プラクティスミュートで調子が悪くなったこと、ありませんか?
プラクティス(練習用)ミュートで練習をされている方も多いと思います。
音を出せる場所って限られていますし、常に思い切りオープンで演奏できるのは難しいかともいます。そんな方に確認したいのですが、プラクティスミュートを使った後、オープンで吹いた時にこんな状態になった経験はありませんか?
・いつもより大きい音になる
・ピッチが低めになっている
・高い音が出ない(逆にミュートの時は比較的出せた)
・音色がバリバリしている(開いた音)
・ブレス回数や量が多い
・バテやすい
・狙った音が当たらない
・調子が不安定になった
ミュートをつけていると息苦しいけれど、結構何でもできているような気がしている場合、少し注意が必要かもしれません。
そもそも、トランペットとは何によって音が出ているのか、考えたことがありますか?楽器に息を吹き込むから、ではありません。簡単に言えば「体内の空気圧」によって音も出るし、コントロールもしているのです。
しかし、プラクティスミュートの仕組みは、ベルを極限まで密閉に近い状態にすることで、楽器を共鳴させないようにしています。したがって、楽器の中に流れた空気がベルから出ることができず、オープン時にはなかった楽器による強い空気圧が発生した状態で音を出そうとするわけです。
これがすべてのバランスを狂わせるきっかけになっています。
そしてもうひとつ。プラクティスミュートは音を遮断する機能を備えているわけですから、通常のオープン時で出していた音量の何十分の一、極めて小さな音(とても静かな環境でないと自分の音が聞こえない)になるはずなのです。しかし、それを忘れて「きちんと聞こえる音量」にしたいと思ってしまい、かなりの高圧状態で無理にならそうと、空気圧を異常なまでに高めてしまいます。
すると、アパチュアがどんどん広がってしまい、その感覚を持ったままオープンで音を出そうとすると、上に挙げたような違和感や不調が生まれてしまうのです。
隔週土曜日に「ラッパの吹き方:Re」というブログを更新しております。ブログは過去のものが埋もれてしまうため、定期的に掘り返し作業をしています。
今回はプラクティスミュートについて、お話した記事を紹介します。
ぜひご覧になってください。
荻原明(おぎわらあきら)