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Just a blue

Hiby RS2

2022.10.12 14:00

R2R DAC「DARWIN」搭載の小型DAPということでかなり興味があり、発売前のヘッドフォン祭で実際に試聴して購入しました。ただし、15分程度の試聴で音質の良し悪しを完全に見切れるわけではないのでちょっと不安もありましたが…


縦横のサイズはAK120程度なのですが結構厚みがあるのでゴツく感じ、付属ケースに入れるとさらに一回り大きくなりますね…。とはいえ主流の5インチ液晶DAPより格段にポケットに入れて持ち歩きやすいです。造りもしっかりしていて質感も良いですね。

twitterで本機は「エイジングが必要」と目にしてましたが「DAPでエイジングが必要なのか?」と懐疑的でした。購入直後は音にツヤが少なく抜けが悪く息苦さを感じていたのが、25時間くらい使用後から音にツヤも出て息苦さを感じなくなった “気がしました” ので、ある程度の鳴らし込みは必要みたいですね。


SDカードのスキャンはデフォルトで手動ですので、SDカードを入れたらホーム画面の「再生設定」の「音楽をスキャン」を押してください。設定でオートスキャンにもできます。タグ情報のスキャンは、SAMSUNG EVO Plus 128GB MicroSDカードに入れた3600曲で1分54秒ほどでした。特に遅くはない感じかなと。再生中も音飛びなどありませんでした。


R2Rらしいオーガニックな音質

30時間エイジング、NOSはON、Highゲイン設定でその他設定は特にしていません。音源はすべてPCM、イヤホンはDita Dream XLSでの感想です。

基本的な音質はR2R DACらしい輪郭のしっかりした実像感のある音です。よく海外のレビューで「オーガニック」と称されますが、この言葉がとても端的このRS2の音質を表してると思います。服の素材でたとえると「シャカシャカ、サラサラの化学繊維」ではなく「ウールやコットン」ですね。注意深く聴くと人の声や楽器の質感の違いが再現されています。

パッと聴いてもカリカリした解像感が高い印象はなく、むしろ眠めに感じるのですが…、しばらく聴いて耳が慣れてくると腰の座った感じの音が心地良いんです。解像力を「音の輪郭のシャープさ」ではなく「音の階調の滑らかさ」に割り振っているように感じます。これはR2R DACに共通した特徴ですね。とはいえ、ちょっと眠いですね。

Highゲインでもノイズは聴こえませんので感度の良いBAイヤホンでも特に問題ないと思いますが、私はダイナミック型イヤホンの方が相性は良いように感じます。私の手持ちのイヤホンではどれもHighゲインのほうが好印象でしたので、基本Highゲインでいいかなと。特に高出力ではありませんが、イヤホンなら駆動力はさほど問題ないという感じです。

正直……聴き込むにつれ「立体感や透明感がいまいち」「低音域の輪郭があいまいで解像感が不足ぎみ」「面白みがない」など至らない部分が耳につくようになってきました。同じようなR2R DACの小型DAPなら、さらに小さいHIFIMAN R2R2000(Red)の方が音が良いと思います。

決して音が悪いDAPとは思わないのですが…Hibyの音質傾向は私にはあんまりピンとこないのかなぁ


癖のない出音

このRS2は変な癖がなくつなげるイヤホンの性格や音質がわりと出る感じですね。でも、シビアにイヤホンを選ぶ神経質さはないですね。

新旧の音源問わず「録音・編集の良し悪しもそのまま出る」気がします。悪い音源でもそれなりに聴けますが、良音源のほうが音質は良く感じます(あたりまえですが)。


癖の強いUI 

一方、UI(ユーザーインターフェイス)は癖が強く前時代的です。各種設定画面のほとんどはホーム画面(最初の画面)のみにリンクしていて、曲を再生中に設定を確認・変更したい場合などは一度ホーム画面までもどらないといけないのですが、「1タップでホーム画面に戻れるボタンがない」ところなんかも最初期のAK100のUIまんまなので「そこまでオマージュしなくても(パクらなくても)良いのに」と思ってしまいます。これくらいはファームウェアアップデートで対応してくれると期待したいものです。逆にAK100や120を使ったことのある方ならすぐに慣れると思います。


USB-DACでは音が遅れる

MacでBlu-ray再生時にUSB-DACとして使用したんですが、若干(0.2秒無いくらい」ですが映像と音声がズレますね。実はUSB-DAC用途を期待して買ったのもあったので、だいぶ残念ですが…。ファームウェアのせいか、非力なCPUか、Linuxのせいか、もしかしたら私の環境のせいかもしれませんが。でも、Astell&Kern SE100やHIFIMAN R2R2000(Red)ではこんなことないんですけどね…。

※ファームウェアver1.1で修正されました。よかったですぅ笑。

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R2R DACの音を初めて聴いても最初は違いや良さがわからないかもしれません。左右の絵や写真の違いを見つける「間違い探し」のように『違いに気づけないと違うことがわからない』のですが、一度気づいてしまうと容易にその良さが認識できるんです。近年R2R DACの採用が増えているのは半導体不足だけでなく、その違いを理解できる人が増えたんでしょうね。