トランペットのブランクは気にしなくて大丈夫です
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少し前に「ブランク」について書いた日があります。
僕はトランペットの奏法を自転車に例えることがあります。以前20年ぶりに自転車に乗ったら、転倒もせず、すんなりと運転できた経験を、トランペットのブランクについてお話するときにお話することも少なくありません。人間、一度体に入った感覚的な記録はそう簡単に消えないのです。
中高生の頃に吹奏楽部でトランペットを演奏していた方が、大人になって数年、数十年ぶりに復帰したいと音楽教室にいらっしゃる方もいらっしゃいます。大変素敵なことだと思います。
そうした方の多くは、復帰後に音を出す際、少し苦労されることが多いのですが、その絡まっている原因が何であるか注意深く観察すると「過去との比較」であることがほとんどなのです。
「高校生の時はもっと高い音を大きな音でバーンと吹いていたのに!」
ブランク明けで気をつけたいことがこれです。どうしても過去の記憶を再現したくなるんです。でも上手くいかない、ガッカリ。
経験則ですが、ガッカリ度が高い人ほど、過去の演奏がパワープレイだったように感じます。しかも時代的に中高生の頃の部活動は休みなどなく、気合と根性の激しい活動だった、という場合が多い。筋肉は使わなければ退化するので、若い頃の強引なパワープレイをすぐさま再現することは難しいのです。
そもそも、大人になった今、当時の部活動みたいに毎日何時間も楽器に触れることは難しいと思いますから、それならばもっと理論的な面も持ち、正しく方法で効率よく成長したほうが「オトナ」って感じでかっこいいと思うのです。
ゼロから、とまではいかないにせよ、過去は資料のような存在にして、もう一度最初から確認していくことができると「学生の頃はこんな簡単に音が出せなかった」と感じるはずで、そうおっしゃっている生徒さんも多いです。
ブランクについては恐る必要はありませんが、新たなチャレンジだと思って再開していただくと、楽しいのではないか、と思います。
ぜひブランク明けのレッスンにいらしてください。
荻原明(おぎわらあきら)