マリー・タリオーニ
2012.12.18 15:28
ミュゼ・カルナバレでマリー・タリオーニの肖像に出会いました。
タリオーニ(1804-1884)はスウェーデンとイタリアの血をひく
ロマンチック時代を代表するバレリーナ
1832年パリオペラ座での初演で大成功をおさめた
「ラ・シルフィード」で
世界で始めて本格的にポアントで踊り
チュチュとトゥシューズという
現在のバレリーナのスタイルを作りました。
晩年はバレエ教師になり
1860-1870はパリ・オペラ座バレエ学校でも教鞭をとっています
背が高く痩せぎすの猫背で
「容姿に恵まれなかった」と
記録に残っているタリオーニですが
写真をみるとスタイルもよく美しい人です
この時代のバレリーナの写真には
今のバレリーナと比べると、
顔が大きい人も、脚が太い人も多いですし
当時と現代では女性の美に対する価値基準が違うのでしょう
写真が残っていてよかったです
ただ猫背だったのは本当のようで、
「お嬢さんは絶対に良いバレリーナにはなれないのだから
洋裁でも習わせた方がいいですよ」
そうバレエ教師に言われるほどだったそうです
時には気絶するほどだったという父親フィリッポの特訓で
バレエは上達し猫背もなおったのだとか
もう一つの欠点は
とかく何事にも無感動でクールな性格だったのですが
振付家だった父フィリッポはそれを逆手にとって
「空気の妖精=シルフィード」を創造したといいます
猫背で無感動・・・・・・・たしかに
バレエに向いているとは言えませんよね
マリー・タリオーニの成功は
プリマ育成に夢を託したマリーの父フィリッポの
熱意と創意工夫の賜物
そういえるかもしれません