「ゲルニカ ピカソ、故国への愛」アラン・セール
本日はオンラインストアでジャクリーヌ・デュエームとジャック・プレヴェールの絵本など更新しておりますが、紹介するのは先日更新しました、アラン・セールのよる「ゲルニカ ピカソ、故国への愛」と言う本です。
プレヴェールとは大戦間〜戦後を通して同志の一人でもあったピカソの、言わずと知れたその代表作「ゲルニカ」を詳しく紹介している、どちらかと言うと子供向けの(中学生くらい〜高校生くらいでしょうか)の本ですね。
ピカソの生い立ちから始まり、その作風や当時の芸術的な傾向、また社会情勢などにも触れながら、ピカソのがその「ゲルニカ」を描くにあたった流れを丁寧に教えてくれます。
1937年4月26日、スペイン北部の町ゲルニカで大規模な空爆が行われるのです。それは武器を持たない一般市民を狙った虐殺でした。
5月1日、フランスに住んでいたピカソは新聞でその事件の惨禍を知り、このゲルニカを主題としてスペイン共和国政府(スペインは内戦の最中にあり、空爆は共和国政府と対立するフランコ将軍/ドイツ空軍によって行われたのでした)から依頼されていた壁画制作の絵を描くことを決めたのでした。
描かれたこの絵の叫び、この絵の涙は、この本の中で多く触れられており、また何よりその絵を見る以上に必要な言葉は、何も存在し無いと思うので、絵については触れないでおきます。
作者のアラン・セールは、元幼稚園教師の作家で、こうした戦争や人権関係など重いテーマを子供向けにわかりやく解説した本を幾つも書いていて、日本でもその作品は本書を始め数冊が翻訳されています。
アラン・セールは、ゲルニカ爆撃に続く長く暗い戦争の時代を通して創作をし続けたピカソの不屈の心を評してこう言っています。
野蛮な行為に声を上げる一番確かな方法は、色彩豊かな人生を讃えるのをやめないことだ。
この本なのかではゲルニカ後、戦後におけるピカソの、平和を讃える絵も幾つも紹介されています。
大人から子どもまで、多くの人にお薦めできる本です。是非オンラインストアの方でもご覧ください。
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