「たたかうか、逃げるか」以外の視点
こんにちは。スパークラボの津田友恵です。
水際対策も緩和され、人の動きがますます活発になってきていることを感じます。私も最近外国籍新入社員の研修をする機会がありました。そこでの体験についてお話したいと思います。
違いを活かしたい、けれど
先日、日本企業へ就職する外国籍社員の方々へ新入社員研修を行いました。とても優秀なエンジニアたちです。コロナでなかなか日本に来ることができませんでしたが、彼らは素晴らしい実績と歴史のある日本企業に就職することをとても楽しみにしているようでした。
日本企業にとって、外国籍社員を採用し、多様な視点を取り入れ、イノベーションを起こしていきたいという思いがあります。しかし、優秀な社員を採用しても、なかなか力を発揮できない、組織になじめず退職してしまう、という問題意識もあるようです。まだまだチャレンジの途中です。
外国籍社員がいると言葉の違い、文化の違い、企業独特の習慣の違い、考え方の違い、価値観の違い・・・違いを感じる場面はいろいろとあると思います。
あなたは違いに直面したときに、どのような気持ちになり、どのような行動やコミュニケーションを取りますか?
違いに直面したときのあなたに起こる反応は?
冷静に考えてみると、違いに直面する場面とは、外国人との関わりとは限りません。もちろん日本人どうしでもあることです。
研修の中で、「これまで“違い”を感じたときにどのように反応してきましたか?」とディスカッションしました。
Aさんは、「仕事の考え方が違うとき、自分の考えはいい考えだと思っているので、相手がどうしてそのように考えるのか聞きたいです。」
Bさんは、「話しやすい相手だったら、どうしてそう思うのか聞かれても答えますが、高圧的で自分が正しいと思っていると感じる相手だったら、『そうですね』とあきらめて相手の言う通りにしています。」
たたかうか、逃げるか
“違い”に直面したときに起こる反応は人それぞれです。
感情は「嫌だな」とネガティブに感じることもあります。行動は表情はこわばり、コミュニケーションは声が感情的で威圧的になったり、もしくはこれ以上違いをぶつけ合うことを避けたくて、黙ってしまうこともあるかもしれません。
人間は、違いは自分の正当性の否定と捉え、自分の“正しさ“が危うくなると、防衛反応として「たたかう」か「逃げるか」の反応をします。
たたかう反応・・・「なんでそんな考え方なんだ。言う通りにしなさい。」
逃げる反応・・・「どうせわかってくれないんだから言わなくていいや」
Bさんは、「私はぶつかって議論するのはあまり好きじゃないです。そういうことから逃げてきたのかもしれないです。」Bさんの座右の銘は「石橋をたたいて渡る」だと教えてくれました。ときに慎重になりすぎて、石橋を叩きすぎて壊してしまうこともあるそうです。
たたかうか、逃げるかではない視点
たたかうか、逃げるかではない視点として紹介したいのは、相手を知ろうとする視点です。
「どうしてそういう風に考えるのか?その考えはどこから来るのか?」
相手自身に興味を持つことです。
「そのような考えを持つようになったのはいつからなのか?」
「何がきっかけなのか?」
を知ることで、自分が無意識に持っている前提にも気づくことができます。
日本企業は多様な人材を採用し、イノベーション起こしていこうとしています。それは今までよりもさらに「違い」に直面することが多くなる可能性があります。
あなたは違いに直面したとき、あなたにはどんな反応が起きますか?
それを知っておけば、相手との違いを感じての防衛反応なのだなと、客観的に自分を見ることができるかもしれません。