Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3-4.5S
ニコン FマウントがAF化された初期の頃に発売された、当時として普及クラスのズームレンズである。
発売された頃、新品購入してしばらく(フィルムカメラで)使っていたが、画質に満足できずに手放した。
先日、懐かしさもあって再入手してみたが、(デジタルカメラで)性能を確認しただけで再度手放そうと検討している。
毎回、手放すことにためらいを感じないレンズである。
Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3-4.5S のよかった点は次の通り。
・ 比較的軽量である。
・ 広角端において開放絞り値がf3.3であり、同種のズームレンズの中では若干明るい。
・ 色乗りがよい。レンズ枚数が少ないからか、コントラストが高くヌケがよい。
・ 当時から安価で購入しやすいレンズであった。
・ 新旧どのカメラに装着してもよく似合う端正な外観。
このレンズの気になる点は以下のとおりである。
・ 全般的に描写性能は正直に言ってあまり良くない。解像度、階調表現などに優れたところはない。
・ 絞り開放では、どの焦点距離でもフレアが生じていて鮮明さに欠ける。大柄なわりに周辺光量の低下が大きい。カラーバランスもよくない。
・ 絞り込んでも性能は大きくは改善されない。そこそこである。
・ 歪曲収差も大きい。
・ つくりがプラスチッキーであり高級感はない。
このレンズは広角24mmからのズームレンジや、比較的小型軽量な点が魅力である。しかし、コストを重視した割り切った設計なのか、性能は凡庸である。
発売された当時、超広角のAFズームレンズ(当時は24mmは超広角扱い)を手軽に購入することができるのは素晴らしいことであった。
現在は役割を終えたレンズといえるのかもしれない。
手軽な24mmのAFレンズを入手したい人、広角レンズは絞って使うものと割り切れる人、開放絞りでの性能を特に期待していない人に向いている。
【スペック】
レンズ構成: 9群9枚
最小絞り: 22
最短撮影距離: 0.6m(0.5m)
フィルターサイズ: 62mm
最大径×全長: 70.5mm×73.5mm(82.5mm)
重量: 375g
フード: HB-3
希望小売価格(税別): ¥51000 ※1989.4.25時点
作例1 焦点距離24mm、絞りf8
作例2 焦点距離24mm、絞りf7.1
作例3 焦点距離24mm、絞りf 9