【ピスト 異音】メンテナンス編 その2
問題さがし
さてさて、あいかわらず異音が鳴りやまない愛車のメンテナンスですが、
さっそく取り掛かります。
どうやらドライブラインに異常があるんじゃないかと睨み、【足回り】中心に攻めます。
まず疑わしく感じているのは
- コグ(リアのちっちゃいギア)
- チェーン
のふたつ。
いずれも一年ちょっと交換してなかったのでガタがきちゃってるかもしれません。。
まずはコグの方から、様子を見てみましょう。
コグを見る
ホイールを外します。
右側のナットは反時計回り、左側のナットは時計回りで緩みます
ホイールがフレームから外れました。
まずは今までつけてたピスト用コグ(厚歯)をリアホイールから取り外してやります。
取り外しに使うのは、見るからに凶悪そうなこの工具。
"コグ外し"と"ロックリング外し"が一体になった工具。
写真のは安物ですが、板スパナも兼ねて使ってます。今回はメンテついでにいろいろネジの調子を見るために使ってますが(ものぐさなので)、メインで使ってるのはコレ。
よりトルクをかけたい時はこちらの方が使いやすいです▼
では外していきます。
ここからの作業
- ロックリング外し
- コグ外し
いずれもやり方はシンプルですが、ピストメンテナンスにおいて特に力技が要求される作業です!
とにかく無理せず、ケガに気を付けてください。
ロックリングとコグは鬼のように固く締まっているので、無理を感じたら自転車屋さんに外してもらいましょう。
ロックリングを外す
コグを外すときはさきにロックリングを緩めます。
さっきの工具の爪がついているところをロックリングの溝にあて、緩めていきます。
非常に滑りやすく、ロックリングの溝や工具の爪をなめやすいので、慎重にセットしましょう。
力をかける方向は、コグを正面から見て右側。フロント側です。
進行方向といってもいいですね。
時計回りに回すと緩みます。
力を込めて緩めていきますが、先ずは工具にジワジワーーーと体重を乗せながら緩めましょう。一気に力を込めすぎてしまうと、工具やパーツの破損、ケガにつながります。
注意しつつもしっかりトルクをかければ緩みます。
工具の爪をセットした状態です。
どうしても緩まなければ、クレCRCなどのスプレーオイルをねじ切りの部分に軽くふいてみても◎
シュッとワンプッシュするだけで、結構浸透して緩みやすくしてくれます。
このホイールに使っているロックリングはデュラエースのNJSロックリング。
NJSパーツでも一番安価なのでは?
比較的手に入れやすいので、ぜひ使ってみてください。
コグを外す
ロックリングが外れたら、次はコグ外しです。
工具についてるチェーンをコグにぐるりと回します。
で、今度力をかける方向は反時計回り。ロックリングと逆の方向です。
同じく、ジワジワーーーと体重を乗せながら緩めていきます。
ジワジワ―――
ジワジワ―――
ようやく外れました。
見比べる
写真右側が今回外したコグ。
で左側が交換用に用意したコグです。
コグの歯数は同じく17t。
交換用に用意したものは、外したものより若干、ギアのポジションが外に出る感じ。
外したコグだと、若干チェーンラインに狂いがあったので、付け替えます。
コグとロックリングを装着
交換用に用意したのは"grunge"のコグ。
歯数のバリエーションも豊富で安価なため、いくつかストックしてました。
交換用の新しいgrungeコグを装着します。
装着前には、ハブのコグを装着するネジ切りとコグのネジ切りに、古いグリスを除去してから新しいグリスをしっかりぬります。
グリスを塗らないと、固着して外れなくなったり、スキッド一発でネジ切りをつぶしてしまったりでいいことありません。
力のかかるところなので、しっかり念入りに。
コグの装着は、先ず手で回せるところまで回転させて装着します。回す方向は時計回り。外すときの逆で。
手で回せるところまで回したら、工具のチェーンをかけて、本締めします。
因みに。
工具で一回ややきつめに締めた後に、もう一度軽く緩め、またややきつめに締める
本締めする前にこの仮締め作業を二回くらいしてから、本締めに移ります。
これをすることでしっかりとガタがなくなり、また、強固に締めこむことができるそうです。
次は本締めです。本締めするときは、またジワジワ―――と徐々に体重をかけてしっかり締めこみます。
しっかり体重をのせて、三かいくらいググッとトルクをかけてやります。
コグが付いたら、お次はロックリング。
grungeコグには純正のロックリングが付属しますが、まだまだNJSのロックリングが使えるので今回はNJSを使います。
コグのときと同じく、しっかりネジ切りにグリスを馴染ませます。コグと接する部分にもぬっておきましょう。サビ止めと固着防止の為です。
コグと同じくロックリングも、先ずは手で回せるところまで回したのちに、工具の爪をセット。
コグとは逆に。反時計回りで締めこみます。
コグのときと同じく、仮締め&本締めをし、ジワジワ―――ググッ!の要領で締めてやります。
これで、異音の原因の一つとして疑っていたコグ周りのチェック終了です。
しかし何回やっても思うんですが、、
ピストのコグ周りのメンテナンス、もっと楽にならないもんかな――――って。
これだけ文明や技術が発展した現代において、力技でアナログなコグ周りの作業。
そろそろ大手メーカー様から、革新的なコグ外し工具がリリースされてもいい頃合いじゃないでしょうか?
まあ、このアナログ加減がなんだかんだで好きなんですけどね。
結果として
今回の異音については、
・コグのゆるみやコグのギア歯が摩耗して異音が発生しているのでは??
と疑っていましたが、正直なところ
・コグは鬼のように締まっていましたし、ギア歯も多少削れているもののまだまだ使えるレベル
でした。。
とりあえずはチェーンラインも若干修正できたので、これで乗ってもまだ問題があれば、次のメンテナンスを模索します。
▼今回の記事で登場したのはこちら▼