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yoyo

京都とすこし滋賀旅行

2022.10.11 15:32

10月8日(土)

はじまってからずっと行きたかった疏水船に乗船。水の流れに逆らいながら大津まで。明治期に開削されたときと同じルートを通れているというだけでもう胸いっぱいという感じだったのだけれど、JTBがかんでいるだけあって最初にムービー(オリジナルドラマ)を視聴したりガイドさんがプロ!って感じだったりプロジェクションマッピングがあったり(北垣国道がしゃべってた)、いろいろしっかりしていた。修学旅行を思い出した。

大津に着いてからは大津祭をみるべく浜大津へ。しかし鉾は立っているけど店は閉まってるし人いない。本番は夜からだし鉾立ってるのを見に来ただけだからまあいいかとお昼を食べ外へ出ると、鉾が動いていた!人も沢山いる!みんなどこにいたんだろう!

鉾は祇園祭のものよりコンパクトなので辻回しも数人で軽々と。お囃子も祇園祭より軽快なのが面白い。囃子方の男の子が身を乗りだして煽っていたり、鉦を叩くお父さんの片腕で赤ちゃんが眠っていたり、自由で自然な感じが良かった。

「どこ歩いてるか分からん」と言っていると法被を着た通りすがりの男性が案内してくれたり、町屋館を見学していたら昔ここに下宿していたというおじいさんが話しかけてくれたり(いつの話なんだろう……)、祭りの雰囲気も相まって土地の人との距離が近くなる。千丸屋という乾物屋で昆布を買い、昆布熊という乾物屋と駄菓子屋さんが一緒になった商店で駄菓子を衝動買い。どちらのお店も親切で心から良いお店と思った。

京津線に乗って京都へ帰る。京阪が路面を走る浜大津駅前。うねりながらの山越え。京津線は心が躍る。


チェックインのち三条通を西へ。学生時代には気にも留めていなかった町中華に若い男女の行列ができていた。マルシン飯店もえげつない。そして三条京阪のブックオフへ。ここのブックオフは他とは違っていたのだなと、違う土地のブックオフへ通う身になって気づく。ちくま文庫とちくま学芸文庫の品揃えがよかったり、選書コーナーが設けられていたり、古書ラックがあったり。今月で閉店してしまうホホホ座三条大橋店も覗き、ここら屋へ。

ここら屋は京を冠につけた居酒屋の最高峰と思う。美味しかった。鴨川に降りた後、締めのラーメンを食べようとグーグルマップで見つけた先斗町の中華めんやへ。腰かけてから一杯1500円と気づく。爆笑。

宿近くに戻り粟田神社のおいで祭へ。大燈呂を子どもは怖がっていたけれど、帰ってからは「うさぎさんいた」「大きいの」と大燈呂の話ばかりしていた。



10月9日(日)

朝から雨。ホテルで朝食のち白川沿いを散歩し、明智光秀の塚へ参り餅寅へ。半分だけ上がったシャッターからずらりとならんだ赤飯が見える。祭の朝という感じだった。開店前だったけれども店のお母さんが残り半分のシャッターを開けてくれ、光秀饅頭2種とお月見団子を買う。

地下鉄に乗って歴彩館の下鴨中通りブックフェアへ。三十一文庫さんで「府立短歌」と「うたつかい」を買う。ごねる子どもに木村喜商店の焼き芋をもたせるも一瞬で食べおわりふたたびごねだしたのであわただしく退散。

インザグリーンでランチ。美味しかったけれども進々堂でパンを買って植物園で食べてもよかったなとずっと思っていた。

西院へ移動し地上へ出ると維新行列が交差点を行くところだった。春日神社へお参りし、交差点で春日祭の神輿と剣鉾を待つ。雨がかなり強くなる中、辻回し。傘を叩く鈍い雨音に冴える剣鉾の鉦の音。


壬生寺へ移動し、狂言の日の雰囲気だけ味わおうと思ったら、別に出店などは出ておらず、かといって子どももいるので狂言もみれず、お参りだけする。グッズや御朱印はいまやすっかり刀剣で、けれども中学生ぐらいの女の子が一人でやってきて「沖田総司の御朱印帳ください」と言う姿は懐かしくて、「新選組ブレンドとは……」と思いつつつられて前田珈琲の新選組ブレンドを買う。前川邸の前を通ると「土方君が来てますよ」と呼びかけられ「誰だろう……?」と覗いてみたら着ぐるみだった。一緒に写真を撮ってもらう。


四条から市役所前まで歩く。途中新しくできた方の鳩居堂の前の「レターバイキング」という看板が目に留まりレターをバイキングずる。いろんなバリエーションの鳩モチーフがあってどれもかわいい。上品なものからレトロなものまで。この旅行でいちばんよい買い物だった。手紙を書くことはあまりないけれども。

ホテルに帰ったところで、世渡り神事が中止になったことを知る。これが旅行のメインだったので悲しい。けれどもいちばん悲しいのは祭りの関係者、造形大の学生さんたちだろう。巡行来てねと呼びかけていたアカウントのツイートが、中止決定後からぴたりと止まっているのが物悲しい。今朝の赤飯はどうなったのだろう。


予定がなくなったので四条のブックオフへ。けれども思っている以上に疲れがたまっていたらしくしんどくなりすぐにホテルへ帰る(それでも高島屋の地下で日本酒は買った)。自分の体力を高く見積もらないように気をつけようと思う。ベッドの上で日本酒を飲みながら「府立短歌」を読む。これがすごくよかった。京都と短歌、というか都市と短歌の相性よいなあと思う。



10月10日(月)

早起きして早起亭へ。だしの香りが朝の身体に沁みる。おあげの甘さが舌にやさしい。朝うどんははじめての体験だったかもしれない。

平安神宮のツアーに参加して時代祭の収蔵庫や庭園を案内してもらう。時代祭の衣装はそのときどきの最新の歴史考証を反映させていること。上の衣だけ羽織るのでなく、下まで本物であるということ。歩く美術館(博物館?)であること。細かい衣装の話も面白かった。よく「時代祭は新しい」と言われることを平安神宮側も承知で、その上でなお時代祭に誇りを持っているのだなあというのが伝わってくる。新しいという、ただそれだけで切って捨てるのはもったいないし失礼だ。古いままではない、古いものを残しながら新しいものを取り入れている、という京都にいたらよく聞く話も、実感をともなって聞こえてくる。

庭園で鯉と鴨にエサをやり粟田神社へ。剣鉾とお神輿が出発するのを見送る。神輿が出発するのと同時にお神酒をふるまってもらい、飲んでいると「ギャラリーのみなさんも引っ張ってください!」と言われ階段を下りる神輿の綱を引っ張る。

思いがけない体験だった。各々の社会で生活している土地の人と観光客、そのあいだにある壁を曖昧にしてまるっと包んでしまう祭りというものがとても好きだ。三条通へでると沿道でお餅が振る舞われていた。食べながら平安神宮で聞いた話を思い出していた。お昼ご飯を食べた後、青蓮院へのぼり、お神輿行列の巫女さんから剣鉾のお守りをいただく。動物園のスロージェットコーヒーでひと休みし蔦屋書店に寄ってから祇園まんじゅうでおはぎを買って帰宅。

子どももお神輿の綱を引いたことが印象に残ったようで、今日も保育園に着くなり先生に「おみこし!」と言っていた。今住んでいる土地にも祭りはあるのだろうかと調べている。