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退屈と惰性と 改

MPG ゲツエイ レビュー

2022.10.18 04:06

 今回のレビューは、トランスフォーマー マスターピースG より、

“MPGー02 トレインボット ゲツエイ” です。


 合体・巨大化・グレート(?)の三つをコンセプトとするマスターピースのサブライン、MPGの第2弾として、“トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ” に登場したサイバトロン、トレインボットの

“夜間戦闘員 ゲツエイ” が発売されました。


 先日、ようやく6人めまでの発売(予約)スケジュールが確定したMPG トレインボット。

 1年以来に揃ってくれることを願っていたのですが、まぁ、1人めと2人めの間ですでに3ヶ月開きましたし、それから3人めに至っては5ヶ月開くんですから、もう無理ですわな・・

 今回の発売順がオリジナルのナンバー順になっているのも律儀なことですが、そのせいで合体状態のライデンの感触がなかなか実感できないという歯痒さがあります。

 要となるだろうカエンの発売が最後だからなぁ。

 まぁ、気長に待つしかないですよね。

 ともあれ2人めゲツエイ、レビューしていきます。


パッケージ

 形態、サイズはショウキと共通。

 なお、価格はショウキよりも税抜きで2000円安くなっており、あ、やっぱりショウキ以外の5人は少し安くなるんだな・・と思っていたら、3人めのユキカゼ、先日予約解禁となった4人めのスイケンはともにショウキと同額になってしまいました。

 付属品の関係か、原材料高騰ももちろんあると思いますが。


 キャラクターカードももちろん付属。

 表面のイラストは描き下ろしです。

 なお、説明書のサイズはショウキと同じですが、各コマが二回りほど大きくなっています。 

 さすがにショウキよりも変形パターンは易しいようで。


夜間戦闘員 ゲツエイ

 変形する車両が寝台特急などを牽引するいわゆるブルートレインというのが由来で、夜間戦闘が得意という設定。

 その代わり昼間はぼんやりしていることが多い、トレインボットのメンバー。

 初期のコードネームは、大基のダイアクロン版の名前、ナイトライナーからとってナイトと呼ばれていたそうです。


ビークルモード

 今回も封入状態のこちらから。

 EF65形電気機関車。旅客および貨物運搬用の牽引車両として広く運用されたものの最終仕様である1000番台の車両を再現。

 とくに寝台列車の牽引車として運用されていたイメージが強い気がします。いわゆるブルートレインというやつですかね。

 今回もJRの正規ライセンスが取得されており、再現度はさすが。

 普通に鉄道模型としても十分に見栄えのするものになっていると思います。

 特徴的な濃い青にクリーム色のラインはもちろん塗装で再現。

 青色については、最初は成型色かと思いました。それくらい塗装感がない・・いや、いい意味で。

 つや消しされている感じとか、明らかに塗りました! 感がないんですよね。

 ほんのわずか、ごく小さく発生してしまっているダマや埃噛みなどで塗装とわかるというのも、少々皮肉なもので。

 クリームのラインは、さすがにアップにすると滲んでいるような箇所もちらほらありますが、まぁ諸々許容範囲でしょう。

 サイズは一人めのショウキのビークルモード、0形新幹線に合わせたおよそ1/87スケールとなっています。

 Nゲージなどの鉄道模型では、基本的に同じ幅のレール状を走行可能とするためサイズが調整されるところを、今回はあえてスケールを合わせる・・新幹線と在来線のレール幅の違いも含めて再現するということをやっているんですね。

