勝手に比較!住宅の設備・建材まとめてみました!~金属(ガルバリウム鋼板)編
軽くて長持ち!カバー工法に最適
今や屋根リフォームシェアトップのガルバリウム鋼板。リフォームに最適なガルバリウム鋼板の特徴をおさえて、適切なリフォームを提案しよう。
軽くて丈夫で長寿命
ガルバリウム鋼板が人気の理由
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンから成る「アルミニウム―亜鉛合板めっき鋼板」のこと。非常に軽く、地震発生時の揺れを小さく抑えることができる。また、耐久性が高い、ひびや割れが発生しにくい、燃えない、水がしみこまない等の金属ならではのメリットも多い。金属ながら、非常にさびにくい特徴も持っている。
デメリットとしては、金属であるがゆえ、熱を伝えやすく夏場に高温になりやすい、雨音が響きやすい等があげられる。しかし、近年では、太陽光を反射する遮熱性鋼鈑が使われているものもあり、室内の温度上昇を抑えることができる。また、断熱材の使用で断熱性や遮音性が高まるため、断熱材と一体成型のものも普及している。
ガルバリウム鋼板のポイント
○軽くて地震の揺れに強い
重さは粘土瓦の1/10、スレートの1/4。軽いためカバー工法に最適
○耐久性・耐火性・防水性が高い
30年程度の耐久性を持ち、不燃素材かつ、水もしみ込まない
○頻繁なメンテナンスが不要
15年~20年で塗り替え。7~10年で塗り替えが必要なスレート瓦と比べてメンテナンスは楽になる
ガルバリウム鋼板の注意点と対策
× 熱や音を伝えやすい
➡対策:遮熱性鋼鈑や断熱材一体タイプを選ぶと室内の温度上昇を低減できる
×さびる場合がある
➡対策:沿岸地域の場合は、海岸線500m以遠で使用できる商品を選ぼう
【知っておこう!】取り扱いには信頼できる業者を選ぼう
メリットが多く人気のガルバリウム鋼板だが、デリケートな屋根材でもある。例えば、施工時に汚れや傷を付けて放置すると、変色やさび、穴あきなどが発生し、雨漏れの原因となる。また、端部を切断した際に出る鉄粉をきちんと処理しなければ、その後の雨などで、貰いさびが発生する。施工の際には、専門的な知識を持った信頼できる業者を選ぶことが大切だ。
ガルバリウム鋼板屋根いろいろ
長期保証の付いたもの、地域問わず施工できるものなどメリットが多いが、デリケートな屋根材だ。施工時のキズや汚れはその後の耐久性に大きく影響するため、専門技術を持った業者を選ぼう。
スーパーガルテクト(アイジー工業)
特殊な「ちぢみ塗装」で高級感のある質感
断熱材との一体成型。表面に遮熱性塗料を施した「高耐久ガルバ」により断熱性と優れた耐久性を発揮。塗膜15年・赤さび20年、穴あき25年間保証。沿岸地域も保証対象。
横暖ルーフ(ニチハ)
全地域施工可能で、海岸500m以遠を保証
遮熱鋼板と断熱材を一体成型した「高機能金属製屋根材」。「aS」と「S」タイプは塗膜15年・赤さび20年、穴あき25年保証。北海道を含む全地域が施工可能で海岸500m以遠で保証対象。
リコロニー(ケイミュー)
専用接着剤で強力接着。リフォーム専用金属屋根
同社「カラーベスト」への重ね葺きに最適なリフォーム専用金属屋根材。専用の接着剤で強力接着するため、短い工期で施工可能。塗膜、赤さび10年、穴あき25年保証。
※施工は既存屋根材がクボタ・松下電工・ケイミュー製の適用商品に限る
耐用年数が長く塗装が基本的に不要な石粒付金属屋根
石粒付金属屋根材のポイント
○ メンテナンス性や耐久性、遮音性、意匠性が高い
× 他の屋根と比べると金額が高い。断熱性が劣る
T・ルーフ(LIXIL)
天然石付き鋼鈑屋根材。表面に天然石を吹き付け、30年間塗り替えが不要。雨水や強風に強い、インターロッキング工法を採用。基材の腐食による穴あき、亀裂30年保証。
【知っトク豆知識】さびにくさが3倍以上アップした、次世代ガルバリウム鋼板
2016年に、「次世代ガルバリウム鋼板(SGL)」が登場したことにより、耐食性(さびにくさ)が従来のガルバリウム鋼板より3倍以上高くなっている。従来のガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加したもので、これにより沿岸地域の保証範囲が、海岸線より5㎞以遠から500m以遠に拡大した商品もある。
リフォマガ2022年8月号掲載