分による効果を日常生活で使用していることがいくつもあります。料理に使うスパイスや薬味はまさに身近な香り効果ですよね。
そのほかにも言われてみればこんなことも香りの効果だったのね、と思うような例がいくつかあります。
まな板
杉やヒノキ、ヒバのまな板をご使用になっている家庭もあるかと思います。これらの木には香り成分の中に殺菌・抗菌作用が含まれているため、まな板に使うには最適なのです。
ヒノキ風呂
ヒノキ風呂も香りの効果の代表例。ヒノキの香り成分がお湯で温められることでフワーっと発散されます。ヒノキの香りにはリラックス効果が期待できるのでお風呂にはピッタリですね。
酒樽
日本酒を仕込む酒樽には杉が使われることが多いそうです。香り付けはもちろんですが、杉が持つ殺菌作用によって品質維持効果があるそうです。
ゆず湯
冬至に入るゆず湯。こちらも香りによるリフレッシュ効果+香り成分による健康増進効果によって古くから親しまれている習慣になっています。
コーヒー
ちょっとリフレッシュしたいとき、気分を変えたい時にコーヒーを飲みたくなりますよね。カフェの前を通った時、自分でドリップしたとき、立ち昇る香りを吸い込むとホッとするような、深呼吸したくなるような気持ちになります。コーヒーの香りにはリラックス効果や集中力を高める効果が期待できるそうです。まさに体が求めていた香りだったのですね。
キンモクセイ
秋になると街中に漂うキンモクセイの香り。夏の暑さが一段落したころにふんわり香る独特の甘さのある香りにはリラックス効果があり、落ち込んだ気持ちを軽減してくれる効果も期待できるそうです。夏バテをして疲れた心身にはピッタリですね。
バニラ
お菓子作りによく登場する「バニラエッセンス」でおなじみのバニラの香り。なんとも魅力的な甘い香りは大人も子供も大好きですよね。ちょっと疲れたとき、甘いものが食べたいときに嗅ぐとなんとも心地よくなります。それもそのはず、バニラの香りにはリラックス効果があるのです!自然と身体が求める香りを嗅いでいるのですね。
気軽に取り入れたい香りの演出
香りに何故効果があるのか、香りによる効果の違いについてご紹介しました。「香りを生活やビジネスに取り入れる」というと少しハードルが高く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、香りは私たちの生活にとても身近なものです。
簡単にできる方法から気軽に香りを取り入れてみてはいかがですか。きっと生活が今より心地よくなると思いますよ。
ビジネスで香りを取り入れたい場合は、空間や状況に合わせて香りや機器を選定することが重要です。ターゲットに好まれる香りは何か、香りの強さはどのくらいかなどはプロに相談すると的確なアドバイスがもらえてより効果的な香り空間演出ができますよ。