 すごいこだわり。

 なので、付属のレールパーツも・・おっと、そちらはまたのちほど。


 新幹線と違って、パッと見前後の違いがわかりませんが、左下にグレーで塗装されたディティールがあるほうが前。

 ないほうが後ろです。

 しかしこれなんだろう? なにかの表示板みたいなものかな。

 鉄道詳しくないからよくわからん・・


 なお、前後ともにほかのMPG トレインボットと連結可能なジョイントがあります。

 ひとまずショウキの後端に連結。

 裏から見るとこんな感じ。

 本来ゲツエイが担当するのは前から3両めですが。

 このあとまだ4両繋がるんですよね。

 確実に撮影ブース内に収まらない。


 アニメでは省略されている天面前後2基のパンタグラフはさすがに折りたたむことまでは再現できず、展開状態の固定パーツを取り付ける仕様に。

 変形時には取り外す必要があります。

 一応、前後の向きがあります。

 取り付けない状態では接続穴がモロに・・

 どうせならたたんだ状態のパーツで蓋ができるようにしてほしかったかな。

 なお、パンタグラフパーツは地味に合金製となっています。

 接続時期がかなり細く小さいので、破損防止の意味もあるのかな。


 破損の不安というところだと、ショウキでは車両側面の車窓を透明クリアパーツで再現するためにガワ全体がまるまるクリアパーツになっていた部分がほとんどでしたが、今回のゲツエイは側面に関しては車窓部分のみクリアパーツ裏打ちしてありました。

 うん。これだよ求めていたものは。

 なんでショウキではできなかったのか・・

 まぁ、だとしてもガワ事態がかなり薄いパーツであることには変わりないのですが、クリアパーツに直接ピン打ちされている箇所がぐっと減っているのでそのぶん安心感はあります。

 ただ、なぜか後端のみ前面クリアパーツというだけでなく、可動用のヒンジまでクリア製という危なっかしさ・・

 なんでここだけ?


 手持ち武器のナイトレーザーはその後端パーツを一旦開いて車輪ユニットで挟むような位置に収納可能。

 ショウキと違ってかっちり確実に収納できます。


 TF用スタンドの雌雄を取り付けるためのアタッチメントも付属。

 底面中央の穴(ネジ穴)に取り付けます。

 これもショウキのアタッチメントよりかっちり。

 ちなみに、ショウキのディスプレイにはTFパワーベースを使用するのが前提となっていますが、今回のゲツエイの場合はMP トラックスなどに付属していたスタンドの使用前提と、アタッチメントおよび線路パーツの仕様が異なっています。

 なんで統一しないのか? 

 まぁ、どっちにしろ単体発売してないスタンドなのでどうしようもないんですが・・


 線路パーツも付属。

 ショウキに付属のものと同様、2つを直列に繋ぐことでビークルモード時にディスプレイ台として使用できます。

 スタンドのベースとなるのも先に言った通り。

 長さはWF65形の車体に合わせてショウキのものより短くなっていますが、

パーツ自体の幅は共通で、もちろん連結も可能。

 ただし、先に言った通りレールの幅が異なっています。

 新幹線と在来線の幅の違いが再現されているんですね。

 こだわりがすごい(2回め)・・のですが、これ、連結状態で走ってたら脱線するやん。

 この点については賛否ありそうですね。

 個人的には、車両のスケールは統一しても、車輪(レール)の幅は共通でよかったのではないかと思うんですよね。

 長い線路上で、連結車両をシャーと走らせたいじゃないですか。


ロボットモード

 変形の流れは割愛します。

 ショウキより手順は少ないものの、そこはMPGというところか、ほどほどに厄介な箇所もあります。

 説明書のほかにペラ紙に訂正と補足が書かれているので、そちらも参考に慎重を心がけましょう。

 でも、もう少しそこシンプルにできなかったの? わざと面倒臭いことさせてない? と思う部分が一つもなかったかというと嘘になりますが・・

 ともあれロボットモード。

 ダークブルーほぼ一色のデザインはまさに夜の戦闘を得意とするキャラクターにぴったり。

 けっこう恰幅がよく見えたショウキよりも随分とスマートな印象なのはカラーリングのせいもあるのでしょうが、実際細いです。

 というか、頭部や拳がショウキよりも二回りほど小さいですね。

 そのため頭身が上がっているように見えるのです。

 詳しくは比較の項で。


 バストアップで。

 なかなかにクールそうなお顔立ち。

 頭部(ヘルメット)の輪郭が、色のせいもあるのかコンボイ司令官っぽくも見えますね。

 胸部はプレート状のパーツを山折りにすることで立体感が出る構造になっています。


 手は指が開閉します。

 ただ、サイズ的なこともあるのか親指は固定で、人差し指以下の4指が一体で動く仕様。

 肩のアーマー(ガワ)パーツは接続軸が少し特殊で上下方向の回転ができませんが、そのまま後ろ側に回すことは可能。


 合体時の足首可動の副産物として、右側にだけですが上体を横向きに捻ることができます。

 同様に、胸部パネルパーツのジョイントを外せば前屈できます。

 腰部の回転も、そのままだと胸部パネルパーツなどが干渉して左右45度ずつくらいしか回せませんが、胸部パネルに加えて背中の車輪パーツも浮かせることで360回転させることができます。

