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放課後の塾との連携をした学習支援の好事例。瑞穂町のフューチャースクールに視察に伺いました

2018.03.03 09:05

西多摩の清水都議からお誘いをいただいて、瑞穂町のさいとう町議におつなぎいただき、瑞穂町フューチャースクールの視察に行って参りました。


この日に伺ったのは瑞穂第五小学校です。瑞穂町教育委員会の稲富統括指導主事からまずは瑞穂町が進めてきた放課後の学習支援について説明を受けました。

瑞穂町では、小学校でも中学校でもフューチャースクールといって、塾と連携した学習支援が行われています。

小学校の方では六年生の希望者に、基本年間3000円のテキスト代だけで余分な料金は一切取らずに、塾の派遣する講師から算数の授業が受けられる授業を開催しています。一回の授業が1時間、年間20回開催で、原則的に全ての回を参加していただくと言うことで最初に希望者を募るということです。


進学や進路のためというよりは、児童生徒の勉強をする習慣をつけることが目標ということで、生徒さんの習熟度で二つのクラスを設置して、それぞれを講師1名が受け持って生徒さんたちのやる気を掘り起こしつつ、習熟度別テキストに沿って勉強を進めます。

すごいのは、このテキストが塾の講師の方々による自前のものだということです。進路のため、進学のために塾の中にも様々なテキストはありますが、あくまでもそれは進学の試験の内容に沿って編集されたテキストだということで、このスクールのためにあえてテキスト作成から行ったということ。


講師の方々にも話を伺いました。

もともとこの瑞穂町出身の講師や塾長を持つ塾ということもあり、貢献したいという思いから実現したというのもあるようですが、教えてみると、子供たちは本当に素直で学びを深めていってくれるので本当にやりがいがあります、とおっしゃっていました。


それから、懸念される保護者の方々の反応ですが、瑞穂町では概ね良いものが多いそうです。これからの希望としては、開催する曜日や時間に幅をもたせてほしい、例えば部活や習い事の予定と被ってしまった場合に参加できないとなってしまうので、週に何日かあるといい、というむしろ積極的にこの学習支援を拡充してほしいという意見があるようです。


教育委員会の皆さんにとっては、子供達が勉強することを楽しいと思ってくれるきっかけ作りに、塾の講師の方々は本当によくやってくださっている、と感謝されているようでした。そして、基本的にこのスクールの時間帯は塾の講師の方々にお任せすることで、学校の担任の先生方には他の授業準備や業務を進めていていただくことが先生方の働き方改革にも繋がる、と一石二鳥です。



生徒さんたちは、問題にや問いかけに間違えても講師の方からの上手な導きにより、全く立ち止まることなく次へと進むことができていました。

この時期の生徒さんたちにとって、一つの教科について教えてくれる先生が複数いるというのは、違う視点から考える見方を知るきっかけになったり、新しい考え方を持って向き合うとその教科を好きになったりする可能性も大いにあると思います。


この学習支援の効果の検証についてはこれからだということですが、教室を見せていただいただけで、その効果についてはすでに立証されているような気が致しました。少人数だからこその、生徒さんたちの活発な意見の発信。先生との軽快なやり取り。普段の教室よりも細やかなやり取りができるというのはこのスクールの大きな強みであると感じました。


課題としては、この授業の年間スケジュールを早々に組んで連携してもらえる塾側に講師派遣のお願いをしていくことが必要であり、講師の確保と日程の調整には大変神経を使われているということがありました。また、塾によって講師の方々のウリや手法が異なることもあり、保護者の方から時にはあちらの小学校のフューチャースクールの方に通いたい、なんて希望が出ることも?あるのかもしれない、というまだ可能性段階の懸念ではありますが、そんなお話も伺いました。


財源については、これは都の補助金は全く使っていません。瑞穂町には横田基地があることで防衛の再編交付金があり、それを基金化したところから捻出しているということでした。東京都にも地域未来塾などの事業はあるのですが、それとは違う独自の事業ということです。


都議会では本会議が始まっておりますが、都民ファーストの会でも選挙公約にも掲げている放課後の学習支援、学びの場の創設と拡充は今後条例化の検討も含め進めているところです。すでに自力でこのように取り組んでいる自治体があるということで、本当に大変ためになる視察を行わせていただき、瑞穂町のさいとう町議を始め、第五小学校の日野校長、教育委員会の稲富主事には心から感謝致しております。


会派内でも、瑞穂町以外の学校でも学習支援を拡充していくことができるように、議論を重ねてまいります。