陽だまりが好き
2018.03.05 01:19
あびくんはたいてい、
私のベッドの上にいる。
枕の真横、
私の頭の左側が固定席。
今朝もそこで、まどろんでいる。
午前9時すぎ、
出かける前にあびくんに声をかけた。
「いってくるね」
こちらを見てはいるけれど、
目が合っているかはわからない。
ただ黙って大きな瞳を、
私の方に向けている。
外に出て歩き始めると、
すぐに体が汗ばんだ。
2018年3月5日。
東京は気温が高い。
蓮沼駅から電車に乗るか、
蒲田駅から電車に乗るか、
はたまた京急蒲田駅から電車に乗るか。
迷った挙句、
蒲田駅から乗ることにした。
……とそこで、
忘れ物に気がついた。
めんどうだけど、
取りに戻るか。
てくてく歩いて家に帰った。
忘れ物を手にした後、
あびくんの様子をのぞいてみることにした。
ベッドの方を見る。
あびくんは定位置から少しずれて、
窓から差し込む太陽の光を全身で受けていた。
陽だまりがお好きよね。
完璧に丸まって眠っていたので、
声はかけずにその場を離れた。
声をかけても、
耳が遠くてもう聞こえないんだけどね。