 実は変形の最終段階で腰部(下半身)を前に引き出さなければならず、そうしないと腰部の回転ができない構造なのですが、しばらく気付かずに、え? まさかゲツエイ腰回らないの? とがっかりしたりしていました。

 みんな、説明書はちゃんと読もうぜ!(当たり前)


 背面。

 ショウキもそうでしたが、やはりこちら側は若干ごちゃごちゃしますね。

 ビークルの顔部分のガワは、上向きに水平に上げた状態がデフォルトになります。

 これは、オリジナルトイが変形時に取り外す車両前面パーツを、ロボットモードでそのまま背負うことへのオマージュらしいのですが、

画像のようにたたんでしまった方がすっきりするのでそこはお好みで。

 脚パーツは実質爪先だけですが、左右スイングのほか上下スイングも可能。


付属武器

ナイトレーザー

 ダイアクロン時代のキャラ名が名称の由来。

 グリップにあるダボを手の平側のダボ穴にはめ込むことでしっかり保持できます。

 非使用時は銃身を折りたたんで背部にマウント可能。

 マウントしたうえで先のガワを下ろすこともできます。


合体モード

 ライデンへの合体時には右脚を担当。

 今回は太腿の半分くらい(たぶん)までを構成するかたちのようです。

 ビークルモードの中程から折れて後部が持ち上がっただけ・・に見えますが、当然それなりの手順を踏んでこの形態に変形します。

 例によって裏から見ると少々残念な感じも。

 折りたたんでいるガワが閉じるようなかたちならすっきりしたと思うんですがねぇ。


 踵部分はわずかですが延長パーツが展開。

 とりあえず単体での自立はまったく問題なし。


 足首は内側にスイングすることが可能です。

 まぁ、この角度が限界ですが。


 膝の可動は、

そのままだと側面にたたんでいるガワパーツのこの部分が干渉してほぼ曲げることができませんが、

ガワパーツを引き出すことでここまで曲げることが可能になります。

 ただ説明書ではとくに説明されていないことなので、これが仕様なのかどうかは不明。

 無理に広げると破損の可能性もあるので注意してください。


 ライデン時の位置関係はこんなもんかなぁ?

