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「宇田川源流」【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 今年の大河ドラマの中では珍しく「親子愛」を書いた作品

2022.10.04 22:00

「宇田川源流」【大河ドラマ 鎌倉殿の13人】 今年の大河ドラマの中では珍しく「親子愛」を書いた作品


 毎週水曜日は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について、私の好き勝手な内容を書いている。

今回は「牧氏事件」に掘って北条時政が鎌倉から追放される場面である。歴史の中では「牧氏事件」と言われる事件は、このように解説される。

 1205年(元久2)鎌倉幕府初代執権北条時政の後妻牧の方が,夫と謀って将軍源実朝を殺害,女婿で頼朝の猶子となっていた平賀朝雅を将軍に立てようとして失敗した事件。牧の方は,長年平頼盛に仕えて駿河国大岡牧を預けられた大岡(牧)宗親の娘で,時政との結婚は1182年(寿永1)以前にさかのぼる。1204年(元久1)11月,京都守護として在洛中の朝雅が酒宴の間に畠山重保(重忠男)と争い,重保を牧の方に讒訴,翌年6月時政夫妻は義時,時房らの制止にもかかわらず,重忠・重保父子を滅亡させた。

さて、今回の内容では、牧の方を縁実宮沢りえの演技がなかなかすさまじく、何よりも好々爺二しか見えない北条時政演じる坂東彌十郎に対して、多くの人が応援しているというような状態であった。

何しろ「野心家で策略家」を演じている宮沢りえの演技力はなかなかうまく、本当に「嫌な女性」をうまく演じているし、また坂東彌十郎さんの演技は、好々爺がやり手の女性に騙されて右往左往しているというような感覚をしっかりと見えているのではないかという演技が見て取れる。

今回は、その事件を通じて「親子」を意識した内容になっていたのではないか。

「鎌倉殿」義時が時政パパに「今生の別れ」【ネタバレ】視聴者「神回」もらい泣き

 NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で2日、第38回「時を継ぐ者」が放送された。強引に源実朝(柿澤勇人)を鎌倉殿の座から引きずり下ろそうとした北条時政(坂東彌十郎)の企てを息子・北条義時(小栗旬)が阻止。時政は伊豆に追放された。

 時政との別れの日。義時は声を震わせながら「小四郎は無念にございます。父上にはこの先もずっと側にいてほしかった」と思いを激白。「今生の別れにございます。父が世を去る時、わたしは側にいられません。父の手を握ってやることはできません」と涙をボロボロと流した。さらに「あなたがその機会を奪った…。お恨み申し上げます」と言葉を絞り出した。時政は館の外のウグイスに目をやりながら涙を見せていた。

 時政の行為を「謀反」と断じ、姉・北条政子(小池栄子)の命乞いにも「政(まつりごと)に私情をはさむことはできません」と非情に徹していた義時の息子としての涙。ネットでも「過去一泣いた」「涙ボロボロでした」「短い45分」「数々あった神回の中でも神回」ともらい泣きする視聴者が続出していた。

10/2(日) 20:45配信デイリースポーツ

https://news.yahoo.co.jp/articles/25d29591fcc381606c80501e964fad20efddd4c9

 まずは、北条時政が源実朝を監禁して、立てこもっている。三浦義村が中には一致得るが、当然に北条義時の意向を受けてスパイしているような状況になる。その中において、時政は、既に自分に理がないことも知っている状態であり、りくの言うままに動いていた自分が、そのようにならなかった時の覚悟も存在しているということになるのである。

北条時政邸を取り囲んだ北条義時の軍では「これはおかしい」という北条泰時と、時政を殺さなければならないということを主張する義時との間で言い争いが起きている。その時に八田知家が「そんなことをしたら、御家人から親だけは許したといわれて信用が無くなるだろ」と言われてしまうのである。北条義時の視点は、「鎌倉の中の御家人たち」泰時の視点は「北条家の家族の中の視点」ということになる。

その時に、北条政子が現れ「娘としてお願いします」として、他の御家人たちの前で土下座をする。他の御家人たちも、その場で平伏するという展開。梶原景時や畠山重忠・比企能員の時には、全て殺してきた北条家も、さすがに親子になってしまうと、その処置に逡巡する。それを、心を鬼にしている義時と、まだ情を残しているほかの北条家の人々のコントラストをうまく使っている。

自刃仕様とした北条時政を助けたのは、総てをわかっているかのような八田知家であり、そこもまた涙を誘う。そしてその後罪人となった北条時政と、北条義時の親子の会話が、上記の内容である。

時政との別れの日。義時は声を震わせながら「小四郎は無念にございます。父上にはこの先もずっと側にいてほしかった」と思いを激白。「今生の別れにございます。父が世を去る時、わたしは側にいられません。父の手を握ってやることはできません」と涙をボロボロと流した。さらに「あなたがその機会を奪った…。お恨み申し上げます」と言葉を絞り出した。時政は館の外のウグイスに目をやりながら涙を見せていた。<上記より抜粋>

この後、女性も出てくる。つまり、北条政子と実衣姉妹と、りくの面会。そしてそのりくを暗殺するべく、義時の視覚が現れるという展開である。

なぜお義時はりくを殺そうとしたのであろうか。多分「りく」がいなければ北条時政の鎌倉復帰を画策するつもりではなかったか。しかし、りくを暗殺できなかったことによって、北条時政は生涯伊豆の本領で過ごすことになる。その暗殺を遮ったのは、三浦義村であるというのも、なかなか面白い。

人それぞれの「何を大事にするのか」ということが様々な内容として見えてくる。その人の心の「違い」があり、そしてそれがすれ違うからこそ、ドラマが生まれる。そのことをよくわかっている三谷幸喜らしいてんかいではないか。