 パッケージ裏のイメージ画像はかなり見下ろした状態だと思うので、実際はこんなバランスだと思う。

 というか、そうであってほしい。


比較画像

 まずショウキと。ロボットモードで。

 背の高さはだいたい同じ。

 これは今回のMPGシリーズでほぼ統一されているそうです。

 しかし、横幅はショウキとゲツエイで随分違います。

 それと、先にも言った頭部や拳の大きさの違いで頭身バランスがかなり異なって見えて、正直並ぶとちょっと違和感が。

 まぁ、オリジナルトイリスペクトというとそうなのかもしれないけど・・


ビークルモードでも。

 ほぼ統一されたスケールということで、新幹線と在来線のサイズの違いを再現。こんなに違うものなんですね。

 というか、これだけ差があるのにロボットモードのボリューム感を一緒にしようというんだからなかなか無茶をしている。


 合体モードでも。

 先ほど想像の位置関係で置いてみましたが、あらためて。

 さすがにショウキが変形する胸部ほどの不安定感は、ゲツエイが変形する脚部にはありませんね。

 ショウキも、なんでもう少し前後がかっちり固定できるようにできなかったのか・・

 一応のライバルとなるアニマトロンから、同じ右脚担当のヘッドストロング(パワーオブザプライム版)と。ロボットモードで。

 いや、石頭でか過ぎやろ・・

 PP アニマトロン全員がでかいんですが、とくに脚担当の2人はでかい。

 現行のリーダークラス並ですね。


 一応、変形させて。

 これまたサイがでか過ぎる・・

 こんなのに突進されたらEF65形なんか大破やで。


 合体モードでも。

 MPG ライデンなら、PP プレダキングやUW デバスターとタイマン張れると信じていた時期が、僕にもありました・・

 しかし、どうもこれは相手にならなそうですね。

 やはりライデンはUWのスクランブル合体戦士とほぼ同等・・今ならレガシー版メナゾール(メナソー)と肩を並べるくらいか、少し大きいくらいになるんでしょうかね。

 まぁ、実際それが正解なんだと思う。

 プレダキングやデバスターがでか過ぎるんだよ。単体状態でも。

 彼らをほかの合体戦士(というかほかのキャラ全員)と並べて違和感のない大きさで再リメイクしてくれないかなぁ。

 とくにアニマトロンは単体の出来に納得いってないので是非お願いしたい。

以下、画像

 可動は良好。

 接地面が狭く、踵があまり機能していないので自立が心許ない場面もありますが、まぁどうにか。

 立て膝はちょっと上手くいきませんね。

 太股と脛の長さのバランスが悪い・・


 指が動かせるので、射撃時に銃に手を添えることも可能。

 上体の捻り、前屈、さらに腰の回転を組み合わせることでなかなかにスタイリッシュなポージングが可能です。

 振り向きざまのポーズとか。

 逆方向からも。

 次回のユキカゼだと、逆向きに上体を捻れるのかな。

 前屈に関してはあまりやるとよだれかけ付けてるみたいに見えちゃいますが・・


 飛びあがっての回し蹴り。

 さらに高い位置から飛び降りるシーンとか。

 スタンド対応穴は腰裏にあります。

 ショウキでは個体差もあったのでしょうが、腕が上腕ロールから外れやすい、左肩のマントパーツがプラプラ、とか気になる部分もあったのですが、このゲツエイではそういった品質面での問題はなく、ほぼストレスなく動かすことができました。


 なんか、ゲツエイに刀持たせてる画像が多かったので、アニメ劇中にそんなシーンがあったのか? と思ったら、単に雰囲気で持たせてる人が多かったそうな。

 でも確かに似合う。

 ただ、なかなかいいサイズの刀がないですね。

 コトブキヤのM.S.G. 日本刀2は造形はばっちりですが、ゲツエイに持たせると脇差しサイズだし。

 ならこれかな。楓さんのSPギア、四の切。

 やっぱこれくらいのサイズでないとね。

 いいわ。似合う。

 格好いいですよ。


 VS ヘッドストロング。

ヘ「そんな華奢ななりでオレの相手が務まると思っているのか!?

 ゲ「でかいだけのウスノロに負けるかよ!


シ「こらゲツエイ! なにダラダラしてるんだ!?

ゲ「いやだって合体できるのまだ一年以上先だし・・

シ「それでもデストロンは攻めてくるんだぞ。ほら来た!

ゲ「あぁもう、仕方ないなぁ・・


 以上、“MPG ゲツエイ” でした。


 ある意味予想通りのスローペースですが、とりあえずMPG トレインボットの2人め。

 今回もJRの正規ライセンス所得によるビークル・・電車モードの再現度の高さはもちろんのこと、ロボットモード時のプロポーション、可動もマスターピースの名に恥じない仕上がりになっていると思います。

 まぁ、ショウキと並ぶとちょっと違和感があるスタイルではあるんですが。

 合体時は脚部になるというところでそこまで複雑な構造になっていないことや、車窓のクリアパーツがほぼ裏打ち方式になったことなどから、ショウキほど気を遣わずに扱えることにはホッとしています。

 とくに車窓・・ガワの仕様に関しては、残りの4人も同じ仕様であってほしい。

 武器のマウントやスタンド用のアタッチメントもかっちり感が増しています。

 このあたりはショウキで不満に感じていた部分なのですが、まさか購入者の反応を見て改善した?さすがにそれはないか・・

 だとしたら、なんでショウキはあぁなった? というところなんですが。

 まぁ、トレインボットのリメイクで一番難しいのは胸部担当のショウキと腰部担当のカエンであろうと思いますし、腕脚担当の4人についてはそこまで不安を抱いてはいませんでした。

 今回のゲツエイの具合でほかの3人の出来にもだいたい察しがつきましたし、しばらくは安心かな。

 品質管理さえしっかりしてくれれば、ね。

 さて、次回のユキカゼは来年の2月ですか。5ヶ後かよ(2回め)。

 後半3人は少しペースアップしてくれるようですが、6人が揃うのは来年12月末ですね。

 しかし予定はあくまで予定なので延期される可能性もあるし・・

 ともかくも気長に待ちましょう。

 というか、全員揃うまで本格的に遊べないなぁ。可動部のへたりとか劣化が怖い。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。